Trouble on the Homefront

腹ぺこのコヨーテがやってくる
真っ赤な手
真っ赤な口
眼球をつらねた首飾り
(守り神の歌 『おれは歌だ おれはここを歩く』金関寿夫訳 秋野 亥左牟絵/福音館書店 より)

Rita
Lv. 8
S/P/E/C/I/A/L=4/9/4/6/4/10/3
Tag: Lockpick, Repair, S.Guns
Skill:
[S] M.Weapon=14
[P] E.Weapon=29, Explosives=30, Lockpick=78
[E] B.Guns=14 ,Unarmed=14
[C] Barter=30, Speech=35
[I] Medicine=25, Repair=60, Science=14
[A] S.Guns=70, Sneak=50
Perk:
[C] Child at Heart 
[I] Ammunition Engineer, Daddy's Girl
[A] Thief, Gun Nut
[Others] Black Widow, Gunslinger
Equipment: Browning High-Power Pistol, SIG Sauer Pistol, DKS-501 Sniper Rifle, M79 Grenade Launcher, Vault Exile


「まずEnclaveについて説明しよう。Enclaveはアメリカ合衆国の再建を目的とする集団だ」とScribe Rothchildは指を組んで語る。「彼らはその目的のために、Jamesの研究、Project Purityを利用しようとした。水を独占すれば、人を生かすも殺すも自由だからな」
「そのために、あんなことをしたのか?」
 とRitaが問えば、そうだ、とRothchildは頷いて返す。「そういう集団だ。彼らは人殺しを厭わない。FEVウィルスの影響を受けた人間を、人間と思っていないからな。言われなくてもわかっているだろうが、気をつけろ。次に、G.E.C.K.についてだが……、G.E.C.K.というのはGarden of Eden Creation Kitの略だ。どういうものかというと、正直なところをいえば、よくわかっていない

「わかっていない?」
 肩を竦めるRothchildに、Lynnは思わずそう尋ねていた。
「そうだ。西海岸では浄化された町ひとつを作り出すことができたという記録もあるが……、大部分がブラックボックスでね。どういう機構なのかはBOSでもわかっていない。だが、使い方は知っている。Jamesはそれを使えば、Jefferson記念館の浄化装置が完成できることまで突き止めた。
 問題は、入手だ。Rivet Cityのマーケットまで足を伸ばせば買えるような代物じゃない。見つかるとすれば、Vaultだろう。いま、Vault-TEC跡で発見された戦前のコンピュータを用意させている。運が良ければ、そこからどのVaultにあるかという情報を引き出せるだろう」


「そのコンピュータ、どこにあるの?」とRita。
「Aリングだ。Sarahに案内してもらえば場所がわかるが、問題がひとつある。まだコンピュータが起動していない」
「は?」
「用意させている、と言っただろう。相手は戦前の発掘品だ。すぐには動かせない。時間がかかる」
「どれくらい? 二、三時間?」
「最低、一週間だな。長いと何年かかっても終わらないだろうが」
 その言葉を受けて、Ritaは唇を捻じ曲げて瞼を半分まで下ろし、首を左右に動かした。

「どっかのVaultにあることはわかってるんだったら、適当に探すよ」
「それは良い方法だとは思うが……」
 言いよどんだRothchildは、黙っていたSarahへと視線を向ける。彼女はその視線を受けて、頷いた。「それは、許可できない」
「許可、できない?」
「あなたはいま、重要な立場なの」とSarah自身もその意向に納得できないのか、それとも単に自分より小柄な同い年くらいの少女にドスの利いた声で訊き返されたからなのか、Sarahは戸惑いがちに言葉を紡ぐ。「Project Purityの責任者の娘だから、Enclaveに狙われる可能性がある。これ以上Enclaveに情報は引き渡せない。だから、あなたの外出は許可できない。外に出られるようにもなってない」

 しばらくの間、Ritaは黙ってSarahに視線を向けて立っていたが、やがて溜め息をひとつ吐いて部屋を出ていこうとする。
「そうだ、Rita。伝えるのを忘れていたことがあったんだ」
 と、その背中に向けて、Rothchildが声をかけた。
「Rivet Cityからバイクが届いた。JamesがLi女史の研究室のスタッフに頼んで、改良して貰っていたものらしい。きみたちのだろう?」


 RitaはLynnを一瞥したのち、頷いて返す。「まぁ、いちおう」
「暇ならBOSでまた改造できるが、どうする?」
「いや……、そのままでいい」
「そうか。じゃあ本棟の入り口においておく。この建物の玄関のところだ」
「わかった……」とRitaは背を向け、去り際に、「ありがと」と言った。

