日誌/剣の街の異邦人 その4
■これまでの贖罪への道
→その1
→その2
→その3
縛り:血統種の傷(血統種との戦いで死亡した場合、その死亡ぶんの生命点を療養で回復させることはできない。ただし瞬間療養は可能)
ツルハシの先が頭に当たればそれは皮膚を破るだろう。頭蓋骨を穿つだろう。脳を削るだろう。
だから一撃を受ければ死に至るのは当然のことだ。
ナイトのヒルデが死んだ。いや、蝶になって霧散した。
森で《植物の姫君、フレシア》に八つ裂きにされて蝶になったベル、陰の王宮で大量のスライムに溶かされ蝶になったナオイエから数えて、3人目のロスト者だった。
前回の日記をつけてからいろいろなことがあった。
その中で大きいのは、前団長のトウジという男の発案である、元の世界への帰還計画がリウによって動き出したことだ。
リウによれば、箱舟の前で純血晶の力を使えば、元の世界へと戻るための扉が開ける可能性があるらしい。箱舟というのは森の北にある施設で、剣の街エスカリオテでも理解されていない場所らしい。
そのためには純血晶が必要であり、血晶集めのために血統種狩りが行われた。
その中で、何人も、何度となく殺された。通常の魔物による傷はすぐに癒えたが、血統種による傷は簡単には治らない。廃者の谷の血統種、《姿なき狙撃者、ル・ヴィン》に射られ、ダンサーのローズマリーが一度殺された。彼女は若いためか、生命点が多いようだが、そう何度も殺されるのは見たくない。
血統種を狩り、純血晶を集め、雪と森の廟の先でリウの儀式が始まった。
結果としては、彼女の力と純血晶によって、異世界への扉を開くのには成功した。扉を開くのには。
開いた扉から現れたのは墜落しつつある飛行機だった。
炎をあげていた飛行機はエスカリオテの貧民街に墜落。中からはワイバーンが現れ、それを退治するまでに多くの被害が出た。
リウが作り出した扉によって起きた事件だった。多くの人が死んだ。エスカリオテの者も、ぼくらが元いた世界の者も。
リウが扉を開かなくとも飛行機は墜落していた、などと言う者もいたが、なぜそんなことがわかる?
そんなわけがない。ぼくたちが扉を開いたせいで飛行機は墜落したのだ。しかもキョウ曰く、飛行機の乗客たちは魔物になってしまったらしい。
軽はずみな行動によって、多くの人々を死よりも辛い目に遭わせた。
ぼくらは罪びとだ。
ここは地獄だ。罪びとが送られる地獄で、ぼくらは罪人なのだ。
ヘロディアの娘、サロメ。岡田以蔵宜振、ペチコートを着た悪魔、マイラ・ベル・シャーリー。みんな、みんな、異邦人はそうじゃないか。
ここは地獄だ。ぼくらは既に死んでいるのかもしれない。地獄なら、死者が居るのは当たり前だ。元の世界へ帰る希望などない。いや、帰れたとしても、帰る意味などどこにある?
それでもぼくらに選択肢は無い。純血晶を集めるのが贖罪であるように感じ、先へと進む。
リウからは地下市街への鍵を、マリリスからは湖の廟へと渡るための水龍の護符を、ギリウスからは昇降機の鍵を受け取り、新たに3つのダンジョンへ進めるようになった。
カロンを名乗る、奇妙に豪奢な血統種と出くわしたのは、廃者の谷の昇降機を下った先だった。
彼は商会から盗んだらしい《略奪されし試作機、ブラックバロン》を呼び出し、こちらを攻撃してきた。
撃退し終わった頃には、ナイトのヒルデが死んでいた、と、こういうわけだ。
目の前で人が死んでいくのを見るのは疲れる。おまけに騎士団のヘルガと商会のレインとの間に起きた出来事に関しては、ここに記す気はない。彼女らが何を考えているのかがわからない。記録終わり。
神気スキルの進み具合から考えて、1/3は過ぎたであろう地点まで来てロスト者が3人。
蘇生や療養によって時々パーティーメンバーが入れ替わりますが、初期メンバーの半分(ヒバシリ、ヨシフル、ローズマリー)が現パーティーのメンバーなあたり、わりと今回の縛りは良バランスな気が。
→その1
→その2
→その3
縛り:血統種の傷(血統種との戦いで死亡した場合、その死亡ぶんの生命点を療養で回復させることはできない。ただし瞬間療養は可能)
ツルハシの先が頭に当たればそれは皮膚を破るだろう。頭蓋骨を穿つだろう。脳を削るだろう。
だから一撃を受ければ死に至るのは当然のことだ。
