かくもあらねば/27/01

Still in the Dark
土竜の巣

Kuto
Lv.19
S/P/E/C/I/A/L=3/6/3/10/4/7/9
Trait: Good Natured, Looser Cannon
Tag: Speech, Barter, Explosives
Skill:
[S]: M.Weapon=11
[P]: E.Weapon=17, Explosives=60, Lockpick=26
[E]: Survival=50, Unarmed=8
[C]: Barter=100, Speech=100
[I]: Medicine=30, Repair=30, Science=36
[A]: Guns=20, Sneak=61
Perk:
[E]: Travel Light
[C]: Ferocious Loyalty
[I]: Demolition Expert, Educated
[A]: Mister Sandman
[L]: Mysterious Stranger
[Others]: Black Widow, Cherchez La Femme, Intense Training
[Implants]: Luck Implant, Monocyte Breeder, Sub-Dermal Armor
Equipment: Maria, Cattle Prod, Thump-Thump, Plasma Grenade, Pulse Grenade, Great Khan Simple Armor

 激しい風に砂粒が巻き上げられ、その粒が皮膚に突き刺さる。
身体がめっちゃ痛いんですけど」
 両腕を抱くようにしながら、Kutoは文句を言った。目さえ開けていられない。
「だから上着着てきたほうが良いって言ったのに」
 とこちら、Veronicaは全身をすっぽり覆う外套のおかげで、砂嵐を気にする様子はない。


 場所はNovacの西、Hidden Valleyである。この辺りは特異な環境で、常に嵐が吹き荒れているということは聞いていたが、ここまで酷いものとは思わなかった。
ほーら、おいで。痛くないし、暖かいよ」
 とVeronicaが外套を広げるのを、Kutoは無視した。

 この場所にやってきた理由はふたつある。
 ひとつは、Veronicaに頼まれたから。
「一緒に来て欲しいの」
 と彼女が珍しく真剣な場所で言われたときは、教会か、でなければ場末のモーテルにでも連れ込まれるのではないかと思った。


「知っての通り、わたしはBOSの人間なんだけど……、BOSのこと、知ってる?」
「戦前の遺産を収集してる、みたいなことは聞いたことがあるけど………」
「そ」とVeronicaが肩を竦める。「戦前の遺産を集めて優位を保とうとしている集団。でも馬鹿みたいに閉鎖的。仲間は作らずに敵を作ってばかりの阿呆集団」
その阿呆集団が、どうしたの?」
色々と問題が山積みでね……。外の人の協力が必要なの。だから、BOSの本拠まで来て欲しいんだけど……、良いかな?」

 Hidden Valleyの砂嵐に耐えて進むと、岩山のひとつに扉があった。その先は戦前の防空壕のような地下通路になっており、さらに進むと小さな空間が広がっていた。奥に、やはり扉がひとつ。表の扉とは違い、開かない。鍵がかかっているらしい。近くにインターホンがあるが、押して喋っても、反応がない。
「Veronicaだけど」
 とVeronicaが近づいて言うと、反応があった。
『ご注文は?』と男の声。
原子シェイクにダブルBrahminバーガーひとつ。ソースもつけてね」
 何を言っているのだ、と思ったが、扉が開く。どうやらいまのが扉を開けるための符丁だったらしい。


 扉の先には似たような空間が広がっていて、同じように反対側に扉があった。しかしその扉は手前のものとは異なり、明らかに戦前の技術が稼働中で灯っている。

 その扉を潜り、地下への階段を進むと、Power Armorを着込んだ男が出迎えた。
無事だったようだね、Veronica」と彼はVeronicaに対し、微笑みかけた。
「見ての通りだよ、Ramos
 応じるVeronicaはその男とKutoのことをそれぞれ紹介した。男はRamosという名のBOSのPaladinで、警備主任ということであった。


