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世界樹の迷宮、地下2階
やはり地下1階と同じく、地下であるはずなのに陽光の差す不思議な場所だった。
「何なんでしょうね、ここ」とマッピングをしながら言ったのはサイバネティシストである。
「さぁ……」と応じたのはドクターである。「地下じゃない、って考えるのがわかりやすいと思うけど。迷宮のことを地下って呼称しているのはあくまでエトリアの住人だけだし」

そんなことを言いながら迷宮を歩いていると、人間に出くわした。金属製の鎧に鋭い槍を携えた、エトリアのラーダ執政院の兵士である。
彼はここで物を売っているのだと言った。曰く、特別な消耗品を100エンで、装備品を500エンで売ってくれるのだという。

キャプテンは少し悩み、「じゃ、じゃあ消耗品のほうを……」と言った。
「消耗品な。じゃあ100エンだ」
「はい、100エン……」キャプテンは頷き、財布を管理しているサイバネティシストを見やる。「お願いします」
にっこり笑って、彼は言った。「ない」
「へ?」
91エンしかない」
「なるほど」と鷹揚に頷いたのはドクターである。「いろいろ入り用だったからね、まぁ仕方がない。こういうところで売ってるもんは碌なもんじゃないと相場が決まっているし」

ノルン・セカンドの乗員たちは、それぞれが船から持ち出してきた道具、たとえばキャプテンなら展開式杭打ち機を扱っている。それらは戦闘用ではないとはいえ、中世レベルの技術力しかないエトリアの商店で売られているものよりは遥かに高度な機能を持っており、わざわざ装備を買い求める必要はない。
しかし外宇宙から来訪した人間であるということを悟られないようにするため、武装は隠蔽しておく必要があった。そのためにも、実際に買い物をして、技師とヴェルダンディの工作によって道具をエトリアのものに似せる必要があるのだ。キャプテンたちは迷宮に入る前、シリカ商店でいろいろと買い物をしてしまっていた。
だがまさか91エンしかないとは思わなかった。数日寝泊りすれば、それでなくなってしまうような金だ。

「金がないなら売れんな」と兵士は両手を広げて大袈裟に首を振った。「あんたら、噂の新人ギルドだろう? 気をつけたほうが良い。1階と2階じゃあ、モンスターの強さが全然違うからな」
「はぁ………」

(モンスター、ね………)
単なる動物ではなく、怪物、魔物、妖怪変化、すなわちここに生息している生き物はそういった恐ろしい生物だということを、兵士は言いたいらしい。

そんなやり取りをしてすぐに、彼の表現は正しかったとキャプテンは悟った。
「何か来ますっ!」
通路の向こうから何かが駆けて来た。2m近い巨体、鋭い角、不気味な形相、思わず耳を塞ぎたくなるような叫び声。それはまさしく、化け物と呼ぶに相応しい生物だった。


Battle Phase
Mode: F.O.E
Enemy: 狂える角鹿

Turn1
迫り来る獣に巨大な角を見たキャプテンは、すぐさま杭打ち機を地面に打ち込み、展開して【フロントガード】
しかし頑強な盾を前にしても獣の勢いは止まらない。疾走を続けながら甲高い鳴き声をあげる。可聴領域ぎりぎりの、長く聞き続ければ精神に変調を来たしそうな【混乱の叫び】であったが、全員耳を塞いで耐える。
技師が釘打ち機で、生物学者が捕獲用ワイヤーでそれぞれ攻撃して足止めしようとするが、獣の動きは止まらない。
キャプテン:フロントガード→味方前衛(Def Up)
狂える角鹿:混乱の叫び→サイバネティシスト(Miss)
ドクター:キュア→生物学者(Heal)
技師:エイミングフット→狂える角鹿
生物学者:アナコンダ→狂える角鹿
サイバネティシスト:聖なる守護の舞曲→味方(Def Up)

Turn2
釘で穿たれ、ワイヤーで絡め取られてもなお、獣の突進は衰えない。巨大な顎を開いてもう一度【混乱の叫び】声をあげるが、今度も耳を塞いで全員ガード
「やばいんじゃない、キャプ!?」
叫んだのは技師だった。
それもそのはず、サイバネティシストのシンセサイザによる装備の再調整、【聖なる守護の舞曲】【猛き戦いの舞曲】を受けた技師や生物学者、そしてドクターの攻撃を受けながらも足を留めず、ついにはキャプテンたちの眼前まで迫っていた。

キャプテン:フロントガード→味方前衛(Def Up)
狂える角鹿:混乱の叫び→生物学者(Miss)
ドクター→狂える角鹿
技師:エイミングフット→狂える角鹿
生物学者:アナコンダ→狂える角鹿
サイバネティシスト:猛き戦いの舞曲→味方(Atk Up)

Turn3
眼前に迫った角を持った獣に対し、思わずキャプテンは展開式釘打ち機を地面から抜き、構えていた。
「キャプテン?」
生物学者が制するような声をあげたが、遅かった。キャプテンは防御を捨て、攻撃に転じた
しかしパイルバンカーによるその攻撃は虚しくも空を切る
不味い。
失敗した。
そう思う間もなく狂える角鹿はキャプテンに向かって突撃してくる。
一度はかわす。技師が角鹿の足を狙っての一撃【エイミングフット】によって【足封じ】行動速度を遅める。しかし二度目はかわせない。

狂える角鹿→キャプテン(Miss)
サイバネティシスト→狂える角鹿(Miss)
キャプテン→狂える角鹿(Miss)
ドクター→狂える角鹿
技師:エイミングフット→狂える角鹿(Foot Seal)
生物学者:アナコンダ→狂える角鹿

が、角鹿の一撃がキャプテンを穿つことはなかった。

Turn4
角鹿の角はキャプテンを庇い立てた生物学者の腹を抉った。彼女はそのまま吹き飛ばされる。
立ち上がらない。死んだ。否、気絶しているだけだ。しかし、しかし、もし死んでいたら

狂える角鹿→生物学者(Kill)
ドクター→狂える角鹿
サイバネティシスト→狂える角鹿
キャプテン→狂える角鹿
技師:エイミングフット→狂える角鹿

Turn5
「逃げましょうっ!」
叫びながら、キャプテンは攻撃から再度【フロントガード】。自ら殿を勤めつつ、他の3人に生物学者を連れて逃げるようにと促す。
技師が生物学者の身体を抱えることに成功。【逃走】。逃げ出す。

キャプテン:フロントガード→味方前衛(Guard)
狂える角鹿→キャプテン(Guard)
ドクター:逃走(Miss)
サイバネティシスト:逃走(Miss)
技師:逃走(Escape)

狂える角鹿からは逃げ切ることができた。
しかしまたしても、キャプテンの判断ミスによって仲間を負傷させてしまった。


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