黒曜石と ジグザグ稲妻は
おれのからだから四方に流れ
地を打って 世の悪事をこらしめる
矢弾のように飛び散る
年をへたおれはいま
世にも恐ろしい存在なのだ
おれが歩くところ 大地も震える
おれはつむじ風だ
おれが歩くところ 大地も震える
おれは灰色熊だ
おれが歩くところ 稲妻も飛び去る
おれが歩くところ 大地も震える
(黒熊の歌 『おれは歌だ おれはここを歩く』金関寿夫訳/福音館書店 より)

Lynn
Lv. 12
S/P/E/C/I/A/L=8/3/10/5/4/8/2
Tag: Melee Weapon, Science, Unarmed
Skill:
[S] M.Weapon=45
[P] E.Weapon=15, Explosives=25, Lockpick=25
[E] B.Guns=31 ,Unarmed=100
[C] Barter=20, Speech=16
[I] Medicine=30, Repair=25, Science=86
[A] S.Guns=25, Sneak=25
Perk:
[S] Iron Fist
[E] Toughness, Strong Back, Lead Belly, Olympian, Rad Resistance
[Others] Lawbringer, Charge!, Lady Killer, Tackle, Track Star, Power Armor Training (BA), Power Armor Training (Adv)
Equipment: Metal Blaster, Shocker, Jingwei's Shock Sword, Trench Knife, Reflex Power Armor (MOD), Reflex Armor Visor (MOD)
Resist: 64%
Rad: 718 (Critical Rad Poison; -1STR, -3END, -2AGL, -20AP, -5DamRes.)

Rita
Lv. 12
S/P/E/C/I/A/L=5/9/4/6/4/10/3
Tag: Lockpick, Repair, S.Guns
Skill:
[S] M.Weapon=14
[P] E.Weapon=29, Explosives=30, Lockpick=91
[E] B.Guns=35 ,Unarmed=14
[C] Barter=30, Speech=38
[I] Medicine=36, Repair=60, Science=14
[A] S.Guns=86 Sneak=60
Perk:
[P] Infiltrator, Sniper
[C] Child at Heart 
[I] Ammunition Engineer, Daddy's Girl
[A] Thief, Gun Nut
[Others] Black Widow, Gunslinger, Intense Training (STR), Fineness
Equipment: Browning High-Power Pistol, SIG Sauer Pistol, Silenced 10mm Alloy Steel Pistol, Infiltrator, M79 Grenade Launcher, Vault Exile (MOD)


 手切れの品として送られたReflex Power Armorを纏った身体は、夜の風の冷たさを感じなかった。しかし、もし素肌を出していたとしても、もはや風を感じられるかどうかはわからなかった。

「行くのね」
 Ritaを追いかけるためにCitadelを出るとき、Lynnを引き留めたのはSarahだった。
 正確に言えばほかにも何人もLynnに声をかけてきた者はいたが、LynnをCitadelに止めようとしてくれたのは彼女だけだった。
「行く」
「Ritaのことが……、そんなに好きなのね」
「は?」
 Lynnは思わず首を捻ってしまった。じわじわと、笑いがこみ上げてくる。


「え……、あの……」とSarahはしどろもどろになる。「違うの?」
「可愛くないこともないですけど、いつも怒ってる女のひとのことを、ふつうは好きにならないと思う」
 彼女は少なくともLynnに向けて、笑顔を見せてくれたことなんかない。
「じゃあどうして、Ritaを助けようとするの? 彼女がJamesの娘だから?」
「それもあると思う」


 だがそれだけではない。
 Ritaは……。
 彼女はGrayditchでBryanを救い、Jefferson記念館で身体がろくろく動かないまま戦い、PittではMarieを助けるために奮闘した。
 Ritaは。
「Ritaが、ヒーローみたいだったから」


 RitaはCapital Wastelandでも生き抜けるほどの銃の腕前を持っている。
 だがLynnのように変身ができるわけではない。撃たれたら死んでしまう、か弱く、Lynnと相対すると見上げなければいけなくなるほど小さな女性だ。
 なのに、彼女はときに己が身を投げ出し、ひとを助ける。

 いまもRitaは変わらない。
 Paradise Fallsで、周囲を屈強な男たちに囲まれ、殴られ、それでも意志の強い瞳で敵を見据え、Lynnを呼んでくれた。
 Lynnは彼女のようにはなれない。
 だから代わりに、Lynnは彼女を守りたい。


