かくもあらねば/32/13
Cecilia
Lv. 18
S/P/E/C/I/A/L=5/10/4/5/8/6/3
Trait: Logan's Loophole, Wild Wasteland
Tag: E. Weapons, Science, Survival
Skill:
[S] M.Weapon=40
[P] E.Weapon=80, Explosives=30, Lockpick=50
[E] Survival=50, Unarmed=12
[C] Barter=20, Speech=36
[I] Medicine=40, Repair=40, Science=75
[A] Guns=16, Sneak=30
Perk:
[S] Weapon Handling
[P] Plasma Spaz, Run'n Gun, Light Step
[E] Travel Light
[I] Comprehension, Swift Learner, Robotics Expert
[Other] Brainless, Heartless, Spineless, Intense Training
Equipment: Sonic Emitter, X-2 Antenna, LAER, Stealth Suit Mk2
「うわ、吃驚した」
と急にKutoが声をあげたのは、Sinkの最後の機械、Muggyの人格モジュールを探してBig MTの北西部のConstrubtion Siteに来ていたときだった。
Discovered: Construction Site
『Muggyはわれわれとは違い、移動できる身体です。何かを見ている可能性は高いでしょう』
とCentral Intelligence Unitは言っていた。Muggyとは、ベッドの近くで停止していた小型のSecuritronのことらしい。Dr. Dalaが何を持っていたのか、Ceciliaはどこからやってきたのか、Think Tankの科学者たちが何を隠しているのかは、Muggyを見つけることで明らかになるかもしれない。
そんな思いから、Ceciliaたちは必死にホロテープを捜索した。このConstrubtion Siteで見つけたのは、Sinkのアップグレード用ホロテープだけで、残念ながら人格モジュールはなかった。
Kutoが声を発したのは、Thikn Tankに帰ろうとした、そんなときである。
彼女の視線の先には、赤い鉱石があった。Big MTでは珍しくないらしい、しかしほかの場所では見たこともないような、僅かに濁った色の真紅の鉱石だ。そしてその周辺には、老人の顔をした小さな妖精、ノームの像が置かれていた。
「Lobotomiteがやったのかな……。鉱石を囲んで並んでるもんだから、本物の妖精かと思っちゃった。そんなの、居るはずがないのにね」
そんなふうに言ってKutoは笑いかけたが、なぜだかCeciliaは笑えなかった。
Trait: Wild Wasteland
鉱石と妖精から目を逸らして周囲を見回すと、ふとまだ行っていないBig MT西北西領域に人工的な設備があるのが見えた。
そう言うと、Kutoは目を細めてCeciliaの指差す方向を見た。「きみ、目ぇ良いね。わたしは駄目だな。肌とかは若い頃より良くなったんだけどなぁ」
Think Tankに戻る道からはそんなに外れてはいないので、行ってみることになった。
Discovered: Little Yangtze
その場所、Little Yangtzeは周囲を金網に囲まれたテント郡だった。外見からだと、テントと塵の山、トイレ、それに墓くらいしか見当たらない。
(ん? 墓………?)
改めて観察してみるが、それはやはり墓にしか見えない。土の上に木材で十字架を模っただけのものが突き刺してあるだけの、簡素なものだ。だがそれが幾つも並んでいるのだから、それは墓場に違いない。
疑問なのは、Lobotomiteが墓など作るだろうか、ということだった。Cockoo's NestにいたLobotomiteなどは、いくらか知性が残っていたようだったが、それでも墓、あるいは死後の世界といった抽象的な概念は、Lobotomiteは有していないように思える。事実、これまでは墓など一度も見ていなかったのに。
Little Yangtzeの金網の扉は特にロックもされていなかった。中に入ると、ふらりとテントの中から出てきた人影があることに気付いた。
「Ghoul?」
背後でKutoが呟いて、一歩下がった。確かに、Ghoulだ
「あれ、もしかして………」
Ghoulの頭には、ほかのLobotomiteが装着しているようなゴーグルやマスクの類が見当たらない。服装も違う作業着だ。もしや、あのGhoulはロボトミーを受けていないのでは。
話しかけてみよう。
そんな意志はすぐに挫けた。Ghoulが喚き声を立てながら猛然とこちらに向かってきたから。
迎え撃つか、逃げるか。
そんな問答の必要はなく、Ghoulの首が弾けて頭が飛んだ。ちょうど、Little Yangtzeの金網扉のところで。
「え………?」
頭を失ったGhoulの身体は痙攣していたが、それもすぐに収まった。
背後でKutoが舌打ちして、こう呟くのが聞こえた。「そうか、ここがBig Emptyか………。厭なもん思い出した」
「Kuto、これ、これって………」
Ceciliaがほとんど泣き顔になってKutoを振り返ると、彼女はいつになく真剣な表情で言った。「中に入ってみよう。何か手掛かりか……、でなくても、役に立つものがあるかも」
役に立つもの。そんなものはなかった。あったのは絶望だけだ。
