アメリカか死か/00/01 Future Imperfect

Future Imperfect

ときどきおれは
じぶんのことが
あわれになる
たとえば
風にさらわれて
空を
横っとびに
すっ飛んで
いくときなど
(チッペワ族 雷神の歌 『魔法としての言葉 アメリカ・インディアンの口承詩』より)

Masked Raider
Lv. ?
S/P/E/C/I/A/L=?/?/?/?/?/?/?
Tag: ?, ?, ?
Equipment: Shocker, Throwing Dagger, Arcade Industries Sweet Sneak Suit (MOD), Arcade Industries Sweet Sneak Helmet (MOD)


 戦いは変わらない。

 古代のローマで、人々は領土のために戦った。
 国のためにヨーロッパで戦い、誇りのために遥か東国では戦った。
 海を越えては大地と空と川のためにレッドマンとホワイトマンが戦い、その後は人間らしさを求めてホワイトマンとブラックマンが戦った。
 そして2077年10月23日、世界は拡大した戦いのために核の炎に包まれた。

 世界崩壊から200年経ったいまも、世界は戦いに包まれていた。
 現代の戦いは、それまでの時代と幾分変わっていた。戦いは人間同士のものではなくなっていたのだ。

 Super Mutant


 FEVという名のウィルスから発現した生命は、元の姿である人間よりも遥かに強靭であり、人間たちを蹂躙した。大戦後の世界で疲弊した人類にはなす術もなかった。

 人類には爪も牙なく、さらには武器さえも失った。
 このまま蹂躙されるしかないのか?
 ただ弱く虐げられるだけなのか?

 そうではない。
 その身を牙とし爪とし、人のために戦う者がいた。

 アメリカ大陸東部、かつてワシントンと呼ばれた大国アメリカの首都、現在はCapital Wastelandと呼ばれる地域にもSuper Mutantがいた。彼らは強靭な肉体だけではなく、優れた武器を持っていた。

 そして彼らに対峙する者もそこにいた。


 漆黒のスーツを身に纏い、刀身の短いナイフを手に、その人物はSuper Mutant相手に戦っていた。
 その動きは人間のものを超越していた。Super Mutantのミニガンから発射される銃弾を弾き、丸太のような腕を片手で受け止めた。ナイフは緑色の皮膚を貫き、拳は骨を砕いた。

 最後に1体だけ残ったSuper Mutantが、ふつう抱かないはずの恐怖心で対峙する相手の名を問う。
 漆黒のスーツに身に纏った人物は書面からSuper Mutantの棍棒を片手で受け止め、もう片方の手でSuper Mutantの胸を貫いた。


「Masked Raider」

 その人物、仮面レイダーはSuper Mutantに拘束されていた住民を助け出すとバイクに乗り、その場を立ち去った。

 この物語は風とともに現われ風とともに去る正義の戦士、Masked Raiderの物語である。

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