かくもあらねば/32/02
X-2: Strange Transmissions!
Cecilia
Lv. 2
S/P/E/C/I/A/L=4/10/4/5/8/6/3
Trait: Logan's Loophole, Wild Wasteland
Tag: E. Weapons, Science, Survival
Skill:
[S] M.Weapon=12
[P] E.Weapon=42, Explosives=24, Lockpick=30
[E] Survival=27, Unarmed=12
[C] Barter=14, Speech=14
[I] Medicine=20, Repair=20, Science=40
[A] Guns=16, Sneak=16
Perk:
[I] Swift Learner
[Other] Brainless, Heartless, Spineless
Equipment: Sonic Emitter, Patient Gown
混乱する頭の中で、幾つか理解できたことは以下の通りである。
この場所がBig Mountainという場所のThink Tankであるとういこと。
目の前の浮遊機械は人間の原型をとどめてはいないものの、サイボーグであり、Dr. Klein、O、8、Dala、そしてBorousで、みながThink Tankの科学者の成れの果てだということ。
彼らがDr. Mobiusという、同じくBig Mtの科学者と対立していること。
そして彼女の名が、Ceciliaということ。
(Cecilia………)
名が告げられたにも関わらず、それが自分のものという気がしなかった。
聞き覚えがないわけではない。Ceciliaなどという名は、ごくありふれた名前だ。だが自分の名前という気がしないのだ。しっくり来ない。しかしほかに手頃な名前もないので、彼女はCeciliaという名を受け入れた。
「わたしはCecilia」
声に出してみると、まぁ悪くないという気がする。それに不思議なことに、自分の名にしてはしっくり来ないのに、なんだか酷く懐かしい気がするのだ。
ぼんやりと辺りを見回す。頭はぼんやりと霞がかかったかのようだったが、目や耳ははっきりしていた。
一見して、広大な土地だ。曇り気味ではあるものの、眩しい太陽が照りつける地平には、瓦斯か液体を溜めておくための球形タンクやパイプが見える。地下には仄かに光る水色の液体が流動しており、Vaultを連想させる場所である。
振り返ればいままで居たThink Tankがある。巨大なドーム状の建築物である。見渡してみると、このThink Tankと同じ程度の規模のタワーが幾つかあるらしい。Ceciliaの目的地はそこだ。
Discovered: The Think Tank
Ceciliaはまず、南にあるX-2という場所へ向かうことにした。
歩きながら、周囲の様子を確認する。落ち着かない。理由は単純で、怖いからだ。己の装備は、身を守るには心許ないPatient Gownと、玩具のようなSonic Emitterしかないし、体格は元より優れているとはいえない。それなのに、このBig Emptyには襲い掛かってくるものがいるというのだ。
Added: Sonic Emitter
そしてCeciliaは、その襲い掛かってくるものを見つけた。
(Lobotomite!)
●Lobotomite
Think Tankの科学者たちによってロボトミーされた人間。
Ceciliaと同じく、脳をロボトミーされた人間から隠れるために、タンクの陰にしゃがむ。
(脳が、ない)
なのに生きている。Tesla Coilというものを埋め込まれているからだ。Ceciliaの頭の中にも同じものが埋まっているらしい。
「わたしが脳がないのは、ロボトミーされたからですか?」
とThink TankでDr. Kleinら浮遊機械に尋ねたとき、彼らはまず一同に集まり、何やら会議を始める。
そして返ってきた返答は、”その通りです。ついでに心臓と脊髄も。”というものであった。
「は?」
Perk: Heartless (薬物効能+25%、クリティカル率-50%)
Perk: Spineless (STR+1、DT+1)
「な、なんで………?」
”Big Mtでは当たり前のことです”
と優しげな女性の声の科学者は、さも当たり前のように言った。
曰く、その施術はAuto-Docがやったという。そしてそのAuto-Docは元は先ほど通信をしてきたDr. Mobiusの所有物だったので、脳はDr. Mobiusの処へと送られたのだろう、というのが科学者たちの予想であった。
『不可侵領域には、脳を持たないものは入れない。Dr. Mobiusを除いて』
と科学者たちの代表らしいDr. Kleinが言う。だから、脳を取り返すものが必要なのだ、と。
必要なのは3つ。X-2 Transmitter AntennaとStealth Suit、Sonic Soundwave Emitter Projecto Gunという長ったらしい名前のものたちである。
そしてCeciliaは、まずX-2 Transmitter Antennaを取り戻すために、南へ赴いたところで早速Lobotomiteに出くわしたというわけだ。
(斧を持ってる………)
物陰からLobotomiteの様子を観察する。斧を手にうろついているのは、どうやらCeciliaの場所まではまだ解っていないが、何かが近くにいることは感づいているようだ。科学者たち曰く、彼らはBig Mtの掃除をするように命令されており、異質な存在であるCeciliaを異物と認識して襲い掛かってくるだろう、ということだった。
彼を殺さなければ、前に進めない。いまタンクの陰から出て行けば、見付かってしまうだろう。逃げることもできない。Sonic Emitterは、人を殺傷する程度の力はあるという。
(人殺しになるんだ)
Lobotomiteは生きているといえるのだろうか。彼らが死んでいるなら、Ceciliaも死んでいるようなものだ。Ceciliaが生きているなら、彼らも生きている。生きているものを、殺さなければいけない。
Sonic Emitterを握り直す。武器として使えるばかりか、Big MTの様々な場所にある障壁を掻き消すためにも使えるということだった。ただし一部の機能が失われているため、完全には動作せず、Dr. Mobiusのいる不可侵領域に潜入するためにはその機能を修復する必要もあるそうだが。
訓練どおりに身体が動いた。
訓練?
(訓練って、なんだっけ………?)
自分は軍隊か何かで、訓練を受けたことがあるというのだろうか。こんな体格で? いや、そんなことよりも。
(殺しちゃった)
「殺しちゃったよぉ………」
足元で、青く光る刃のProton Axeを持っていたLobotomiteが頭を粉々に砕かれて倒れている。Sonic Emitterは、簡単に人間の頭を砕いたのだ。
手足が震え、息が荒くなった。視界が狭まり、唾がいつもより多く出た。
だから、忍び寄ってくる存在に気付かなかった。
Ceciliaは頭を掴まれ、勢い良く地面に引き倒された。ほとんど足音を感じさせることなく近寄ってきた、もうひとりのLobotomiteがCeciliaが襲い掛かってきたのだった。こちらはゴーグル付きのマスクを身に着けていて、さらにCaravan Shotgunを持っていた。
倒れたCeciliaの身体に、Lobotomiteは馬乗りに圧し掛かった。Sonic EmitterはCeciliaの体の下にあって、引き抜けなかった。
獣みたいなLobotemiteの臭い息が頬にかかった。
(前にもこんなことがあった気がする)
なぜかCeciliaは、そんなことを思った。あのときは、どうしたんだっけ。あのときは、そう、誰かが自分を助けようとしてくれた。助けようとして、殺された。
Added: Proton Axe
Ceciliaは手を伸ばし、最初に倒しLobotemiteが持っていたProton Axeを掴み、圧し掛かっているLobotomiteの頭に振り下ろした。殆ど力の入らぬ一撃ではあったが、青い刃は簡単に頭にめり込んだ。
降り注いだ生温かい血は、Sonic Emitterを撃ったときよりも、人殺しの事実を実感させてくれた。
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