Little Yangtzeで生きていたGhoulは、扉のところで首を吹き飛ばされた男だけではなかった。テントの影に隠れていたGhoulたちが、敷地内に入ってきたCeciliaとKutoに向かって襲い掛かってきたのだ。
話し合いのチャンスはなかった。
CeciliaはX-2 Antennaを振るった。何度も、何度も、Ghoulの頭が砕けるまで。
殺した。
Lobotomiteは何度も殺してきた。だが、今度は違う。自我があった。生きていた。生きていた、人間だった。だから墓も作っていた。
「Ghoulだよ。それに、襲い掛かってきたんでしょ? 正当防衛だって」
Kutoは素っ気無く言う。
だが彼らは実験をされてきたのだ。死んだGhoulたちの首には首輪がついていた。敷地内から出ようとすると、爆破するらしい。
どんなに辛かったか、Ceciliaにはそれが理解できた。自分の身を弄繰り回される恐ろしさが。友や家族が塵のように捨てられる無情さが。
そう、とKutoは溜め息を吐いて言う。
「昔、わたしもこの爆弾首輪を着けられたことがある。首輪を持っていたのはElijahaっていう男。Big Emptyから持ち出してきたって話だった。あの人がどうやって脱出したのかは判らないけど、でも、ここから逃げる方法があるっていうのは解る。それを探すためにも、ここで手掛かりを見つけないと………」
Kutoの言葉には、有無を言わせない力強さがあった。
Little Yangtzeの敷地内では碌な手がかりはなかったが、そのすぐ傍の小屋に、死んでいたGhoulの姿があった。
「外すのには成功したけど、何か事故でもあって死んだって感じかな。それとも、殺されたのか………」
と死体を検分したKutoが言った。近くのターミナルを調べ、Elijahなる人物がBig MTの北東のほうに向かった形跡がある、と言った。
Big Mt北東部。そこは個人の小さな野営地のようになっていた。食料や焚き火の跡があり、雑多な機械類が置かれている。
Discovered: Elijah's Watch
「さて、何か手掛かりがあってくれれば良いんだけど………」
ふたりで手分けして、その野営地を調べることになった。Kutoは野営していた場所の雑多な道具類の辺りを調べ、Ceciliaはその周辺を見て廻る。
「あ、あった」とKutoが声をあげた。彼女は文書記録のホロテープを手にしていた。Elijahなる人物が残したものらしい。「ロボットとかをハックして、北のトンネルから逃げたみたいだね……。この方法、使えるかな」
「でも、たぶん等間隔で鉄塔が建ってるから無理なはずだけど………」
「鉄塔?」
「鉄塔から離れると、動けなくなっちゃうんだよ。ほら、いままでも、このX-2 Antennaみたいな形の鉄塔に近づいたら、頭がきーんってなる感じの、あったでしょ?」
「そんなの、なかったけど」
(え?)
どういうことだ、とCeciliaは耳を疑った。Big Mtを探索している間に、確かに鉄塔に近づいたり、その境界線を少し越えるくらいのことはあって、そのときは目の前が霞んだり、頭が痛くなったりもした。Kutoも感じないはずがないのだ。
Kutoは頭の傷が原因で通常のLobotomiteとは違う存在になったらしい。それが関係しているのか。
(それとも、もしかして、わたしだけ変なの?)
「Sissy、後ろ!」
Kutoの声で現実に引き戻されて振り向いたCeciliaが見たのは、稼動し始めたMark 4 Tarretだった。どうやらKutoの知り合いであるElijahなる人物が仕掛けたものらしい。
Kutoが投げて寄越したSonic Emitterを、Ceciliaは抜き撃った。
Perk: Plasma Spaz(E.WeaponのAP低下)
Perk: Robotics Expert(機械に対するダメージ増大)
Sonic Emitterのエネルギー波が着弾して爆発するのとほぼ同時に、Tarretから射出されたレーザーがCeciliaの肩を焼いた。
「肩……、大丈夫?」
と駆けて来たKutoが焦った表情でStimpacとDoctor Bagを準備する。こんな表情のKutoは、初めてだ。
「大丈夫………」
本当は、とても痛い。それでも、Kutoの前で弱味を見せたくなかった。
安全を確認してから、Kutoはてきぱきと治療を行った。その表情と手つきはとても優しく、Ceciliaは僅かに彼女に対する警戒を解いた。
「なに?」とじぃと顔を見られていることに気付いたのか、怪訝な表情になってKutoが問うてきた。
「あの、なんか………」Ceciliaは言葉を選ぼうとしたが、上手く出てこない。「すごく優しいような気がしたから」
Kutoはぽかんとした表情になったが、すぐに笑った。
「わたしがいつ、きみと会ったのかは知らないけど……、あんまり良い出会い方じゃなかったみたいだね」
そうかもしれない。Ceciliaは、本能的にKutoを嫌っている。恐れている。
「誰だってさ」とKutoは笑って言った。「助けが必要な人がいれば、助けようとしちゃうもんなんじゃないの? どんな悪人だってさ」
KutoはCeciliaの治療を終えると、まるで照れ隠しのように岩場を降り、落ちていた筒状の武器を掲げて見せた。
「良さそうな武器があったよ。わたしが知ってる人が作ったものだったら、けっこう信用できそうだし……。これ、持ってこ」
Added: Elijah's Jury-Rideged Tesla Cannon
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