アメリカか死か/14/01 Operation: Anchorage -1
かけすがウンコしたら
石ころが出てきた
うん これで軽くなった
(ナヴァホの動物詩五つ(遊戯歌)『アメリカ・インディアンの詩』金関寿夫/中公新書 より)
Lynn
Lv. 9
S/P/E/C/I/A/L=8/3/10/5/4/8/2
Tag: Melee Weapon, Science, Unarmed
Skill:
[S] M.Weapon=45
[P] E.Weapon=10, Explosives=25, Lockpick=25
[E] B.Guns=31 ,Unarmed=71
[C] Barter=16, Speech=16
[I] Medicine=28, Repair=25, Science=61
[A] S.Guns=25, Sneak=25
Perk:
[S] Iron Fist
[E] Toughness, Strong Back, Lead Belly
[Others] Lawbringer, Charge!, Lady Killer, Tackle, Track Star
Equipment: Wattz 2000 Laser Rifle, Merc Charmer Outfit, Biker Goggles
Rad: 181
Rita
Lv. 9
S/P/E/C/I/A/L=5/9/4/6/4/10/3
Tag: Lockpick, Repair, S.Guns
Skill:
[S] M.Weapon=14
[P] E.Weapon=29, Explosives=30, Lockpick=80
[E] B.Guns=14 ,Unarmed=14
[C] Barter=30, Speech=35
[I] Medicine=36, Repair=60, Science=14
[A] S.Guns=80, Sneak=50
Perk:
[C] Child at Heart
[I] Ammunition Engineer, Daddy's Girl
[A] Thief, Gun Nut
[Others] Black Widow, Gunslinger, Intense Training (STR)
Equipment: Browning High-Power Pistol, SIG Sauer Pistol, DKS-501 Sniper Rifle, M79 Grenade Launcher, Vault Exile
*
まだ乗って間もないというのに、Ritaはバイクを随分と乗りこなしていた。本来の持ち主であるLynnは、Megatonで乗って以来、最初はおっかなびっくり、それでも何度もこけていたもので、安全運転ができるようになったのはJamesと走っていた頃からだった。なのにRitaは、CitadelからMegatonまでの道程で乗りこなせるようになっていた。
本人もバイクという乗り物を気に入ったようで、好んで運転をしたがった。
Rivet Cityでの改造の際にサイドカーは取り外されていたため、Lynnは後部座席に乗った。後部に座るとなれば、必然的にRitaに抱き付く格好になるのだが、彼女は特に何も言わなかった。Ritaには毛嫌いされているだけ、辛辣な言葉でも飛んでくると思ったのだが、我慢しているのか、でなければ単純にバイクに乗る楽しさのほうが優っているのかもしれない。
「この先っぽいな」と地下鉄駅の入り口で、Ritaはバイクを停める。「こっからは徒歩だな」
頷いて、Lynnはバイクを降りた。
Raiderを打ち倒し、Feral Ghoulを跳ね除けて進んだ地下鉄駅構内を抜けると、開けた場所に出た。Feral GhoulとRadroachだらけの構内から、澄んだ空気の外に出て、清涼な空気を楽しもうとしたLynnは、すぐに違和感を感じ取った。
銃声と火薬の匂い。
「おい、死にたいのか!」
降ってきた男の声のほうを見て、Lynnはぎょっとした。最初、それが赤い化け物に見えたからだ。
よくよく見れば、それは血に濡れたような真紅のPower Armorだった。Minigunを構え、しかしその銃口はLynnたちには向いてはいない。
銃口の先には、Super Mutantがいた。3体。いや、ほかにも左側に何体かいるようだ。Power Armorを着た人間はほかにもいて、どうやら彼の仲間のようだが、Super Mutant相手には十分な戦力とはいえない。
「Capital Wastelandの地元住民か。多少でも戦えるのなら、前線基地までのMutant退治に協力しろ。でなけりゃ、とっととこの区域から出ていけ」
「援護する」
と言うなり、Ritaが背負っていた DKS-501 Sniper RifleをSuper Mutantへ向けて構えた。射撃。狙い違わず、.322弾がSuper Mutantの頭部を貫く。
「なかなかの腕だな」
とPower Armorの男が愉快そうに言った。
Lynnも援護しようかと思ったが、Ritaに睨まれた。おまえは下がっていろ、とい言いたげな視線で、Lynnは素直に頷いた。このPower Armorを着た男たちの前で変身することは危険だと、Lynnたちは言われているからだ。
戦わないLynnを見て、Power Armorの男たちのヘルメット越しから、腰抜けめ、とでも言いたげな視線で見られたような気がしたが、見えない視線など気にする必要はない。