「あー、なんというか」とRamosはKutoを見て、苦い表情を作る。「うちはあんまり人を歓迎できる状態じゃあないんだが……」
「Ramos」
 Veronicaの声に、Ramosは肩を竦める。「Veronicaが連れてきた人間だからな、とりあえずは信用しよう。問題は起こさないように」
「とまぁ、こんな感じで閉鎖的なの」とVeronicaはKutoに言った。
「人の目の前でそういうことを言うな、Veronica」とRamosは呆れた表情になる。「あと、二階層でElderが待ってる。客人と一緒に行って来い」
「了解」
 じゃあ行こうか、と言ったVeronicaの表情は、いつもより引き締まったものであった。

 さすがBOSの秘密基地だけあって、中の様子はKutoがこれまで見てきたどのような場所とも違っていた。技術の高さでここに匹敵する場所といえば、Sierra MadreカジノかHELIOS ONE、Vaultくらいのものだろう。


(さすがBOS、タレットもかなり良いもの使ってるね)
 Kutoは見て回りながら、タレットの配置や通路の構造などを頭に叩き込んでいく。

 Veronicaに誘導されて通された場所は、壁に電子スクリーンを備えた半球状の空間であった。Vaultに似ているな、とKutoは思う。
 中央の円環形の机に、ひとりの男が座っている。一見若く見えるものの髪は白髪で、よくよく見れば顔には深い皺が刻まれている。この男がElder、つまりBOSの最高責任者らしい。
 男、McNamaraと名乗ったElderはVeronicaに目配せしたのち、「ようこそ」とKutoに声をかけた。「外の人間がこの場所を訪れたのは久し振りだ。歓迎するよ」
「はぁ……、どうも
 とKutoは一先ず頭を下げた。
「知ってのとおり、この場所は現在封鎖状態で、きみやVeronicaのような少数の例外を除けば、人は出入りできないようになっている。きみたち以外の例外は、物資を回収したり、新天地の探索のためだ。さて、実を言うと消息を絶った3つのチームがある」


「は?」
 KutoはちらとVeronicaを見やる。彼女は黙って頷く。
「まず頼みたいのは、その3チームの捜索だ。おおよそ向かった場所については解っているから、その周辺を探索し………」
あの、すいません。どういうお話ですか?
 とKutoが言うと、Elder McNamaraは驚いた表情になった。「きみは、われわれに協力するためにやって来たのではないのかね?」
 彼は、まるで当たり前のことを言うかのようであった。Kutoは再度Veronicaを見た。彼女は黙って肩を竦めた。
「えっと………」Kutoは深呼吸をしてからElder McNamaraに向き直る。「とりあえず、用件は解りました。連絡が取れなくなったBOSの方々の捜索ということですね。それで、もしかしてその方たちはPower Armorを着ていらっしゃいましたか?」
「出て行くときには着ていた」
「じゃあ、たぶん………」Kutoは鞄を漁り、奥底のほうからホロテープを3枚抜き出す。「これだと思うんですけど」
「それは?」
「Power Armor着込んだ人が持ってたホロテープです。BOSのPaladinがどうこうとか書いてあったので、たぶんお探しの方々のものだと思いますが……」
「何処で見つけた?」
「えっと、わたしは何もしてませんよ?」
「べつにきみが彼らを殺して奪い取ったんじゃないか、などという心配はしていない。何処で見つけた?」
「ひとつはすぐ傍のBlack Moountainです。死体があって、すぐ傍にCentaurがいっぱいいたので、たぶん襲われたんじゃないかと。もうひとつはREPCONN Hqのビルの中で、崩れた壁の下敷きになっていました。最後のひとつは、Nellis空軍基地の近くで、大穴の中で倒れていた死体が持っていたので、たぶんBoomersの迫撃砲にやられたんじゃあないかと思います」
 成る程、と頷きながらElder McNamaraはテープを再生する。記録内容が、そのディスクの持ち主がまさしくElder McNamaraが送り出したBOSの隊員のものであるということを物語っていたらしく、彼は深い溜め息を吐いた。
「みんな、死んだか………
「ご愁傷さまです。それでは


 わたしはお暇させていただきます。Kutoがそう言う前に、では次に、とElder McNamaraは言っていた。「次に、斥候と連絡を取ってほしい」


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