 Ritaの足音が聞こえなくなってから、SarahはRothchildを睨んだ。
「ほんとに良かったの?」
「勘弁してくれ、Sarah」とRothchildは肩を竦める。「良いか悪いかなんて、簡単には決められない。ただあの子をここに閉じ込めておいても良くはないだろうと思っただけさ。彼女は自分の身を守れる程度の腕前があるようだし、Enclaveに捕捉されなければ、まぁ心配ないだろう」

 じゃあ、わたしは準備をしないといけないのでな、と言ってRothchildは部屋をでていく。LynnとSarahだけが残された。
「おれは出て行って良いの?」とLynnは尋ねた。
「あなたは……、ううん、どっちかっていうと、外に出ていたほうが安全かもしれない」
 Sarahの返答は、BOSが技術者集団だという背景があるからだろう。不思議な変身能力があるLynnを捕え、解剖でもするのでは、と思っているのかもしれない。内部の人間である彼女がそれだけ危惧するのだから、人体実験は言いすぎでも、研究のために身体を弄繰り回される可能性はありうる。
(そういえば、Dr. Liの研究室の人たちの目の前で変身していたっけ)
 今さら口止めをしても遅いだろうし、人の口に戸は立てられないとも言う。すぐにBOSの耳にも入るだろう。

 BOSに変身能力の解明を依頼したほうが良いのかもしれない、とも思わないでもなかった。だがLynnのその考えを、Sarahの言葉が打ち砕いた。
「それに、Ritaを守ってあげたほうが良いかもしれない。正直言って、BOSにはあの子を守れるほどの余裕はない。でも、あなたなら守れる」

 Lynnはけして、Ritaと仲が良いわけではない。というより、最悪だ。
 だが彼女はJamesの娘で、LynnはJamesに恩義があった。
 だから彼女を守らなければならない。


 もともとは迷彩仕様だったその車体は、まるで夜のような青に染まっていた。
 キーを捻り、クラッチを握ってスタートボタンを押せば、エンジンが始動する。サイドブレーキを外し、ギアを下ろして半クラッチのまま、スロットルを捻る。
 爆音に、BOSの隊員が駆けつけてくるが、Ritaは無視した。狙ったのは、門番交代のためにCitadelの門が開いた瞬間だ。慌てて気付いても、もう遅い。


 バイクに跨ったまま、RitaはCitadelの外に出ていた。自分で運転するのは初めてだが、意外と簡単にできた。Citadel前からひび割れたコンクリート道へと抜けて、目指すはMegatonである。
 途中、Raiderに出くわしたりもしたが、バイクの馬力をもってすれば楽な道中だった。徒歩なら半日かかる行程を、バイクは一時間で駆け抜けた。


 Megatonの入り口、殆どゴミ捨て場のような場所にバイクを停め、中に入る。とりあえず一時休憩である。目的を達成するためには、いろいろと前準備がいる。
 Moiraの店に入ると、デッキブラシで店の掃除をしていたMoiraが一目散に駆けてきた。
「Rita、久しぶり。Arlington図書館まで行って来てくれたの?」
 と彼女に言われて、Ritaは初めて彼女からそんな依頼を受けていたことを思い出した。

 MoiraはSurvival Guideを書くため、今までにもいろいろと無茶な依頼をしてきていた。地雷原を駆け抜けてこいだとか、放射線を大量に浴びてこいとかで、Ritaはそのたびに口八丁手八丁で乗り越えてきたのだ。Arlington図書館の探索も、そのひとつだ。

Challenge: Speech 53% → SUCCEEDED

「ああ、教えられたところには行ってみたよ。でももう廃墟になってたね。何も残ってなかった」
 と、Ritaは恒例のように切り抜けることにした。
「え? ほんと? ペーパーバックひとつも残ってないの? アレクサンドリア図書館みたいに?」Moiraは目に見えて落胆したが、Ritaを疑う様子は見せなかった。レジからCapを取り出し、「まぁ約束は約束だから……、報酬は払うね」と200 Caps手渡してきた。ありがたい。


Added: 200 Caps

「この金で銃弾買いたいんだけど」とRitaは受け取った200 Capsをカウンターに置く。「.45AP弾と5.56mm弾を100発ずつ」
「あなたが毎回弾を買ってくから、そんなに在庫はないよ」
「じゃあ、あるだけでいい。あと」とRitaはその上に100Caps乗せる。「情報を買いたいんだけど、最近Vault 101の噂を聞かなかった?」
「あー、そういえば、忘れてた」と棚から弾薬を持ってきたMoiraが手を打つ。「そのVault 101のことでね、あなたが訪ねてきたら呼んで欲しいって人がいたんだった」

 そう言われたとき、Ritaの心は一瞬で凍りついた。

 まさか。
「もしかして、その人って、Ama……」


 Ritaが言い切るその前に、店のドアが開いた。
「Moira、彼女がMegatonに来たって噂を聞いたんだけど、店に来てない?」
 という能天気な声は、Ritaの想定していた人物ではなく、Citadelに置いてきたはずのLynnのものだった。


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