Super Mutantを倒し、Power Armorの男とたちは進む。この先に彼らのいう、「前線基地」があるらしい。
崩れかけの建物の中に入ると、巨大なCentaurが突如姿を現した。しかしその単純な攻撃は、Power Armorの男たちの重武装の前には通じず、ぐちゃぐちゃの肉塊になった。
だがその次に現れた生物は、そう簡単にはいかなかった。
化け物。
Super Mutant、Centaur、Radroach、Feral Ghoul。VaultからWastelandへと出てきてから様々な化け物に出くわしたLynnだったが、目の前の生き物は群を抜いていた。
Super Mutantよりもさらに頭ひとつぶん大きく、筋骨隆々というよりは骨格が変わってしまったような体格の、人型の、醜悪な肉の塊。
「Abominableだ!」
とPower Armorの男たちのうちのひとりが叫び、Minigunを乱射する。
しかし5mm弾は巨大なAbominable Mutantの腕や胸で払われる。肉には突き刺さりはするが、貫通しない。突進してくる。
Ritaの手が、ボルトアクションのライフルを高速で操作した。.332弾が連続して発射され、狙い違わずにすべてがAbominable Mutantの腕をすり抜け、その眼球へと突き刺さる。視界が塞がれたAbominableへと向けて、赤いPower ArmorのGatling Leaserから大量のレーザービームが突き刺さった。それで、ようやく止まった。
「こいつで最後のようだな。Super Mutantの変種なんだ。強敵だったんだが、ひとりも犠牲が出ずに倒せたのは助かった」と最初にLynnたちに話しかけてきた朱色のPower Armorの男が言った。「おれはMorrillだ。Brotherhood of Steelの……」
「Outcast」
とRitaが先回りして言うと、Morrillと名乗った男は驚いたようだった。
「Citadelで、Sarah Lyonsから聞いたんだよ」とRitaが説明する。
「ああ、あいつらか……」とMorrillは吐き捨てるように言った。「だが、あんたらはBOSってわけじゃあないだろう? 目的は何だ」
「BOSとは、いちおう知り合い。ここにPower Armorの訓練用の設備があると聞いてきた」
Brotherhood of Steel。戦前遺産の収集を目的とするその組織は、Capital Wastelandでは一枚岩ではなかった。
「本部は西海岸にあるんだけどね……、こっちのBOSは分化してるの。わたしたちと」と説明をしてくれたSarahは語ったものだ。「Outcastに」
単純に遺産を発掘するだけではなく、その遺産を用いてSuper MutantからCapital Wastelandの市民を守ることにしたSarahたちとは違い、Outcastというのは本家のBOSらしい、ただひたすらに遺産を収集するだけの集団らしい。
「だから、危険」
とSarahは言った。しかし、だからこそLynnたちが求めるものがあるかもしれない、とも。
Lynnには戦う力が無かった。
もちろん変身できさえすれば、Super MutantやPower Armorを着た兵士とも、対等以上に渡りあえる。しかし生身の状態では、Ritaのように銃を巧みに扱えるわけでもなく、相手が素人ならともかく、Enclaveのような兵士が相手となれば、役に立たない。
これまで、何度も変身ができなくなる状況があった。だから、Lynnはそうした状況を見越して、Power Armorを望んだ。武器は、性能が良くても簡単には扱えない。だが、防具なら、と。
だがSarahから返ってきたのは、「訓練を積んでない人間は着れないよ」という返答だった。
「訓練?」
「あれはコツ掴まないと、最初は動くこともできない。いつもは鬼教官のPaladin Gunnyがトレーニングをしてくれるけど……、BOSの訓練用コンピュータが壊れてる。だから、いまは使えない」
修理を待っている余裕は無かった。Lynnには、すぐにでも力が必要だった。Ritaを守れるだけの力が。
そういうわけで、LynnはRitaとともに、このOutcast前線基地を目指したというわけだ。基地の前で、Morrillと出会えたのは幸運だった。OutcastはSarahたちと比べると非友好的なため、会話を交わすのには苦労すると聞いている。
「おまえらに協力してやる理由は無い」
と、早速Morrillはにべもなく拒否から入った。
「助けてやっただろ」とRitaが言う。
「協力しなければ、おまえらも危なかっただろう。べつに助けられたというわけじゃ……」いや、とMorrillは言いかけて、言葉を止めた。彼は未だPower Armorのヘルメットを被りっぱなしのため、視線の向きはわかりにくかったが、どうやらRitaとLynnの腕を見ているようだった。「いや、待てよ……、おまえら、腕にコンピュータを付けているな?」
「Pip-Boy 3000のこと?」
「ふむん、Vault-Tecのか。おまえら、Vault出身だな。成る程、使えるか」
とMorrillが言ったとき、Lynnは嫌な予感がした。
「中に入って、Protector McGrawの話を聞け。詳しくは彼が話す」
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