Walking with Spirits


 誘われるままに入った館の中で、Ritaは奇妙な格好をした集団と戦うことになった。
 彼らは動物の毛皮をそのまま巻き付けたような衣装を纏い、顔には鮮やかな化粧を施し、ナイフや斧で襲い来る様子は、まるでどこぞの原住民のようだった。


 館の主人であるというDesmondという男によれば、襲ってきた者たちはTribalと呼ばれる宗教集団であるが、なぜ襲撃をかけてくるのかはわからないのだという。


「今月で3回目の襲撃だ。まったく、あの糞っ垂れども、休む暇も与えてくれねぇ。ところであんた、パスワードは知っているか?」
「パスワード?」
 Desmondによる唐突な話題の転換に、Ritaは首を傾げてしまう。
「知らんか。まぁいい。手伝ってくれ。あいつらをどうにかしたい。手伝ってくれるなら、宝の権利を分けてやろう」
「宝?」
「ああ、どでかい宝だ。世界を変えるような」
 そんな謳い文句に惹きつけられたというわけではないが、RitaはDesmondの頼みを受けて、島の北部にあるTribalの施設へと向かった。


 Tribalの施設である教会では門前払いをされかけたが、「Tribalに入りたい」と言ってみると、『主なる樹の聖別を受けよ』という返答が返ってきた。
「聖別って?」
『西にある母なる大樹の種を取ってきなさい。さすれば、あなたは聖別を受けることになるでしょう。ところであなたはパスワードは知っていますか?』
「パスワード?」
 またしてもこの問いかけだ。Ritaが問い返すと、ぶつり、とインターコムが切れた。わけがわからない。
 わかったのは、西の大樹の種を取ってくるのが一種の宗教的な儀式らしいということだけで。Ritaは言われるがままに進んだ。


 そしてRitaは、聖なる大樹のまえで意識を失った。

Added: Punga Seeds


「パスワードは?」
 軍用コートに身を包んだ男が言う。EnclaveのAutmunという男だ。Jefferson記念館で死んだと思っていたが、どうやらしぶとく生き残っていたらしい。


 何も答えないでいると、Autmunは大袈裟に溜め息を吐いたのち、懐から長い針を取り出して見せびらかすように振った。
「この針が何かわかるか?」とAutmunは唇を歪める。「おまえの目の上の柔らかい部分からこの針を通し、脳を刺激する。それで足りなければ、脳をぐちゃぐちゃに掻き回す。失うのは右手だけでは済まないぞ」

 Autmunはゆっくりと、勿体ぶるような間を置いてから言った。
「さぁ、言え。パスワードはなんだ」
「くたばれ」


 大樹のまえで意識を失っていたRitaは、すぐさま異変に気付いた。
(左目が……)
 Ritaは己の左目に手を当てる。左目が、なぜか見えない。ぬるぬるとしていて、生暖かい。


 目の前の景色が不思議な様相を組み立てている。空から落ちる爆弾。池に浮かぶ死体。つりさげられた人形。
 地面から伸びる針。針に通された糸。結ばれる糸。
 手術台の上に何かが乗っている。ひとの骨。誰の骨?


「パスワードは?」
 声が頭の中で響いた。


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