展覧会/『ラストクロニクル』/召喚英雄考察 -第6弾黒青構他


  • 目次
      • 《シューベルト》
      • 《ジル・ド・レ》
      • 《フランシス・ドレーク》
      • 《竜吉公主》
      • 《ガウェイン》
      • 《菅原道真》
      • 《ドン・キホーテ》
      • 《酒呑童子》




6-079S《シューベルト》
ヨーロッパ史/音楽史(1797〜1828)

 フランツ・《シューベルト》は1797年にシューベルト家の11番目の子として生まれた。

 父は音楽が基礎教育とされる国民学校の教師であったため、《シューベルト》は音楽に親しんで育った。貧困ではあったものの、才能は豊かであり、11歳で神学寄宿舎のすべての試験に合格、宮廷楽団の少年合唱団に特待生として採用される。
 《シューベルト》は悪戯好きであり、多くの友人に囲まれた少年時代を送る。成長してもその社交好きは(女性に対しては奥手であり、初体験の相手は娼婦で、その結果として梅毒を患うが)変わらず、友人たちとの音楽の催しを欠かさなかった。

 彼は地元ウィーンでは評価されたものの、国際的な評価にはなかなか繋がらなかった。彼は地元の英雄ではあったが、世界のヒーローではなかった。
 《シューベルト》は無欲であり、社交性に優れていた。背は低く、太っていた。貧乏で、酒癖も悪かった。
 それでも彼は友に囲まれ、音楽を奏でて生きた。
 1826年、死亡。
 だが彼の伝説はそれでは終わらない。


このユニットが戦場に配置されたとき、ユニットを1体選ぶ。それの上に魔王カウンターを3個置く。 
あなたのターンの終了時に、すべてのユニットから魔王カウンターを1個取り除く。この方法ですべての魔王カウンターが取り除かれたユニットを破壊する。
 『若きウェルテルの悩み』などで知られるゲーテによる詩『魔王』は、日本では《シューベルト》による歌曲として知られる。
 『魔王』の歌中で魔王は3度子どもを誘惑する。そして3度目の誘惑ののちに、子どもは父親の胸の中で息絶える。


魔王カウンターの置かれているすべてのユニットのパワーとATKをそれぞれ+1000、+1する。
 音楽には触れることができず、その形も無い。だがひとたび演奏されればそれは人の心に残る。
 がゆえに《シューベルト》の音楽は彼が居なくなっても、それだけで何もかもが終わってしまうわけではない。
 多くの音楽家の評価のされ方とは対照的に、《シューベルト》は死後になってようやく『トロイ・メライ』などで知られるシューマンの手によって正当な評価を受けられるようになった。
 《シューベルト》が居なくなっても、その音楽はカウンターという形で残り続け、もう一度旋律が奏でられれば、それは音楽として力を取り戻す。


6-081R《ジル・ド・レ》
フランス史(1400〜1440)

 ――こいつは女だ。
 沈黙が流れた。その間にも、ピエールの鼻腔に女の体臭がどんどん流れ込んでいた。腰が折れそうにくたびれている。あの小ぶりな乳房が形よく服地を押し上げている。ぴたりと体に張りついた服は、可愛い尻がどこに隠れているのかも一目瞭然にしていた。
佐藤賢一, 『傭兵ピエール』上, 集英社, 1999. p353より

 英仏百年戦争後期、オレルアン奪還戦での英雄。


あなたの戦場にこのユニット以外のパワー3000以上のユニットがいるならば、このユニットのパワーとATKをそれぞれ+500、+1する。
 フランス王シャルル7世の前に彗星の如く現れた救世主、《ジャンヌ・ダルク》は神の声を聞いてシャルル7世を玉座に着けるために現れた、と声高に主張する、当時の価値観に照らし合わせてみても非常に胡散臭いものであった。
 だが現場の指揮官格であった《ジル・ド・レ》は軍人ラ・イールらとともに《ジャンヌ・ダルク》支え、見事にフランス王戴冠式が行われるオレルアンを奪還した

 しかしそののち、それまで快進撃を続けていた《ジャンヌ・ダルク》の戦果は挙がらず、ついにはイギリス軍に捕虜に取られてしまう。


あなたがユニットを犠牲にしたとき、対戦相手に2ダメージを与える。
 宗教裁判にかけられた結果、異端犯罪人と認定された《ジャンヌ・ダルク》は1431年に火刑にかけられて死亡。
 彼女の存在を単なる戦友以上に感じていた《ジル・ド・レ》は己の領地に引き籠り、放蕩の日々を送るとともに錬金術の研究に没頭するようになってしまう。彼は血の中に賢者の石の秘密があると考えていたといわれており、領民の子どもを拷問にかるようになる。

