かくもあらねば/19/01
I Put a Spell on You
炎の魔法
Si
Lv.23→24
S/P/E/C/I/A/L=6/10/4/6/4/9/1
Trait: Fast Shot, Wild Wasteland
Tag: Guns, Repair, Survival
Perk:
[E]: Walker Instinct
[I]: Comprehension, Educated, Hand Loader, Jury Rigging
[A]: Cowboy, Quick Draw, Rapid Reload
[Others]: Confirmed Bachlor, Finesse, Gunslinger, Lady Killer
Equipment: Lucky, Misterious Mugnum, Hunting Revolver(GRA)+, Cosmic Knife Crean, Throwing Knife, NCR Ranger Combat Armor, Ranger Helmet
Companion: Boone, Rex
1
(Stripに行ったとき以来か………)
あのときは傍らにいたのはBooneではなくRaulだったし、SiはまだCaesar's Legionに対する復讐で燃えていた。なにより、あのときにはまだ、Sumikaの姿が見えていた。
僅か数ヶ月前のことだというのに、随分と様変わりしてしまった。
戦前はこれに電気を流して光らせるという無駄なことを行っていた、McCA RAN FIELDの文字を見上げながら、ふとSiはそんな哀愁に包まれた。一息吐いて、敷地内に入る。
KutoとPlatinum Chipの行方を見失ったという報告をしたSiに次に回ってきたのは、McCaran駐屯地に赴き、Hsu大佐から緊急を要する任務を受けよという命令だった。
「見ない顔だが……、どなたかね?」
とHsu大佐はSiとBooneを上から下まで、不審げな視線で眺め回した後に尋ねて来た。Siが前回McCaran駐屯地を訪れたときも、彼から列車に乗るための許可を貰ったはずだが、どうやらSiの顔を覚えていないらしい。
「救援が必要だと聞いた」と短くSiは言ってやる。
「ああ、それは素晴らしい。人手不足でね、正直、猫の手でも借りたいところだったんだ。手を貸してくれるなら、個人的に相応の対価も払おう。ええと、人を寄越してほしいと言っていたのはBoyd大尉だったかな……。あとはRangerの捜索と、キッチンの壊れたオーブンの修理と……」
どうやら彼は、Siが単なる補充員だと誤解したようだ。しかしSiは、妖精の目を持つRanger Fairy Eyeでしか解決できない事件があると聞いたから、わざわざMcCaran駐屯地を訪れたのだ。オーブンの修理のためではない。
「南部NCRから派遣されてきたRangerだ」溜め息を吐いた後、そう言ってやる。「情報漏洩の件について聞きたい」
Hsu大佐の顔色が変わった。
周囲に誰もいないことを確認した後、彼は重々しく口を開いた。「そうか、以前に来た南部NCRのRangerだな。そう、妖精の目とかいったか……。そちらは?」とSiの奥に立っていたBooneに視線をやる。
「元1st Reconの狙撃主だ。今は任務に加わってもらっている。心配ない」
「そうか。では話そう。わたしは部下には絶対の信頼を置いているつもりだが……、今回の件は演習などではない。あらゆるものを見通すという”妖精の目”の力をもって、情報漏洩者を探して欲しい。ここをLegionに奪われると、大打撃だ。頼む」
McCran駐屯地には、SiとSumikaも利用したことのある列車の駅があり、New VegasのStrip地域とを繋がっている。ここが打撃を受けると、人員の移動や供給物に多大な影響があるため、非常に重要な拠点なのである。
「まずはCurtis大尉に話を聞いてくれ」
というわけで、担当者のところへ向かう。Chrtis大尉は疲れた顔をした男だった。
「とりあえずは、これまでスパイらしき人物を見たという者に話を聞いてみてくれ」と言ってCurtis大尉は書類を手渡してくる。「これが目撃者のリストだ」
ざっとリストを眺める。
「少ないね」とSumikaがリストを見て言った。確かに、指で数えられる程度の人間しかリストには載っていなかった。
