天国/04/50日目
1257年05月02日
50日目
傭兵隊白の一角獣、ロドック王国に加担してスワディア王国領、ノマールの村から略奪を働くこと
Name: Bill早速、戦である。ロドック王国が貴族、タルバール卿と傭兵契約を結んでから3日後の行軍中のことだった。
Level: 10
HP: 52
Attributes: STR15/AGI10/INT9/CHA9
Skills:
【STR】鋼の肉体1/強打3/弓術5
【AGI】武器熟練2/馬術3/馬上弓術3/略奪3
【INT】訓練1/戦略3/経路探索1/観測術1/荷物管理1
【CHA】捕虜管理1/統率力3/取引1
Proficiencis: 弓140/片手武器99/長柄武器78
Equipment: ベージャー兵の兜/ラメラーベスト/革のブーツ/革の手袋
Arms: ひび割れたエレガント・ポールアックス/黒檀の剛弓/黒檀の征矢
Horse: 駿馬
1257/04/03
野戦
ロドック王国 対 スワディア王国
自軍 172名
トゥリビダン卿(ロドック王国)
Bill(傭兵)
敵軍 166名
ラファルク卿(スワディア王国)
結果 撤退
自軍の半数が負傷した時点で、傭兵隊、白の一角獣の隊長であるところのウィリアムという傷の男は撤退を宣言した。
泣く子も黙る傭兵隊といいながら、意外と大したことがないのだな、というのがマテルドの感想だった。
「意外と大したことがない」そう思っていませんか、と撤退完了後、負傷者の手当て中にに問いかけてきたのは男色家の元騎士、マンスールだった。
マテルドは正直に頷いた。「戦いから逃亡するのは騎士としては名折れだろう」
「われわれは騎士ではありませんからね」今は、と彼は応じた。「傭兵は、傭兵です」
白の一角獣はロドック王国の現在の元帥であるライクス卿の下に集合するために行軍中だった。
スワディア王国、ラファルク卿との戦闘で撤退してから2日後、幸いかどうかはわからないが戦いはなく、コルマール城を攻めようと包囲網を敷いているライクス卿の軍へと加わることができた。
ロドック王国は広く傭兵を受け入れているらしい。ライクス卿の軍にも数多くの傭兵らしき男たちがおり、その中で白の一角獣の隊長は目立っていた。正規軍との戦いで逃げ出したばかりだというのに、傭兵隊白の一角獣は名を轟かしているらしい。
その名が貴族の間まで伝わっていたのか、翌日には早速特別任務が下った。ノマール、セヌツグダ城、そしてコルマール城の索敵をしてこい、というのがライクス卿からの命であった。
その場で特別任務を承諾した傭兵隊隊長だったが、貴族の幕から離れると舌打ちをした。
「何か問題あるのか?」マテルドは隊長本人ではなく、マンスールに尋ねた。「特別任務だろう? 光栄なことじゃないか」
「まず、貴族からの任務だから光栄という考え方は、少なくともうちの隊にはありません」と彼は答えた。「とはいえ逆らったら貴族から目をつけられます。なので、断るわけにはいかない。そしてこの任務は偵察と索敵です。戦いではない。ということは、上がりが少ない」
「上がり?」
「得られるものが少ない、ということです。傭兵は戦いで稼いでなんぼです。もっとも、城を攻めるとなると、たいていのものは貴族に持っていかれることになるわけですが」
つまるところ、戦いに参加できないことが不満というわけだ。しかし先ほどの戦いではさっさと撤退していたが。
「この前の戦闘では数的に有利というわけではありませんでしたし、何よりほかの軍との連合部隊でしたからね」
「何か問題なのか?」マテルドは首を傾げた。「正規軍なんだから、錬度も十分だろうに」
「自分の指揮下にない兵が混ざっているというのが問題なのです」マンスールは諭すように言った。「戦いはですね、すべての兵が、隊長の意思をすべて体現しなくては、勝てないのです」
戦いに参加して略奪に加わることができなくなった白の一角獣は、代わりにと偵察ついでにノマールの村を襲った。
白の一角獣はまず、村人たちを脅迫して物品を差し出させた。
「めぼしい物は、蜂蜜と小麦くらいか」
隊長であるビルの言うとおり、ノマールの村で略奪できた物資は、蜂蜜の甕と小麦の袋だけ。蜂蜜は貴重であり、保存料にもなるため、食料品としては高値で取引される。しかしそれでも、せいぜい200ディナルといったところだろう。
「まさかこれしかないわけないだろう」村を焼き払え、とビルは命令した。
なるほどこれが傭兵隊か。
奪われ、犯され、殺される村人を見ながら、マテルドは自身の無力さを歯噛みした。今は自分も、そのおぞましき傭兵隊の一員なのだ。
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