Those!

子供たちよ はじめわたしは白人たちが好きだった
わたしは彼らに果物をやった
わたしは彼らに果物をやった
父よ きいてくれ
わたしの咽喉はカラカラだ
わたしの咽喉はカラカラだ
ここにはもうなんにもない――ひとかけらの食べものも
(アラパホ族のゴーストダンス「わたしは彼らに果物をやった」 アメリカ・インディアンの詩より)

Lynn
Lv. 6
S/P/E/C/I/A/L=8/3/10/5/4/8/2
Tag: Melee Weapon, Science, Unarmed
Skill:
[S] M.Weapon=45
[P] E.Weapon=10, Explosives=25, Lockpick=25
[E] B.Guns=31 ,Unarmed=55
[C] Barter=16, Speech=16
[I] Medicine=20, Repair=21, Science=39
[A] S.Guns=25, Sneak=25
Perk:
[S] Iron Fist
[E] Toughness
[Others] Lawbringer, Charge!, Lady Killer, Tackle
Equipment: Wattz 1000 Laser Pistol, Wattz 2000 Laser Rifle, Merc Charmer Outfit
Rad: 93


「JamesはRivet Cityへ向かった」


 LynnはGalaxy News Radioのビルに戻ってきていた。
 変身によって装着するスーツのおかげで身体に血糊などはまったくついていないため、Talon社の傭兵たちとの戦闘の跡は外見ではほとんどわからないだろう。Three DogはLynnに礼を言い、ラジオ塔の修理の報酬であったJamesの行方を語った。
「Rivet City……。それは何処ですか?」
「ここから南東にだいぶ行ったところだな。細かい位置は下に駐留しているBrotherhood of Steelのやつらから聞いてくれ。Capital Wastelandの中でも、かなりでかい町だ。研究設備とかもある」
「そうですか……、ありがとうございます」

「しかし、いやぁ、助かったな」やや暗い気分のLynnとは逆に、Three Dogは明るかった。「ありがとよ、Lynn。あんたの前にもおれを訪ねてきたやつがいたんだがなぁ……、そいつがもう、苛烈なやつでなぁ」
「それは……、Jamesの娘さんだという、Ritaという子ですか?」
「なんだ、知り合いだったのか? そうそう、あれでJamesの娘なんだからなぁ……」Three Dogは噴き出す。「見た目がぜんぜん似てねぇんだもんなぁ。中身はそっくりだけど」
「知り合いというわけでもありませんが……」
 Lynnの返答を無視してThree Dogは語る。「ラジオ塔の修理頼んだらよ、そんなことしている場合じゃねぇとか言い出すの。Jamesに大事な話があるとかで、早くJamesの場所を教えろって。あんななりして気だけは強くて、それで強引で、人の言うことは聞かないで、Jamesにそっくりだ


「Jamesっていうのは……、どういう人なんですか?」
 娘であるRitaについても知っていることは容姿と人伝に聞いた話しかなかったが、Jamesについてはそれよりもさらに少ない。知っているのは声だけだ。

「ああ、そうか。おまえは直接会ったことがあるわけじゃないんだっけ。まぁ、一言で言えば……」Three Dogは腕を組んで唸り、「体育理系だな」
「は?」
「体育会系で理系だ。いや、理系だけど体育会系なのかな。脳みそまで筋肉で、しかも筋肉で物事を考えるからな。全身の筋肉を使って常に考えているようなやつだ。飯を食っていると勝手に人の分をよそってくる。椅子があるのに座らない。あと暇になるとすぐにスクワットと腕立て伏せを始める。二十年以上前の話だが……、あれは寒い日だった。あいつは火の傍に寄るでもなく、寒い寒いと言ってそこの床で腕立て伏せを始めたよ。しかも片手で指立て伏せだった」

 Jamesという人物の像がよくわからなくなってきた。

「まぁ、会っといて損がないやつだよ。ネタに使えるからな。おれもたまにラジオでネタがなくなったときはJamesの話している。Galaxy News Radioの恒例ネタだ」
これ以上Lynnの中のJamesの姿が壊されないうちにとThree Dogと別れ、一階にいたBrotherhood of Steelの兵士からRivet Cityへの道を尋ねてからGalaxy News Radioを出た。

 James。声を聞く限りでは落ち着いた男性を想像していたが、Three Dogの話で一気にその像が崩れた。

(あれ……?)

