一角獣のBill

1257年03月23日
0日目
白の一角獣、砂漠にて未亡人と出会うこと

一面、砂漠である。
高いアルベドによる反射光が目が痛い。

ノルド王国で生まれ育ったマテルドには、サラン朝の風土が痛くなるくらいに厭だった。ただその場にいるだけで火責めにされているような感覚を覚える。
しかも今は供もつけずに、ひとりで、だ。数日前までは貴族の妻らしく優雅な暮らしをしていたというのに。

それも仕方がない。
夫が流行り病で死んだ。マテルドと夫との間には子はなかった。
夫の兄弟は強欲な男だった。彼はマテルドから富と土地を吸い出すために力を使い、相続者である子なしに領地を存続させるわけにはいかぬ、とマテルドを追い出した。
殺されかけもした。着の身着のまま身ひとつで、かつての家を抜け出してきた。今は遠くサラン朝の親戚を頼るために旅の途中だ。

馬が崩れ落ちた。マテルドは頭から砂上に投げ出された。
空を仰ぎ見、馬を返り見て気付く。後ろ足に投げ槍が突き刺さっている。

騎馬の蹄の音が響いていた。30程度の騎馬軍による砂漠の盗賊団だ。女ひとりの旅と見て、襲い掛かってきたらしい。

砂賊の団長らしき男はマテルドの前で馬を降りると、首根っこを掴んで引き摺り上げ、さまざまな卑猥な言葉を吐いた。
金目の物は持ってなさそうだが、なかなかの上玉じゃねぇか、という団長の言葉を受け流しながら、マテルドは腰元の剣に集中していた。目の前の男はマテルドが女と侮ってか、武装解除させる様子もなかった。不意をつけば、目の前の男は殺せる。
もちろんその後で他の砂賊に殺されるだろう。だがそれでも、ただ蹂躙されているだけよりは良い。ただ男に従うのではなく、歯向かったのだと、自分にそう胸を張れるのならば。

マテルドが剣を抜いたその瞬間、砂賊の団長の側頭部に矢が突き刺さった

周囲の賊たちが戸惑いの声をあげる間もなく、彼らの頭にも矢が次々と突き刺さった。数人は馬に乗って逃げようとしたが、騎乗した途端にまた射抜かれた。
そうしてマテルドの周りに立っているものはひとりもいなくなった

やがてやって来たのは60人を越える隊だった。背に紋章を背負っている。群青に染め上げた旗に白い馬の紋章。否、馬ではなくユニコーンだ。

傭兵団、白の一角獣だな」
近づいてきた傭兵のひとりに向けて、マテルドは言葉を向けた。

この時代、傭兵といえばやることは略奪と相場が決まっている。傭兵とは読んで字の如く傭われの兵ではあり、戦時には相応の活躍を見せる。しかし戦争が終わってしまえば、彼らは賊軍に成り果てる。あるいは戦時中でも、国家の威をかさに着て村々を略奪し、隊商を襲う。

傭兵。ある意味では国家に囲われている分、賊よりも性質が悪い。
白の一角獣は世に聞こえた傭兵団だ。どういう意味で有名なのかというと、戦の場でも、略奪でも、だ。戦となれば敵を屠り、金がなくなれば辺りの村から略奪を繰り返し、獲物を見つければ襲い掛かる、まさしく傭兵そのもの。

しかし、強い。
まさしく先ほどの戦闘がそれを証明していた。彼らはマテルドの視界外から矢を放ち、的確に賊だけを射抜いた。かなりの腕前の人間を抱えているのだろう。

そして彼らが傭兵ならば、マテルドを助けたというわけではないだろう。彼らは単に、油断している賊を襲ったのだ。マテルドを殺さなかったのは、マテルドも彼らの獲物だからだろう。獲物を傷つけては、利用価値がなくなる。

それがわかっていたため、マテルドは自分から声をかけたのだ。ただの獲物ではない、交渉する余地はある、と主張するために。
マテルドが声をかけた傭兵は、バシネットを上げて顔を見せた。頬に傷のある30代か40代であろう男だった。
無言の男を見据えて、マテルドは言った。
「白の一角獣……、隊長を呼べ。わたしはおまえたちを雇いたい

頬傷の男は馬上から長く太い腕を伸ばすと、マテルドの身体をむんずと掴んだ。そしてまるで荷でも背負うかのように、ひょいと肩の上に乗せてしまった。
何をする、とマテルドは反抗した。放せ、と足を振った。
「動くな」頬傷の男はマテルドを馬上に降ろして言った。「おれが隊長だ」

これがマテルドと、白の一角獣との出会いだった。

Name: Bill
Sex: Male
Level: 10
HP: 52
Attributes: STR15/AGI10/INT9/CHA9
Skill:
【STR】鋼の肉体1/強打3/弓術5
【AGI】武器熟練2/馬術3/馬上弓術3/略奪3
【INT】訓練1/戦略3/経路探索1/観測術1/荷物管理1
【CHA】捕虜管理1/統率力3/取引1
Proficiencis: 弓140/片手武器99/長柄武器78
Descent:
【Pedigree】没落した貴族
【Childhood】街の悪童
【Splingtime】行商人
【Ambition】金と権力を求めて


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