 のちに異端審問にかけられて、《ジャンヌ・ダルク》と同じく火刑に処せられるまでの間、およそ300人の子どもを拷問にかけて殺害した。
 このようなエピソードから、ペローによる童話『青ひげ』のモチーフになったといわれている。


6-111R《フランシス・ドレーク》
ヨーロッパ史(?〜1596)

 中国で海賊を旗揚げするのは、会社を興す準備に似ていなくもない。
Gosse, P. 著, 朝比奈一郎 訳, 『海賊の世界史』, リブロポート, 1994. p419より

 15-17世紀の大航海時代はアメリカという新たな大地の発見とともに、その新大陸に人々が集まりつつあった時代である。海賊たちもまた獲物を求めてアメリカへと向かっていた。
 そんな海賊の中には、世界一周までしてしまう者もいた――エル・ドラケ(ドラゴン)こと、《フランシス・ドレーク》である。


あなたがカードを引いたとき、対戦相手のワイプ状態のユニットを1体選ぶ。それに1000ダメージを与える。
 エリザベス女王が即位したばかりの頃、イギリスという国は貧しく、貿易は沈滞していたため、船乗りたちは仕事を失っていた。
 一方でスペインやポルトガルといった国々は西の新大陸へのルートを確立。新大陸アメリカから輸入した珍品をヨーロッパで売りさばいていた。

 ここで現れたのがイギリス海賊である。彼らは新大陸やヨーロッパを行き来する他国の商戦を襲撃、船員を殺害して荷を奪った。
 特にスペインに対しては、もともと宗教的な事情で不仲であったが、こうした海賊騒ぎの結果として、国家間の溝は大きく開いた。


あなたの時代が発展したとき、ターンの終わりまであなたのすべてのユニットは「このユニットが対戦相手にダメージを与えたとき、カードを1枚引く。」を持つ。
 スペイン政府は行動を起こした。イギリス海賊に対して責任があるはずの当時の大英帝国女帝、エリザベス女王に《フランシス・ドレーク》の絞首刑を嘆願したのである。

 だが今は大航海時代なのである。どれだけ残虐であろうとも、どれだけ卑俗であろうとも、どれだけ悪徳であろうとも、海を統べる者こそが偉大なのである。
 エリザベス女王は《フランシス・ドレーク》は自ら船に乗りテムズ河から大洋へ。《フランシス・ドレーク》のゴールデン・ハインド号に乗り込むや、かの偉大なる大海賊にしてドラゴンの異名を駆る《フランシス・ドレーク》に騎士叙勲をしてしまった。
 当時は海賊騒ぎだけではなく、宗教的な諍いもあり、イギリスのエリザベス女王とスペインのフェリペ2世の対立が背景にあった。戦争を目前に控えた最中であった。
 彼女はスペインを破るためには、もはや対面など気にしなかった。スペイン無敵艦隊を破ることができる、最強の軍隊を彼女は知っていた。
 エリザベス女王は海賊たちに恩赦を与えるや、海軍として取り込んだのである。

 これぞ時代の流れ。スペイン植民地を荒らしまわっていた海賊は、一夜にして大英帝国を守る騎士の盾となり、スペイン無敵艦隊からイギリス海峡を守る竜の爪となり、大英帝国の富国に手を貸すのであった。


6-112S《竜吉公主》
小説 (『封神演義』)

「何かするっていったって、何もしようがないんだよ。海岸から水が進入してきているのなら、護岸工事をして、防護壁か何かを作れば水の侵入は防げるよ。でも、地面の穴という穴から海水が染みこんでくるのだから、防ぎようがないじゃないか。この穴すべてに栓をするなんて不可能だからね。それにもし栓ができたとしても、またそのすぐとなりに別の穴が開くだけさ。この洪水は完全にお手上げなんだ」
神保哲夫, 『ツバル 地球温暖化に沈む国』, 春秋社, 2004. p124より

 中国怪奇小説『封神演義』に登場する天界一の美女。
 仙女とされることもあるが、天界の天帝と西王母の娘であるため、正しくは仙人ではなく神に属しているが、強すぎる色香のために天界を追放された過去を持つ。 


