《セルヤ・タスデレン/Serya Tasdelen》
バランス、循環、そしてセルヤ。森の自然を記述する言葉。
「バテュー、タティアナ。アニルが言った通りなら、迷宮の森に通じる隙間があるはずです。おそらくそこから迷宮を破れるでしょう……」

 《セルヤ・タスデレン/Serya Tasdelen》は、シエリオンの種族であるエルフです。
 第三次大陸戦争の際はエルフの代表として連合軍側に参戦しました。
 戦争終了間際、アルケンの《ピエトロ・フリゴ/Pietro Frigo》がエスファイアのトルステン一世を毒殺するのを目撃しますが、大陸アルカディアの国家間の戦力均衡を保つため、これを告発しませんでした。
 その結果として大陸は以前と同様の均衡を保つことができましたが、戦友であったトルステン一世の死を黙殺してしまったことに罪悪感を感じています。

 戦争後、セルヤはシエリオンでの権力闘争を厭い、森の中で平和に過ごしていました。
 しかししばらくすると、魔王《ベリアル/Belial》のような暗黒の力が大陸を包むのを感じるようになりました。
 シェイクがカイデロンに対する宣戦布告を耳にしたセルヤは、この邪悪なオーラと何らかの関係があることを確信しました。
 セルヤは密かに軍を組織するため、中立の立場のドルイド、《ミュラ・タスヴァディル/Murat Tasdivar》に状況を説明し、戦力を要請しました。

 第三次大陸戦争の際、アルケンのピエトロはセルヤを利用しました
 もしエスファイアのトルステン一世が第三次大陸戦争で死亡していなかったならば、エスファイアは最強の帝国となり、大陸アルカディアを征服していただろうと主張したのです。
 そして、正しい決断をするようにとセルヤを脅し、トルステン一世の暗殺を黙殺させたのです。

 セルヤは、今回の戦争で贖罪をしたいと考えています。
 ですが、これだけの理由でアルケンに宣戦をすることはできません。
 彼女がいったいどのような決断をするのかは未確定ですが、ひとつだけ明らかな事実があります。彼女の決定はシエリオンの未来に大きな影響を及ぼすでしょう。



《ミュラ・タスヴァディル/Murat Tasdivar》
「セルヤ、10年前からの悪夢が繰り返されるぞ。それでも、行くのか? たとえそれがシエナの意志に反していたとしても?」
「ドライアドの女王には我慢ならん。あの女の声は、あまりに柔らか過ぎる」

 《ミュラ・タスヴァディル/Murat Tasdivar》は「シエリオンの森の守護者」と呼ばれるドルイド僧です。
 その力は野性動物を凌ぐほどであるため、エスファイアの軍は彼を己の軍への招聘を試みたことがありますが、その招聘が成功したことはありませんでした。
 彼は自然を愛し、外国人のみならずシエリオンの者であったとしても、森を荒そうとする者へには容赦をしません。

 シェイクからカイデロンへの宣戦布告が為された直後、ミュラはそれがシエリオンの森に何ら関係が無いものと判断したため、何の関心も示しませんでした。
 しかし《セルヤ・タスデレン/Serya Tasdelen》が彼に援軍要請を求めたとき、彼は森を包もうとしている邪悪な波動を打ち払うため、第四次大陸戦争への参加を決意しました。



《アニル・ルーレシ/Anil Luleci》
「休眠から10年で目が覚めた。今回の期間はあまりに短過ぎる……。バテューに報せて。使者を送りなさい」
「ねぇ、アイカン。シールの帰還を望んで、わたしたちは生き続けることを優先させた。でも、本当は間違いだった。わたしたちはシエナの種の保存を優先させるべきだったの」

《アニル・ルーレシ/Anil Luleci》は神々の消失以前から存在する古代エルフのひとりです。
 数千年もの昔にシエリオンの聖地である迷宮の森で産まれました。

 アニルは己の身体を可能な限り長く保たせるために、シエリオンに大きな危険が無い限りは、数年から数百年間の間、シエナの木の洞で眠り続けます。

 アニルが可能な限り長く生きようとしている理由は、彼女自身が自然と循環の神シールの残滓であるからです。
 彼女の死は、大陸アルカディアに残るシールの欠片が消え去ることを意味します。
 そのため、彼女は己を保存することに常に注意を払っています。シールがいつか大陸に戻ってくるときのために。

