かくもあらねば/33/03

The Divide

Si
Lv. 32
S/P/E/C/I/A/L=6/10/4/6/4/9/1
Trait: Fast Shot, Wild Wasteland
Tag: Guns, Repair, Survival
Skill:
[S]: M.Weapon=60
[P]: E.Weapon=30, Explosives=30, Lockpick=100
[E]: Survival=80, Unarmed=20
[C]: Barter=86, Speech=40
[I]: Medicine=30, Repair=100, Science=21
[A]: Guns=100, Sneak=82
Perk:
[P]: Sniper
[E]: Walker Instinct
[I]: Comprehension, Educated, Hand Loader, Jury Rigging
[A]: Cowboy, Nerves of Steel, Quick Draw, Rapid Reload, Run'n Gun
[Others]: Confirmed Bachelor, Finesse, Grim Reaper's Sprint, Gunslinger, Lady Killer
[Implants]: Agility Implant, Endurance Implant, Monocyte Breeder, Sub-Dermal Armor
Equipment: Lucky, Mysterious Magnum, Ranger Sequoia, Sniper Rifle, Flare Gun, Advanced Riot Gear, Advanced Riot Gear Helmet
Kuto
Lv. 42
S/P/E/C/I/A/L=3/6/3/10/4/7/9
Trait: Good Natured, Looser Cannon
Tag: Speech, Barter, Explosives
Skill:
[S]: M.Weapon=39
[P]: E.Weapon=35, Explosives=100, Lockpick=100
[E]: Survival=90, Unarmed=35
[C]: Barter=100, Speech=100
[I]: Medicine=65, Repair=50, Science=57
[A]: Guns=35, Sneak=100
Perk:
[S]: Weapon Handling
[P]: Mad Bomber, Splash Damage
[E]: Travel Light, Tribal Wisdom
[C]: Ferocious Loyalty
[I]: Demolition Expert, Educated, Hit the Deck
[A]: Mister Sandman, Silent Running
[L]: Better Criticals, Mysterious Stranger
[Others]: Adamantim Skeleton, Black Widow, Cherchez La Femme, Explorer, Intense Training, Spray'n Pray
[Implants]: Luck Implant, Monocyte Breeder, Sub-Dermal Armor
[OWB] Brainless, Cardiac Arrest, Reinforced Spine
Equipment: A Light Shining in Darkness, H&H Tools Nail Gun, Red Glare+++, Marked Patrol Armor

「またっ………」
 出てきました。Kutoがその言葉を呟く前に、犬ほどの大きさの巨大な頭の生き物が2体、穴から這い出てきた。


四つ足で歩行するその生き物たち、Tunnelerは人間の姿を見つけるやいなや、恐るべきスピードで駆け寄ってきた。


 1体の頭が吹っ飛ぶ。牧師の銃から発射された.45-70ガバメント弾が、その鱗に覆われた皮膚と骨とを砕いたためだ。2体目も叩きつけられるようにして吹っ飛び、動かなくなる。

Perk: Sniper (頭部への命中率増大; Si)
Perk: Cowboy (回転式拳銃の威力増大; Si)
Perk: Nerves of Steel (Ap回復速度上昇; Si)
Perk: Grim Reaper's Sprint (VATSでの殺傷時AP回復; Si)
Perk: Gunslinger (拳銃の威力増大; Si)

「とりあえず、いなくなったか」
 と牧師は銃弾を弾倉に詰め直してからホルスターに叩き込み、前へ進む。
 この光景だけ見れば、Tunnelerなど、他の地域の変異生物と比べて大して遜色がないと思うだろう。だがこれだけ簡単に対処できるのも、卓越した牧師の腕前があるからだ。
 実際のところ、Tunnelerは恐ろしい生き物だった。高架道路へ向かうためのこのトンネルに生息している生き物で、地下に張り巡らされた穴から急に出没し、集団で襲いかかる。このトンネルに迷い込んだDeathcrowでさえも、その爪で簡単に引き裂かれたのだ。


「こいつらは、なんなんだろうな」
 とTunnelerたちを尻目に、牧師が言った。問いかけるというよりは、単なる独り言のような口調だった。
 KutoにはTunnelerの正体について、ある程度想像がついた。一部のTunnnelerは、野球道具だとか、テディベアだとか、子どもの遊び道具を持っていたたぶん、元は人間だったのだ。GhoulやMarked Manと同じく、そして違って、洞窟という環境に適応した結果なのかもしれない。

