小説ラスクロ『太陽の鴉』

 《ユリウス・カエサル》という男はもともと有名人であった。
 彼は借金王であった。
 彼は女たらしであった。
 彼はハゲであった。
 だがのちにナポレオン・ボナパルトが列挙した七英雄としての《ユリウス・カエサル》は、ただのハゲの女たらしの借金王ではなかった。

 紀元前52年。ローマ属州、ガリア(現在のフランス)にてひとりの男が立ちあがった。
 若くしてアルヴェニア族の族長となった彼は、ガリア人を纏め上げてローマに対する反乱戦争を開始したのである。
 《ユリウス・カエサル》はこの戦争を契機として、その名をハゲの女たらしとしてではなく、英雄としてローマ中に轟かせることになる。

 そして英雄、《ユリウス・カエサル》にとっての最初にして最大の障害となったこの男の名は、《ヴェルチンジェトリクス》。
 のちにフランス最初の英雄と呼ばれることになる男である。

小説ラストクロニクル


太陽の鴉


■目次

■登場人物

  • 《魔血の破戒騎士 ゼスタール》
    • レーテの暗黒騎士。
  • 《魔戦技の異端姫 シェネ》
    • レーテの黒オセロテの貴族。
  • 《獄炎の料理人 ウォン・ガ》
    • アズルファの料理人。
  • 《聖求の勇者 セレネカ》
    • ティルダナの勇者。
  • 《ヴェルチンジェトリクス》
    • 召喚英雄。フランス最初の英雄。



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