 現在、アニルは第三次大陸戦争の終結時から10年の月日が流れて目覚めたばかりです。
 彼女は休眠から覚めた直後にいつもそうするように状況を確認したあとで森の住人たちと会議を行い、《セルヤ・タスデレン/Serya Tasdelen》と《ミュラ・タスバディル/Murat Tasdivar》を背後から支えることを決断しました。長年の親友である、《アイカン/Aikhan》とともに。



《アイカン/Aikhan》
「534年ぶりの煙草は美味い。シエナの種も格別だけどね」
「アイカン、いいから聞いてちょうだい」

 《アイカン/Aikhan》は《アニル・ルーレシ/Anil Luleci》の親友です。
 彼女と同じ年に生まれ、言葉を覚えるまえに友になり、同じように眠り、一緒に走り、遊んで成長しました。
 ふたりはシエナの樹に忠実な僕であることをも億票に、お互いを支え合い、強さを備えた親友として生きてきたのです。

 アイカンは《シエナの種/Seed of Siena》の管理のために産まれました。
 自然と循環の神であるシールが消失する以前、シエナの土は現在よりもたくさんの種と果実を発生させていました。
 アイカンはこの果物と種を集め、必要としている動物たちに配り、残りを倉庫に収めたあとで友であるアニルとともに楽しい時間を過ごすという生活を続けていました。
 第一次大陸戦争が勃発すると、この小さな営みは終焉を迎えることになりました。

 シエナの種や果物は森の動物たちに配られることはなく、戦場に送られるようになりました。
 そのうえ親友のアニルでさえも、戦争の道具として戦地に赴かなくてはなりませんでした。
 戦争は数百年もの間続き、その結果として幼く無垢だったアニルは、老練したエルフとなってしまいました。

 アイカンやアニルとともに青春時代を過ごした者たちは、既に殆どが寿命を迎えています。
 ふたりにとって、神々の消失は悪夢のような時間であり、同時に幸せだった過去でもありました。

 現在、ふたりの心を占めているのは過去の思い出だけです。
 シールの歌が森を満たしていた頃に時間を戻すことができたら、という想いの中でふたりはシエナの種と終わりのない夢を共有しています。



《バトゥー・カヤ/Batur Kaya》
「指示をくれ。アニルから頼まれた。おれが何をすればいいのか、おまえならわかるだろう? おれは第二次戦争で死んだ。いまはただの抜け殻だ」

 《バトゥー・カヤ/Batur Kaya》は第二次大陸間戦争の際に最も強力な軍を率いていた、あらゆる英雄の中の英雄でした。
 しかし現在は種族を追放されており、孤独な生活を送っています。名誉と自尊心に満ちあふれた希少なるライカンスロープとして。

 彼が種族を追放されたという過去は、シエリオンの住民にとっては問題視されてはいません。
 人々は過去の英雄であるバトゥーに対して敬意を払っています。そのため、ライカンスロープの村以外のあらゆる場所では、彼の理解者の助けを得て休息することができます。

 バトゥーが種族を放逐された理由は、愛です。
 第二次大陸戦争の際、彼はシェイクの聖女と恋に落ちたのです。しかし《バフキン/Bahkin》によって発狂した彼女のために、バトゥーは戦争の終盤で己が地位を退いたのです。

 バトゥーが突然戦線を退いたため、戦争は確かな勝利を得ることができないまま終結することになりました。
 その代償として、彼の同胞たちはその罰として、バトゥーを追放したのです。

 バトゥーが仲間を捨ててまで愛する女性に尽くそうとしましたが、最後にはバフキンの計略により、彼自身の手で聖女の人生を終えさせることになりました。
 その際に片目を失った彼は「隻眼の豹」という新しい通称とともに追放者としての人生を歩むことに成ったのです。

 現在はそれから数百年が経過した第四次大陸戦争の序盤です。
 バトゥーは第三次大陸戦争には参加せず、招聘を受けても拒否し続けていました。
 しかし現在、状況は変わりました。
 彼は住民会議の決定により、軍を動かす《セルヤ・タスデレン/Serya Tasdelen》と《ミュラ・タスバディル/Murat Tasdivar》とともに戦争への参加を決意します。
 かつての英雄の参加は、シエリオンのあらゆる木々を驚かせることになるでしょう。


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