「出口ですね……、良かった、無事に抜けられましたね」
 トンネルの終着地点から差し込む光を見て、Kutoは振り返った。
 Advanced Riot Gear Helmet越しでも判る安堵の表情で頷く牧師の背後に、Tunnelerが迫っていた。
「うしろっ!」
 とKutoが叫ぶよりも早く、牧師は反応していた。銃を抜き撃ち、弾丸を6発、Tunnelerの頭部に叩き込む。


 襲い掛かってきたTunnlerは大人しくなったが、敵はその1体だけではなかった。いや、というより、それは囮だったのか。放射状に、4、5体のTunnlerが接近してきていた。穴からもっと這い出てくる。
 牧師は弾切れになった.45-70ガバメントをホルスターに戻し、.357と.44の2挺を抜き、Tunnlerの群れへ撃ち放つ。だがそれでも、12発。群れで襲い掛かってくるTunnlerには足りない。


「くそっ」
 3挺の銃を撃ち尽くし、弾丸を装填しながら牧師が呟くのが聞こえた。驚異的な装填速度だが、それでも間に合わない。目の前に、Tunnnelerが迫っていた。


 目の前が一瞬で白くなる。
 予め目を瞑っていたKutoは、H&H Tool Nail Gunを抜いてTunnelerに向ける。凄まじい閃光で、Tunnlerたちは驚き、その巨大な光る眼は眩んでいる。目を押さえ、痛みに転がることしかできない。
 だから射撃は得手ではないKutoにとっても、その対処は簡単だった。秒間30連射の釘がTunnelerの頭部を粉々に破壊する。


「おい、いまのは………」
 と装填を終えた牧師が目の眩んだTunnelerを撃ちながら、問いかけてくる。Advanced Riot Gear Helmetの光量調節機能のおかげで、そう大きなダメージは食らわなかったようだ。
「Flash bangです」とKutoは道中で拾った閃光手榴弾を示してやる。「目が大きいし、地下で生活してるから、光に弱いんじゃないかと思って………」

Trait: Looser Canon (投擲速度上昇; Kuto)
Perk:Demolition Expert (爆発物の威力上昇; Kuto)
Perk:Splash Damage (爆発物の範囲上昇; Kuto)

「成る程な。じゃあ」と牧師はFlare Gunを抜いて、ようやく閃光のダメージから回復しつつあったTunnelerの群れに放つ。「これでも良いわけだ」


 予想通り、Flare Gunから射出される閃光のために、Tunnelerは恐慌状態になって逃げ惑った。あとは簡単だった。一箇所に集めたところを、Red Glare+++のロケット弾で爆破し、それでようやく静かになった。


 トンネルに入っていた時間は1時間程度なのだが、外に出たときの気分は格別だった。光と風が心地良い。


『この道の終点はAshtonのサイロだ。ミサイル発射施設だよ』
 といつの間にか近くに下りてきていたEybotが言葉を発した。いや、Ulyssesだ。


そこまで行くんだ、Kuto。きみなら、簡単だろう。道案内はこいつがしてやる』
「あなたはどうして、そんなにわたしに執着するんですか?
 Ulyssesの口調に嫌気が差して、そんな言葉を発したKutoだったが、それに対する、『どうして?』というUlyssesの笑い声を聞いて、ぞっとした。『どうして? 解らないのか? それとも解らないふりをしているだけなのか? おれはすべて解っているぞ。おれたちは、同じ道を歩いたんだ。Kuto、考えろ。想像するんだ。おれと、おまえの間の繋がりを』


 高架道路の風と太陽による清々しい気分をUlyssesに打ち砕かれたあとも、Kutoたちは前に進まなければならなかった。Kutoは、Big Mtに帰るための銃を奪い返すために。牧師は「Ulyssesの顔を拝んで尻の穴を増やしてやる」ために。
 これまで同様、Marked Manたちが襲い掛かってきたが、それらは牧師の銃の腕前の前には何の障害にもならなかった。
 だが相手がDeathcrowとなれば話は別だ。

3体はいますね………」
 とKutoは双眼鏡を牧師に渡して言う。
「Red Glareでどうにかならんか」と、双眼鏡を覗きながら牧師。
「足止めにはなると思いますけど……、この距離だと拡散して上手く当たらないんじゃないかな。道路上ってのも不味いですし」
 Deathcrowはその外見と裏腹に、足も速い。身を隠す場所がないこの高架道路では、というか、どこでも、相対したくない相手だ。