 せめて、この身体が動く間だけでも。



第二段落


ダブルライダー


「Rita、大丈夫?」
 戦闘を終え、あたりに奴隷商人や用心棒たちが転がる空間で、Lynnはヘルメットを外してRitaに向き直った。既にReflex Power Armorの中で、変身は解けていた。
 銃で撃たれたというわけではないものの、Ritaも怪我をしているはずだ。だが彼女はむしろ、近くにいた黒人の少女を心配していた。
「Penny、怪我は無かった?」
「だ、大丈夫………」
 Pennyと呼ばれた少女は、何度もしゃくりあげながら、最後にはRitaに抱き付いた。そして泣き出す。
 既に敵はいない。幾ら泣いても構わないのだ。

 Paradise Fallsを出ると、先に下水溝から逃げていたSammyとSquirrelが興奮した様子で出迎えた。どうやら彼らは、一度外に出たあと、壁の崩れ目から中の様子を伺っていたらしい。Lynnが戦っていたところを見たらしく、あんたは何者なんだ、ヒーローか、とLynnに問い詰めてきた。
「変身ヒーローだよ。おまえら、知らんの、Masked Raiderって」


 彼らは知らない。彼らを本当に守ってくれたのは、LynnではなくRitaだということを。
 Lynnは、Paradise Fallsに入ることすらできなかった。入り口で交渉に失敗し、追い払われてしまったのだ。そのとき無理矢理中に入ろうとしても、子どもを奪おうとしているのだと気づかれて、人質にされてしまっていただろう。
 Ritaが先に入って注意を引きつけてくれたからこそ、Lynnが気づかれることなく接近できたのだ。すべてはRitaのおかげで、だから彼らは無事だった。本当のヒーローは、しかし、一般の目には触れないものだ。

 3人の子どもたちとともに、Little Lamplightへと戻れば、自称市長のMacCreadyもLynnたちが中に入ることを認めてくれた。
「中には入れてやるが、わかっているな、Mungo? 騒ぎでも起こしたら、ただじゃすまないぞ」
 と注意を喚起するMacCreadyに対し、「助けてやったヒーロー相手に、どういう口の利き方だよ」とRitaは冗談めかして言った。


「Valut 87なんだけど、どうやって行けばいいんだい?」とLynnは尋ねた。
Murder Passだな。化け物がうじゃうじゃいる」
「そこしか道はないの?」
「通れる道はな」
「どういうこと?」とRita。
「もっと簡単にVault 87まで行ける通路はある、が、ドアが開かない。コンピュータが駄目になったらしい。詳細はJosephが知っている。聞きたければ、彼に聞け」
「Josephってのは、どこにいるの?」
「わたしは市長であって、子守りではない。知りたければ、じぶんで探せ。Mungoはそれくらいのこともできないのか?」
 溜め息交じりのMacCreadyの言葉に、Ritaは唇を歪め、Lynnは少し笑った。

 ふたりでLittle Lamplightの洞窟を歩いていくと、開けた空間に出た。広い空洞の中に橋が渡され、家が建っている。名前通り、ランプがぶらさげられているさまは、まるで星が散りばめられているようだ。


「なかなか面白そうな場所だな」
 とRitaが橋を渡っていると、向かいから見覚えのある影が駆けてきた。Paradise Fallsで助けたPennyである。
「Masked Raiderだぁ」
 彼女はRitaとLynnを見るや、そう叫んで駆けてきた。

「それは言っちゃ駄目って言ったろ」とRitaが指を口の前で立てる。「秘密なんだから」
「そうだっけ?」
 とPennyは笑った。
 PennyにJosephという人物について尋ねると、「わたしのおにいちゃんだよ」ということだったので、案内してもらう。
 JosephはLittle Lamplightに入って以来、初めての礼儀のある人物で、妹を助けたLynnとRitaに、しきりに感謝していた。
「自称市長の糞餓鬼よりは話が通じそうだね」
 とRitaが囁いたものである。


「Vault 87への直通路はあるんですけど……、開けられないんですよ」とJosephは説明する。
「ドアが壊れているの?」とRita。
「正確に言うと、パスワードがわからなくなってしまって……、だから動かしていても無駄なので、いまはアクセス用の端末の電源を落としているんです」
「ふむん、コンピュータ自体は動かせるってこと?」
「はい」
「じゃあ、こいつが」とRitaはLynnを指さす。「どうにかするんで、端末の電源を入れてくれる?」
「てきとうなこと言うなぁ」
 とLynnが言うと、Ritaは睨みをきかせ、「無理なのか」と言った。
「いや、まぁ、なんとかなると思うけど」


 案内された場所にある端末は単純な構造で、すぐにパスワードを解析することができた。Vault 87へのドアが開く。

Challenge: Science≧50 → SUCCEEDED


「パスワードって、なんだったの?」
 と問うRitaに、「FATALITYだ」と教えてやる。致死とは、まったく嫌な言葉をパスワードにするものだ。

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