A Meeting of Mind

 Tribalの教会で、Jacksonという男がTribalのリーダーであることを聞いたRitaは、彼を追って鍾乳洞窟へと向かった。
 Ritaはそこで、Jacksonは真のTribalのリーダーから指令を受け、Tribalを動かしているということを知った。


 真のリーダーは、まるで古いSF映画に登場する悪の科学者のような、培養液に浸かっただった。
 Desmondのところに戻れば、その脳はかつてCalverts教授と呼ばれていた者のもので、対処法に心当たりがあるということだった。


 RitaはPoint Lookout港湾の観覧車に妨害装置を取り付た。
爆弾で反撃を受けはしたものの、Desmondとともに、灯台の地下にある秘密施設へと向かう。襲い来る障害をすべて打ち倒し、最後にはCalverts教授の脳を破壊した。


 やった、勝った。勝利だ。すべて終わった。パスワードは?
「違う!」

 ひとりきりでPoint Lookoutの霧に包まれた街を歩きながら、Ritaは徐々に思い出し始めていた。
 Calverts教授は、Ritaが幼い頃にVaultで見た映画に出てきた悪役の名だ。
 Desmondも同じ映画に出てきたキャラクターだったと思う。
 Point Lookoutのこの街も、違う映画だが見た覚えがある。

 この場所は。
 この事件は。
 この世界は……。
 すべてRitaの脳の中の出来事だ。

 Vault 87で、RitaはEnclaveに襲われた。EnclaveもG.E.C.K.の場所を突き止めていたのだ。
 だが彼らはGECKを入手しても、それをProject Purityのために使うことができないでいた。なぜなら、スーパーユーザーとしてProject Purityを実行するためのパスワードを知らなかったから。

 Autmun大佐曰く、パスワードはたった3桁の暗証番号だということだった。だが総当たりで確かめようとすれば、すぐにProject Purityはロック状態へと移行してしまう。そうなったら、より厳重なセキュリティを潜り抜けなければ、実行ができなくなる。
 だからEnclaveは、何をしてでもパスワードが知りたがった。
 そしてRitaは、そのパスワードに心当たりがあった。


 右目からどろりと血が溢れた。右目が痛い。右腕も。
 Enclaveは、思い出すだけでも恐ろしい拷問をRitaに施した。
 だがそれでもRitaは口を割らなかった。耐えた。耐えられたはずだ。いまも耐えている。


 この世界も、おそらくはEnclaveによる拷問、というより自白強要だ。Ritaの脳を掘り起こして、どうにかしてパスワードを得ようとしている。


 この世界から出なくてはいけない。この霧に包まれたPoint Lookoutから。
 だが、どうすれば出られるというのだろう?
 桟橋の先には船が停留している。あの船に乗ることができれば、この世界から抜け出せるような気がする。
 だがどんなに走っても、船まで辿りつけない。桟橋が永遠に続いているかのように。

 ついにRitaはその場にへたりこんだ。 
 もう疲れた。
 右腕が痛い。頭が痛い。右目が痛い。


 もう何も考えたくない。
 それなのに、考え続けてしまう。
 自分が諦めたら、パスワードを教えてしまったら、Project Purityはどうなるだろう。Vault 101の古き友、Rivet CityのBryanや、CitadelのBOS、Little Lamplightの子どもたちは。
 
「助けて………」
 Ritaは、諦めそうになった。
 だから助けを求めた。
「Lynn………」

 遥か遠く、水平線の向こうに水飛沫が立ち上がった。何かが走ってくる。
 海を走ってきたのは赤と白で塗り分けられたバイク。


 唐突に現れたそれを見て、RitaはVault 87でのLynnの言葉を思い出した。
「BOSに新しいバイクを作ってもらったんだ。おれの意志で、近くに呼び出せるやつ。たぶん、もう完成したはずだから、急に目の前にバイクが現れても、吃驚しないでね」

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