[1][青][青]、手札を1枚捨てる:ユニットを1体選ぶ。それを手札に戻す。
あなたのすべてのユニットは『 オーラ 』を持ち、対戦相手の効果に選ばれない。
[CB]カードを2枚引く。ターンの終了時に、手札を2枚好きな順番でデッキの下に置く。
 《竜吉公主》は周と闡教に味方をし、炎の法術の使い手である羅宣と劉環と戦った際は、水で編まれた網、霧露乾坤網を用いて難なく勝利する。
 また、目を眩ます黒旗、旗門遁を持つ洪錦との戦いでは、同じ旗門遁の片割れである白旗を用いて術を破る。
 ほか、海そのものが入った瓶、四海瓶や二竜剣、梱竜策など、さまざまな宝貝(パオペエ。仙人によって作られた魔法の道具)を持ち、殷周戦争に大きな影響を与えた



SD-001《ガウェイン》
伝記 (アーサー王伝説)

 《アーサー》の甥にして円卓の騎士のひとり。太陽の騎士。『ブリテン列王史』に登場するアーサー王伝説の主要人物であり、ワルガイヌスとも呼ばれる。
 物語や土地によってさまざまな性質を持ち合わせており、フランスでの物語中では偉大な騎士として描かれるのもの、同時に好色であり、時に粗暴な人物としても描かれる。一方で、イギリスでは礼と情を兼ね備えた騎士の鑑として語られている。
 《ガウェイン》は円卓の騎士の中でケイとベディヴィアを除くと、最古参かつ主要な人物である。
 ラヤモンの詩『ブルート』などでは《アーサー》に次ぐ重要人物として語られるが、弟モードレッドによる反乱の最中で死亡する。


あなたの【カテゴリ(騎士)】のユニットを戦場に配置するコストの支払いは[1]減る。
 《ガウェイン》は正午までは力が強くなり、その後は衰えていくという、太陽神の性質を持っており、《アーサー》の《エクスカリバー》を持つと人の目を眩ませるような光を放つ。
 ゆえに最序盤で現れた《ガウェイン》の存在は、脆く不安定なSSの土台を助け、あらゆる騎士の道しるべとなる


あなたの【カテゴリ(騎士)】のすべてのユニットに与えられるダメージを500軽減する。
 《ガウェイン》が主人公を務める最初期の作品、『ガウェイン卿と緑の騎士』では、彼がとある危機に陥る。あらすじは以下のようなものである。

 《アーサー》王のキャメロット城に突如として現れた全身緑の鎧を纏った騎士は、「己の首を斬ってみろ。ただし一年後に同じように首を斬られる覚悟があるのならば」と《アーサー》たちを挑発する。
 挑発に乗り、緑の騎士の首を断とうとした《アーサー》だったが、それを《ガウェイン》が抑え留め、代わりに緑の騎士の首を切断する。首を斬られた騎士は己の首を拾い上げると、「一年後に緑の礼拝堂で待つ」と言い残して去っていった。
 翌年、約束通り緑の礼拝堂へ向かおうとした《ガウェイン》は、道中のとある不貞行為をきっかけに、あらゆる危害から護る魔法の緑の帯を得る。

 戦場に出た《ガウェイン》の周りの騎士は、この魔法の緑の帯の力を得ることになる。完全に傷つかないわけではなく、ゆえに緑の騎士と再会した《ガウェイン》は傷を負うことになるのだが、少なくともダメージは軽減する



SD-007《菅原道真》
日本史 (845〜903)

 人間というものは、たれしも烈しい恨みをのんで一命を断たれたばあい、その魂魄は、殺した相手に存生の怨みを返すことができる。――このことを、主人はよくこころえていた。そこで、ごくことばを静かに、ほとんどいわたるような調子で、それに答えてやった。――「そちが落命ののち、おのれの遺恨を根に人をおびやかすのは、いかにもそちの勝手じゃが、しかし、そちの申し分にはちと解せぬふしがあるぞ。まっことそちが遺恨をいだくとあらば、どうじゃ、しかとその証拠を、首を討たれたあとで一同に見せてはくれぬか」
Lafcadio, H.,『怪談―不思議なことの物語と研究』, 岩波文庫, 1965. p46より