「殺されたんだ」とそれを受けてCurtis大尉は言った。「何か気付き次第、わたしに報せてくれ。敵は危険な相手だ。既に何人も殺されている……。これ以上、不用意に行動した仲間が殺されるのを見るのは御免だ。頼むぞ、Ranger Fairy Eye」
「助言感謝する。了解だ」
「おれは役に立たなそうだな」
Curtis大尉と別れた後、Booneがそんなことを言った。
「南部の人間であるおれより、1st Reconだったあんたのほうが知り合いも多いんだろう。ここにも1st Reconは駐屯しているし、話も聞きだしやすい」
「いろいろな場所に行ったから、よく覚えていない。その程度だ。特段役には立たん」
そうか、とSiは受ける。確かにBooneは人と上手くやっていけそうな気質ではなさそうだ。返す言葉に迷い、Siは「Bitter Springというところにもいたんだったけか」と言った。
「そうかもしれん」
そうかもしれない、とは曖昧な返答だとSiは思った。Novacにいた、Booneと戦友だというMannyという男によれば、BooneはBitter Springにいたという話だったが。
「あそこでは、勝った。それだけだ」
Booneは、話はこれで終わりだとでも言うようにSiを視界から外した。ちょうど、リストのいちばん上に載っていたBoyd大尉なる人物のいる尋問室へと辿り着いたため、Siも会話を打ち切る。
Boyd大尉はきつい印象を受ける女性だった。苛々とした様子の彼女に、Siは自己紹介と、スパイ発見のために内部調査を行っていることを告げた。
「ふむん、Rangerが憲兵隊をやってるってわけね」と彼女は頷く。
「何か最近のことで思い当たることは?」
「最近の面倒ごとっていったら、部下の無断外出とbreak-insと……、あとは物が盗まれたことくらい?」
「なんだ?」
「Andersって名前のRangerがいたんだけど……」
「いや、そっちじゃない。Break-insとかなんとか………」
「ああ、それは部下から報告があったんだけど、夜の間に管制塔に忍び込む人がいたってだけのこと」Boyd大尉は苛立ちを隠さずに言う。「どうせ逢引でもしてたんでしょ。まったく、こっちは忙しいってのに、何いちゃこらこいてんのよ、ふざけんじゃないっての」
「忍び込むってのは……、その管制塔には、鍵が掛かっているのか?」
「いつもはそうね。許可されない限りは、だから入れないんだけど、参るわ、本当」
「ふむん」
逢引のために、わざわざ鍵の掛かった施設に入り込むだろうか。下手すれば懲罰ものである。
それに管制塔というのは、いかにも怪しい。NCRの一般兵が思っているほど、Caesar's Legionは纏まりのない組織ではない。むしろその結束はといえばNCRよりもよほど一枚岩であり、堅牢だ。
McCaran駐屯地に入り込んだのだから、間諜は列車を目標としていると考えて間違いないはずである。予め作戦内容は考えてきているだろうと予想されるが、それでも事を起こす前には足並みをそろえるため、間違いなく上に経過報告を行うだろう。それを考えれば、管制塔という場所は遠隔地にいる上司に報告するにうってつけだ。
「管制塔の鍵、あんたは持ってるのか?」とSiは尋ねることにした。
「いちおう、持ってるけど」
「貸してくれ」
「いいけど………」
懐からカードキーを出してSiに渡しかけ、Boyd大尉の手が止まる。
「なんだ」
「あなた、南部から来たって言ってたわよね?」と言いながらBoyd大尉はカードキーを懐に戻す。「ちょっとそのRanger Combat Armor、脱いでくれる?」
「なんでだ」
「交換条件」
「どういう条件だ」
「べつに男の裸が見たいってわけじゃないから、大丈夫」
Boyd大尉の説明するところでは、Caesar's Legionの百人隊長を捕らえたものの、NCRの協定で過剰な拷問はできないため、尋問ができずに困っているらしい。
「でもあなたなら、南部の人間だから問題ないでしょ? Hsu大佐には事情は伝えておくから、適当にやってくれりゃ良いのよ。こっちも適当に処理しとくから。適当にぶん殴ってでも吐かせちゃって」
なんだそりゃ、と言いたくなったSiだったが、それで話がつくのならば早い。彼女の言うとおり、南部NCR所属のSiが本家のNCRにおいては超法規的存在にあるのは確かである。
SiはNCR支給のRanger Combat Armorを脱ぎ、尋問室に入る。出迎えた男のは緑色の目をした男だった。
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