 そういえばJamesはなぜ二十年以上前にこのGalaxy News Radioに来ることができたのだろうか
 Vaultは(実際の使用目的はともあれ)核シェルターだ。基本的に閉鎖されており、簡単には出入りができないようになっているはずで、それはJamesがいたというVault101も同様だろう。なのになぜJamesは20年も前にこのGalaxy News Radioビルにいたのだろうか。
 そもそも彼とThree DogやMoriartyとの関係は何なのだろうか。MegatonのMoriartyは、Jamesとは親友のようなものだと言っていた。つまり以前からの知り合いだったということだろうか。Vault101は締め切られたシェルターではなく、開け放された状態にあるのか。否、そういえばVault101は純粋を保つために作られたとMegatonのMoiraは言っていた。そういった目的があったのならば、なおさら閉鎖環境に整えられた場所だっただろう。なのに、なぜ。

 そもそも彼の娘であるRitaは、なぜ父親のことを追いかけているのだろうか。彼ら親子の故郷であるVault101で何か事件でもあったのか。


 地下鉄メトロを通ってバイクを回収し、Rivet Cityへと向かおうとしていたLynnだったが、そんなことを考えていたせいで障害物にぶつかって転倒した。ぶつかった瞬間に身体が淡く輝き、一瞬で変身する。痛みはまったくない。Pip-boyで地図を確認すると、Rivet Cityへ向かう方向とはだいぶ間違った方向へ来てしまっていた。
 自分の身体は一体何なのか。Jamesに早く会って問いただしたい。そう思いながらLynnは寝転がって宙を見た。青空を見上げているうちに変身は解除された。
 キルスイッチを入れてエンジンを宥め、バイクを起こして故障箇所がないか点検する。とりあえず見た目では故障はなさそうだった。エンジンを入れる。少し油臭い気もしたが、大丈夫だろうと判断する。

「おい」
 声をかけられたので、Lynnはバイクに乗ったまま振り向いた。銃を構えた男が2人いた。服装は見覚えのある黒いコンバットアーマー。Talon社の人間だ。
「おまえ……、Lynnか?」

 Talon社の男の言葉に、Lynnはバイクを男に向けて発進させて答えた。男たちの表情が変わった瞬間にバイクが男のうちの1人にぶつかる。彼は身体をくの字に折って飛んでいき、岩にぶつかって血を吐き出した。
 もう1人の男が叫び声を挙げて拳銃を乱射する。Lynnの身体は変身していたが、その必要もなく弾は一発も当たらなかった。Lynnはバイクに乗ったままナイフを男の手へと投げた。男は悲鳴とともに銃を取り落とす。Lynnはその隙にバイクを男の目前で止め、首を掴み、男の身体を宙に吊る。


「Talon社だな?」
「こ、殺さないでくれ……」
「質問に答えれば殺さないでやる」Lynnは首を掴む力を緩めずに言う。「おまえたちはに賞金目当てにおれを襲ったのか?」
「そうだ……。でもあんたのそのスーツのことは聞いてなかった………」
「賞金を掛けたのはBurkeという男か?」
「あ、あぁ……、そうだ。確かそういう名前だった」Talon社の男は必死で首を振ろうとする。
「ではBurkeという男は何処にいる」
「それは……、知らない……」
「知らない? 答えろ」
BurkeはTalon社の人間じゃないんだ。だから……」
 Lynnは男の首を破壊した。男は血を口と鼻から噴出して死んだ。

 Lynnは溜め息を吐いて手を叩いた。安全を確認したためか、スーツが元通りに戻っていく。だがその変化が途中で止まった。



 人の気配がした。息遣い、熱放射、空気の揺れ。人間がこちらを凝視している感覚。元に戻りかけていたスーツが再度Lynnと外気とを遮断した。ナイフを諸手に抜き、感じた気配の方向へと振り向く。
 崩れかけの建物に隠れるようにして立っていたのはみすぼらしい格好をした子供だった。彼は振り向いたLynnを見ると、目を見開いて尻餅をついた。
 Lynnが口を開きかけたとき、後頭部に銃口が押し付けられた感覚があった。

0 コメント :

コメントを投稿

 
Toggle Footer