ロケットの弾頭があるな」と牧師はDeathcrowがうろつく辺りを指差す。「見えるか? Laser Detonatorで狙えないか」
「狙えますけど……、爆破させて、Deathcrowを倒せるかなぁ………」
「ある程度ダメージを与えられればいい」と言いながら、牧師は道中で拾ったSniper Rifleに弾丸を装填し、構える。「ここは狙い易い」


 Kutoが知る限り、牧師が狙撃銃の類を扱っていたことはない。少し不安だったが、しかしあのDeathcrowを排除しなければ前に進めないのは確かだ。KutoはLeaser Detonatorでロケット弾頭を爆発させる。

 高架道路が煙で覆われるが、すぐにDeathcrowたちがKutoたちの存在を察知して飛び出してきた。3体。足を引きずってはいるが、致命傷は負っていない。1体も、倒せなかった。不味い。
 そう思ったのは束の間で、先頭にいたDeathcrowが吹っ飛ぶまでの短い間だった。


「1体、2体と」
 牧師は淡々とボルトアクションのSniper Rifleを使いこなし、3発の銃弾でDeathcrowを仕留めた。


「あの……、牧師さま、Sniper Rifleなんか使えたんですか?」
「邪魔だから持ち歩きはしなかったが、Rangerとしては一通り訓練を受けたからな」
 事も無げに言う牧師を見て、Rangerというのはこんな化け物ばかりなのか、よくこんなやつらを相手にして生きていられたものだなぁ、とKutoは己の幸運を思った。

「おまえが言ってる、大切なやつって誰なんだ?」
 と高架道路を歩きながら、世間話のつもりなのだろう、牧師が声をかけてくる。
「わたしの話を信じてくれるんですか?」
「内容による」


「実はあなたが見えていたという妖精のことなんです」
 と言ったら、「そうかおまえもUlyssesと同じか」と言われて撃たれる未来しか見えない。ただCecililaの嘘を引き合いに出されて囮に使われたというだけで、彼はKutoに同行してUlyssesを追い詰めようとしているのだ。Ceciliaにとって牧師が特別だったように、彼にとってもやはりCeciliaは特別な存在なのだろう。
 Ceciliaのことを伝えるためには、少なくとも、彼に信用してもらわなくては、駄目だ。こいつの言うことは本当だ、と思われなくては。Kuto自身のことは信用できなくても良い。ただ、妖精じみた生き物が人間に戻れた技術を信じてもらえれば。
「もう少し経ったら……、話せると思います」
 辛うじてKutoはそれだけ答えた。牧師は首を縦に振って応じた。


 Deathcrowの群れとMarked Manの集落を超えて、Kutoたちが辿り着いたのはミサイルの発射場だった。Ashtonだとか、Ulyssesは言っていたか。

Discovered: Ashton Silo Control Station

 Eybotがミサイルの発射装置に干渉し、ミサイルの発射準備が開始される。
 このミサイルでKutoたちを殺すつもりなのかと思ったら、そうではないらしい。ミサイルは最後の承認を待っている状態だ。Eybotがコンソールの上でくるくると回るからには、この操作をしろ、とUlyssesは言いたいらしい。
 Kutoは項目にざっと目を通した。弾頭は老朽化しておらず、ミサイルそのものも劣化していない。間違いなく、目標に命中するだろう。目標座標にざっと目を通した。座標は固定されていて、権限がなければ変更できなくなっているようだ。


「どこに設定されているんだ?」
 とあまりコンピュータが得手ではない牧師が尋ねてきたが、Kutoは、「問題ないです」とだけ応じた。
「問題ないって………」
「このDivideの西です。最初に通ってきた道を出たところの、西に行く道が塞がれてたでしょう? どうも、あそこの瓦礫を除けるためのミサイルみたいです」
「なんでそんなのが………」
「さぁ?」
 Kutoは首を傾げてみせたが、実際はUlyssesが何を考えているのか解っていた。どうせ、こんなの意味がない。たぶん、ただの嫌がらせだろう。Ulyssesの。


「もう何もないところですから………」
 Kutoは発射ボタンを押した。ミサイルが空に飛んで行き、遠くのほうで爆発が起きた。

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