ナイトのヒルデが死んだ。いや、蝶になって霧散した。
森で《植物の姫君、フレシア》に八つ裂きにされて蝶になったベル、陰の王宮で大量のスライムに溶かされ蝶になったナオイエから数えて、3人目のロスト者だった。
前回の日記をつけてからいろいろなことがあった。
その中で大きいのは、前団長のトウジという男の発案である、元の世界への帰還計画がリウによって動き出したことだ。
リウによれば、箱舟の前で純血晶の力を使えば、元の世界へと戻るための扉が開ける可能性があるらしい。箱舟というのは森の北にある施設で、剣の街エスカリオテでも理解されていない場所らしい。
そのためには純血晶が必要であり、血晶集めのために血統種狩りが行われた。
その中で、何人も、何度となく殺された。通常の魔物による傷はすぐに癒えたが、血統種による傷は簡単には治らない。廃者の谷の血統種、《姿なき狙撃者、ル・ヴィン》に射られ、ダンサーのローズマリーが一度殺された。彼女は若いためか、生命点が多いようだが、そう何度も殺されるのは見たくない。
血統種を狩り、純血晶を集め、雪と森の廟の先でリウの儀式が始まった。
結果としては、彼女の力と純血晶によって、異世界への扉を開くのには成功した。扉を開くのには。
開いた扉から現れたのは墜落しつつある飛行機だった。
炎をあげていた飛行機はエスカリオテの貧民街に墜落。中からはワイバーンが現れ、それを退治するまでに多くの被害が出た。
リウが作り出した扉によって起きた事件だった。多くの人が死んだ。エスカリオテの者も、ぼくらが元いた世界の者も。
リウが扉を開かなくとも飛行機は墜落していた、などと言う者もいたが、なぜそんなことがわかる?
そんなわけがない。ぼくたちが扉を開いたせいで飛行機は墜落したのだ。しかもキョウ曰く、飛行機の乗客たちは魔物になってしまったらしい。
軽はずみな行動によって、多くの人々を死よりも辛い目に遭わせた。
ぼくらは罪びとだ。
ここは地獄だ。罪びとが送られる地獄で、ぼくらは罪人なのだ。
ヘロディアの娘、サロメ。岡田以蔵宜振、ペチコートを着た悪魔、マイラ・ベル・シャーリー。みんな、みんな、異邦人はそうじゃないか。
ここは地獄だ。ぼくらは既に死んでいるのかもしれない。地獄なら、死者が居るのは当たり前だ。元の世界へ帰る希望などない。いや、帰れたとしても、帰る意味などどこにある?
それでもぼくらに選択肢は無い。純血晶を集めるのが贖罪であるように感じ、先へと進む。
リウからは地下市街への鍵を、マリリスからは湖の廟へと渡るための水龍の護符を、ギリウスからは昇降機の鍵を受け取り、新たに3つのダンジョンへ進めるようになった。
カロンを名乗る、奇妙に豪奢な血統種と出くわしたのは、廃者の谷の昇降機を下った先だった。
彼は商会から盗んだらしい《略奪されし試作機、ブラックバロン》を呼び出し、こちらを攻撃してきた。
撃退し終わった頃には、ナイトのヒルデが死んでいた、と、こういうわけだ。
目の前で人が死んでいくのを見るのは疲れる。おまけに騎士団のヘルガと商会のレインとの間に起きた出来事に関しては、ここに記す気はない。彼女らが何を考えているのかがわからない。記録終わり。
- 黒の罪びとたち
- Lv.15 ビル(ナイト)
- Lv.19 サロメ(ファイター)
- Lv.16 ヨシフル(サムライ)
- Lv.13 ローズマリー(Lv.14ダンサー→Lv.13サムライ→クレリック)
- Lv.18 ロメ(クレリック)
- Lv.19 ヒバシリ(ウィザード)
- 神気
- 光
- 聖なる光1
- 十字突撃1→2
- 精霊の壁1
- 中
- 閃光退却
- 天竜の翼1
- 剣の絆1
- 闇
- 黒金の壁1→2
- 消失者
- Lv.5 ベル (ニンジャ)
- Lv.8 ナオイエ(ニンジャ)
- Lv.18 ヒルデ(ナイト)
神気スキルの進み具合から考えて、1/3は過ぎたであろう地点まで来てロスト者が3人。
蘇生や療養によって時々パーティーメンバーが入れ替わりますが、初期メンバーの半分(ヒバシリ、ヨシフル、ローズマリー)が現パーティーのメンバーなあたり、わりと今回の縛りは良バランスな気が。
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