来てください/01/03/01
第一階層
地下三階
幾多の戦士が倒れた絶望の地
□前衛
- キャプテン
- Level:11
- Class:パラディン
- HP:78/78 TP:33/33
- Skill:DEFブースト(3), 盾マスタリー(1), 猛進逃走(1), フロントガード(1), バックガード(3), 採掘(1)
- Equipment:ショートソード/ツイード/レザーシールド/レザーリング
- エコロジスト
- Level:11
- Class:ダークハンター
- HP:75/75 TP:29/29
- Skill:HPブースト(1), ATCブースト(1), 鞭マスタリー(5), アナコンダ(2), ヘッドボンテージ(1), アームボンテージ(2), 採取(1)
- Equipment:ファングウィップ/レザージャーキン/木彫りの髪飾り/レザーリング
□後衛
- エンジニア
- Level:11
- Class:レンジャー
- HP:69/69 TP:28/28
- Skill:AGIブースト(1), 弓マスタリー(6), トリックステップ(1), ダブルショット(3), エイミングフット(1), 伐採(1)
- Equipment:エナメルボウ/ツイード/毛糸の手袋
- サイバネティシスト
- Level:11
- Class:バード
- HP:59/59 TP:38/38
- Skill:TPブースト(3), 歌マスタリー(5), 猛き戦いの舞曲(3), 聖なる守護の舞曲(1), 火劇の序曲(1)
- Equipment:エナメルボウ/ツイード/タージェ
- ドクター
- Level:11
- Class:メディック
- HP:58/58 TP:42/42
- Skill:TPブースト(2), 回復マスタリー(3), 戦後手当(1), キュア(3), エリアキュア(3), 医術防御(1)
- Equipment:スタッフ/バフコート/リーフサンダル
1
地下2階で一度は撤退を強いられた”狂える角鹿”、そして”怒れる野牛”を退けて、ノルン・セカンドの乗員は地下3階へと到達した。
階下へと進みながら、やはり陽が燦燦と照らす植物群に感嘆を漏らしつつも、生物学者は前を進む長い金髪の娘に注意を向けるのを忘れなかった。
目に入るのは、気落ちするキャプテンの後姿である。
先日、生物学者は”狂える角鹿”との戦闘で負傷した。
戦闘時は”フロントガード”で守りを固めるべしという作戦を忘れ、無闇に攻撃したキャプテンに責任があるという見方が強かった。特にドクターなどは、それを強く主張していた。
ともあれ、当事者であるところの生物学者としては、彼女をそれほど攻めているわけではなかった。避けきれなかった生物学者も悪いのだし、何よりキャプテンはまだ若い。判断を焦っても仕方のないところで、そんな若い人間に過度な期待を寄せた生物学者のほうが悪いのである。
そう思っていたからこそ、後日ドクターから「話がある」と言われて呼び出されたときは、はてどうやって彼女を庇ったものかと悩んだものである。
しかし、ドクターの口から出た言葉は、生物学者が予想していたものとはまったく逆の言葉だった。
「できればキャプテンのことを、責めないでやってほしいんだけど」
「えっと………」
生物学者は返答に戸惑った。
基本的に、否、全面的に、生物学者はドクターのことを信用している。彼は今回の乗員メンバーの中で、唯一生物学者よりも年上だし、経験も豊富だ。日頃の言動を見ていてもそれは言え、キャプテンよりもむしろリーダーとしての素質があるのではないかと思うくらいである。
常日頃意見を交わす際に納得できる意見の多い彼であったが、今回ばかりは何を言いたいのか、さっぱりわからなかった。
「どうしてですか? あ、どうしてっていうのは、なぜそんなことをわたしに言うのか、って意味ですよ。朝永さんがいちばん、あの子のことを責めているような感じがしてましたから」
「彼女には……、まだキャプテンのままでいてもらわなくちゃ、困るからだよ」ドクターは落ち着いた表情で答えた。「彼女は曲がりなりにもキャプテンだ。その彼女が駄目になったら、ぼくらは全員駄目になる。彼女には頑張ってもらわないといけない」
「だから敢えて悪役になったってわけですか?」生物学者は呆れた表情をしてみせた。「自分で言っちゃうと、嘘くさいなぁ」
「べつにそういうわけじゃないよ。ただ、ぼくは彼女が責められるべきだと思ったから、そうしただけだ。でも、きみはそうじゃないだろう? だったら、その道を貫いて欲しい」
なるほど、こちらの考えは読まれているな、と生物学者はそのとき思った。彼女としては、キャプテンに責任を押し付けるわけではないが、キャプテンにリーダーとしての重荷は背負わせられないので、リーダーを別に移すべきではないか、という提案を、次にもう一度問題でもあろうものなら行おうとは思っていた。
釘を刺されたという形になったわけだ。
(ま、これ以上何も起こらなければ杞憂で済むんだけどね)
そう思っていたとき、生物学者は全身の毛が粟立つのを感じた。
生物学者が感じたのは、長年のフィールドワークで培ってきた感性による、恐怖の感覚であった。
危険を報せる暇もなく、その”全てを刈る影”が姿を現した。
Battle Phase
Mode: F.O.E.