 平安貴族。
 ただの貴族ではなく、学者の家系に産まれ、弱冠18歳にして律令制度での国家公務員試験に相当する進士に合格。さらにその5年後にはその上級の秀才に合格。順調に出世を重ね、55歳のときには右大臣の位にまで登り詰めたエリートである。
 しかし政治抗争に巻き込まれ、延喜元年(901年)に藤原時平に暗躍によって失脚、北九州の大宰府に左遷される。彼が大宰府にて京の梅に関する歌を詠んだとき、一夜にしてその梅が大宰府まで飛んできた。これは飛梅として知られる。

 延喜3年、悔恨を残したまま死亡。
 延喜5年、門弟によって《菅原道真》の墓所として、太宰府天満宮が建設される。


このユニットが戦場から捨て札置き場に置かれるならば、代わりにゲームから除外する。
[1][紫][紫]、このユニットカードを捨て札置き場に置く:ユニットを1体選ぶ。それに2000ダメージを与える。このアビリティはこのユニットカードがゲームから除外されている場合にのみ使用できる。
 怨念を残したまま死に、現世に祟りをなす霊をは御霊(ごりょう)と呼ばれる。
 《菅原道真》はまさしくこの御霊であった。彼が死んでから、都では天変地異が続き、《菅原道真》を失脚させた藤原時平が病死した。 
 さらに延長8年(930年)には宮廷殿に落雷があり、多数の死傷者が出た。

 もともと京都の北野には火雷天神という地主神がいたため、《菅原道真》の怨霊はこれに関連付けられて京の人々に恐れられた。これが転じて、現在の《藤原道真》は天神様と呼称されることもある。
 天暦元年(947年)にこの御霊の怒りを鎮めるため、北野天満宮が建設されるとともに、永延元年(987年)には天皇の勅命によって祭りが行われた。このときより正式に北野天満宮大神と称され、現在は学問の神として敬われている。


PR-047《ドン・キホーテ》
小説 (『ドン・キホーテ』)

 スペイン、ラ・マンチャ地方の郷士(農業を行う下級貴族)、アロンソ・キハーノは齢50近かったが、時代遅れ騎士道物語を読むのが趣味だった。
 否、趣味どころではなく、キハーノは騎士道物語に狂っていた。


戦闘フェイズの間、このユニットはすべてのカテゴリを失い、【カテゴリ(騎士)】を持つ。
 キハーノは先代から受け継いだ農場の管理も忘れ、田畑を売って騎士道物語を買い漁った。
 剣や鎧を磨き、何度も騎士道物語を読み返している間、いつしか自分が物語の騎士と同じ存在であると感じるようになり、古びた鎧兜を身に付け、痩せた馬にロシナンテと名付け、ドゥルネシア・デル・トボーソという架空の姫君に恋を誓い、帯剣して旅立った。

 こうして遍歴の騎士《ドン・キホーテ》・デ・ラ・マンチャの物語が始まった。


このユニットが戦場に配置されたとき、対戦相手の最もパワーの大きなユニットを1体選ぶ。戦場にそれとこのユニットがいるならば、それにこのユニットのパワーに等しい数のダメージを与え、このユニットにそれのパワーに等しい数のダメージを与える。
 道端の娼婦を姫だと思い込み、宿屋の主を城主と感じて騎士任命式を嘆願し、農夫に槍を突きつけ、商人に架空の姫君への愛を語った。迷惑そのものだった。
 野原に風車が立ち並んでいたが、《ドン・キホーテ》の眼にはそれが巨人のように映った。
 風車の社は巨人の胴体に見えた。風車の羽は巨人の長腕に見えた。地上の悪たる巨人を打ち払うため、《ドン・キホーテ》の取るべく行動は悪の巨人に立ち向かう以外に無かった。
 
 風が吹き、翼が回転し始めれば、風車の翼は突撃してきた《ドン・キホーテ》の槍を折り、落馬させた。
「魔法使いのフレンストンが巨人を風車の姿に変えたに違いない。だが最後に勝つのはわしの善の剣だ」
 風車の翼に打ち倒された《ドン・キホーテ》は己の間違いを認めず、身動きできないままで豪語したのであった。
 その後もライオンや粉挽き用の水車など、《ドン・キホーテ》は強大な相手と見れば向う見ずな決闘を続けた。



PR-050《酒呑童子》
日本史 (9-10世紀)