Enemy:全てを刈る影
Turn1
サイバネティシストとドクターがそれぞれ”聖なる守護の舞曲”と”医術防御”とで杭打ち機の防御能力を強化し、技師が素早く敵の眼前に釘を打ち込み、”トリックステップ”で命中率を下げさせる。
が、それでも目の前の敵の攻撃は止まらない。防御を掻い潜り、その”大切鎌”で生物学者の捕獲用ワイヤーと与えたダメージは56。もう一度受けたら破壊され、使用不能になるほどのダメージであった。
キャプテン:フロントガード→味方前衛(Guard)
技師:トリックステップ→全てを刈る影(Aim Down)
生物学者:アームボンテージ→全てを刈る影(-1)
サイバネティシスト:聖なる守護の舞曲→味方(Def Up)
ドクター:医術防御→味方(Def Up)
全てを刈る影:大切鎌→生物学者(-56!)
キャプテン:74/78, 生物学者:19/75
技師:69/69, サイバネティシスト:59/59, ドクター:58/58
Turn2
「エレナさんっ!」
攻撃を受けた生物学者を庇うようにキャプテンが杭打ち機をさらに前面に押し出すように展開、”フロントガード”。
この押しに気圧されたのか、”全てを刈る影”の一撃は空を切る。
不意を突くように攻撃する生物学者と技師であったが、与えたダメージは僅かに5と6。”全てを刈る影”は怯む様子も見せない。
ドクターが生物学者のデバイスを再調整、”キュア”によってダメージを快復させるが、その快復度合いは僅かに33。なおももう一度”大切鎌”を受けたら破壊される程度のダメージは残った。
キャプテン:フロントガード→味方前衛(Guard)
全てを刈る影→キャプテン(Miss!)
生物学者:アームボンテージ→全てを刈る影(-5)
技師:ダブルショット→全てを刈る影(-3, -3)
サイバネティシスト:猛き戦いの舞曲→味方(Atk Up)
ドクター:キュア→生物学者(+33)
キャプテン:74/78, 生物学者:52/75
技師:69/69, サイバネティシスト:59/59, ドクター:58/58
Turn3
再度、”全てを刈る影”はその両の鎌を大きく振りかぶり、”大切鎌”の一撃がキャプテンたちを襲う。
この攻撃を受けたら、おそらく戦闘不能になる。また自分が負傷でもしたら、面倒ごとになる。
「キャプ、しゃがんで!」
そう判断した生物学者は、キャプテンの頭越しに捕獲用電磁ワイヤーを伸ばして”全てを刈る影”の両の鎌を縛り上げ、”アームボンテージ”。敵の腕を”腕封じ”の状態へ。与えたダメージは僅かに6であるが、腕を封じられている限りは”大切鎌”は不発になる。
「プリシッラ、こっちへ!」
戦闘の最中、技師にそう呼びかけるのはサイバネティシストであった。彼は技師のネイルガンを自分のシンセサイザと繋ぐと、機能を再調整、”火劇の序曲”によって技師の攻撃を火属性へと変化させる。
キャプテン:フロントガード→味方前衛(Guard)
生物学者:アームボンテージ→全てを刈る影(-6, Arm Seal!)
技師:ダブルショット→全てを刈る影(-3, -2)
ドクター:エリアキュア→味方(Recovery)
サイバネティシスト:火劇の序曲→技師(Atk Fire!)
全てを刈る影:大切鎌(Seald!)
キャプテン:78/78, 生物学者:75/75
技師:69/69, サイバネティシスト:59/59, ドクター:58/58
通常の攻撃には効いているように見えない”全てを刈る影”であるが、火の攻撃は堪えられないだろう。サイバネティシストのその予測は正しく、燃え盛る技師の釘は通常の数倍のダメージを”全てを刈る影”に与えた。
その後も、キャプテンは”フロントガード”で防御に徹し、ドクターは”キュア”と”エリアキュア”で快復行動。技師、生物学者、サイバネティシストは全力で攻撃を叩き込んだ。
しかしそれでも、”全てを刈る影”の体力は未だ半分以上残っているように見えた。
そして。
キャプテン:78/78, 生物学者:75/75
技師:69/69, サイバネティシスト:59/59, ドクター:58/58
Turn8
ついに”全てを刈る影”が生物学者の捕獲用電磁ワイヤーの束縛を断ち切り、”腕封じ”から復活。威嚇するように両の鎌を打ち鳴らし、こちらを威嚇する。
「キャプ……」
全員がキャプテンに注目する。このまま押し切るのか、再度”アームボンテージ”で”腕封じ”に期待するのか。
「に……」
「に?」
「逃げましょうっ!」
キャプテンの号令で、ノルン・セカンドの乗員たちは一斉に地下二階への階段へと駆け出した。
キャプテン:猛進逃走(Escape!)
またしても逃走である。
しかし今回のそれは、誰かが負傷してからの行動ではなかった。的確な判断だったなと、生物学者は全力疾走して火照った身体を手で扇ぎながら思った。
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