 それにしても大江山の鬼はなぜ「酒呑童子」なのか。この問題については近年国文学者佐竹昭広氏のすぐれた研究が出され、その原義・原像が「捨て童子」ではないか、とされるようになった。氏は柳田國男の中期の魅力的な作品『山の人生』を引きながら、日本では古くから、生れながら歯が生え揃っているなど異常に成育した姿で誕生した赤ん坊を鬼子とよび、長じては鬼になるものだと信じられて忌み恐れられ、殺されるか、山に捨てられるか、寺にやらされたことを指摘する。
折口信夫 著, 小松和彦 編, 『怪異の民俗学〈4〉鬼』, 河出書房新社, 2000. p324より

 所は越後国(現在の福井~岐阜県)。時は平安。
 奇妙な事件が起きた、と江戸時代の通俗史書『前太平記』は語る。とある母親の胎の中の子が、十月十日経っても産まれない。十六ヵ月も懐胎を続けると、母親はついには死んでしまった。
 だが胎の中の子は死んでおらず、亡き骸の中から自力で這い出てきた。その子は産まれたときから歩きはじめ、4-5歳程度の知能があったという。
 5-6歳まで成長した頃、父親や周囲の人間からはその性質ゆえに恐れられ、幽谷の底に捨てられた。

 それから幾年幾月。死んだ母親から産まれ、父親に疎まれ捨てられた鬼子は死んではいなかった。木の実を喰って生き長らえ、谷水を飲んで成長し、身の丈八尺(約2.4m)ほどにまで成長した。その膂力は凄まじいだけではなく、陸地にて人をおぼれさせ空を飛ぶなどといった外法さえも使いこなすようになっていった。

 捨てられた子ども、「すてどうじ」。転じてのちに《酒呑童子》と呼ばれることになる鬼子が誕生した瞬間だった。


このユニットのパワーとATKをこのユニットに置かれている酒カウンター1個につきそれぞれ+500、+1する。
 《酒呑童子》は平安の都を脅かした鬼である。

 伊吹山(もしくは大江山)に捨てられていた幼子が成長した姿であるため、「捨て童子」が転じて《酒呑童子》となったのではないかという説があるが、常に酒を飲んでいるため《酒呑童子》という名となったとも室町時代の書では伝えられている。


[2]:このユニットの上に酒カウンターを1個置く。このアビリティはすべてのプレイヤーが使用できる。
あなたのドローフェイズの開始時に、このユニットに置かれている酒カウンター1個につき[1]を支払ってもよい。そうしなかったならば、このユニットをワイプする。
 その膂力と神通力で京の都を荒らしまわっていた《酒呑童子》であったが、仲間との宴会との最中、酒に毒を混ぜられ、深く酔って寝床に入ったところを武将、源頼光によって闇討ちされ、首を落とされ死亡する。
 その首は死してなお頼光の兜に噛みついたというが、さしもの鬼にしてもそれが最後の抵抗であった。

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■引用・参考文献
フランツ・エンドラー 著, 大田美佐子 訳, 『ウィーンっ子によるウィーン音楽案内』,  音楽之友社, 2002.
折口信夫 著, 小松和彦 編, 『怪異の民俗学〈4〉鬼』, 河出書房新社, 2000.
Gosse, P. 著, 朝比奈一郎 訳, 『海賊の世界史』, リブロポート, 1994.
佐藤賢一, 『傭兵ピエール』上, 集英社, 1999.
佐藤賢一, 『英仏百年戦争』, 集英社, 2003.
Jacquin, P. 著, 後藤淳一 訳, 及川美枝 訳, 増田義郎 監, 『海賊の歴史―カリブ海、地中海から、アジアの海まで』, 創元社, 2003.
神保哲夫, 『ツバル 地球温暖化に沈む国』, 春秋社, 2004.
戸部民夫, 『八百万の神々―日本の神霊たちのプロフィール 』, 新紀元社, 1997.
Marigny, J. 著, 中村健一 訳,『吸血鬼伝説』, 創元社, 1994.
リチャード・バーバー 著, 高宮利行 訳, 『アーサー王―その歴史と伝説 単行本』, 東京書籍, 1983.
遙遠志 著, シブヤユウジ 画,『封神演義―英雄・仙人・妖怪たちのプロフィール』, 新紀元社, 1997.
Lafcadio, H.,『怪談―不思議なことの物語と研究』, 岩波文庫, 1965.
ヴィルジリ・妙子, ヴィルジリ・クリスティーナ・幸子,『ドレの絵で読む ドン・キホーテ』, 新人物往来社, 2011.

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