展覧会/『CARTE』/Ep0-2-B《アルケンの主要人物》
《メリナ・エモンス/Melina Emmons》 |
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「この戦争はアルケンのためにはならない。リハルトと話をつけなければ」 |
「……見つけたわ。裏で手を引いていたのが誰かという証拠を。タティアナが恐れていたことを引き起こすのは吸血鬼ではない。カロラよ」 |
《メリナ・エモンス/Melina Emmons》は第三次大陸戦争において、敵軍が彼女の存在のために戦略そのものを変更せざるを得なかったほどに強大な力を持つ魔術師です。
また、知識の階段に到達するための月暈のドアを開けることができる唯一の魔術師でもあり、「夢の道標」と呼ばわれています。
メリナはかつてアルケンの将軍でしたが、その任期は既に終了しています。
平穏な時間を魔導実験をして過ごしていたメリナでしたが、シェイクの宣戦布告に伴ってアルケンが戦争への参加を表明したことで、その平和な時間は終わりを告げます。
戦争へは反対をしていたメリナでしたが、議会の決議を覆すことはできず、最終的に彼女は戦争へ参加することにしました。
メリナはカイデロンの企みやリハルトとの交渉、終戦への道筋を考えながら、戦線に立たなくてはならないと考えています。
《ピエトロ・フリゴ/Pietro Frigo》 |
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「戦争に勝てるかって? ははは、そんなことは些末な問題ではないかね?」 |
魔術師としては優れているというわけではありませんが、その外交手腕や知性によってアルケンの最高権力に到達しました。しかし彼の野心はここでは終ってはいません。
シェイクの戦争準備下において、ピエトロは密かに大天使《アイリン・ベル/Irene Belle》との同盟協定を締結します。
これはアルケンの知識と魔法と科学をテストするためで、戦争参加を議会に説得し、計画を練り始めました。
ピエトロの真の狙いは誰も知りませんが、大陸アルカディアを戦争によって混沌の状態に保とうとしています。
彼にとってアルケンの勝利は些末なもので、もっと大きな役割を果たすための手駒でしかありません。
ピエトロはシエリオンの《セルヤ・タスデレン/Serya》を脅迫し、エスファイアの皇帝トルステン一世を第三次大陸戦争の中で暗殺を試みました
エスファイアは混乱に陥れ、カイデロンは地図上から消失することを避けるためです。
もし当時アルケンの勢力が最も強大であったなら、彼はこの選択肢を選ばなかったでしょう。
今回の戦争でも、ピエトロはトルステン一世の暗殺を秘匿したことをネタに、セルヤを脅して出陣するように脅迫しました。
ピエトロの陰謀について、《メリナ・エモンス/Melina Emmons》は確証は持ててはいないものの、怪しんでいます。彼女はピエトロの陰謀を阻止するために、戦場に復帰してくるでしょう。
《カロラ・ロッシ/Carla Rossi》 |
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「ピエトロ、わたしとあなたはどのようであるべきだと思いますか? わたしはトゥルスシーカーマスターとして、あなたは研究成果を利用するために」 |
「メリナは我々の計画を何も知らないはずです。ピエトロ、慌てる必要はありませんよ」 |
《カロラ・ロッシ/Carla Rossi》がトゥルースシーカーに受け入れられる以前、いつどこからやって来たのかを正確に知る者はいません。
カロラについて知られていることは、彼女は真実の眼、《トゥルースシーカーマスター/Master of Truthseeker》の傍で日がな研究を続け、ホムンクルスの錬成に関して多大な貢献をしているということだけです。
カロラは10年前の第三次大陸戦争の際に、両親と妹を失いました。しかし彼らはカイデロンの兵士に殺されたというわけではありません。
父は被験者として誘拐されました。
母は父を連れて行こうとした兵士によって殺されました。
妹は心を病み、植物状態になってしまいました。
トゥルースシーカーマスターは孤独になった若い少女に知性を見出し、これを利用することにしました。
彼はカロラの母親と娘の遺体を保存し、腐敗を防いでいます。
カロラはトゥルースシーカーマスターのもとで知恵と能力を利用される日々を黙して耐えています。
彼女の目的は母と妹を生き返らせることです。この夢を実現させるために、彼女はトゥルースシーカーの力と知恵を逆に利用しようとさえしています。
必要ならば、彼女は偉大なる知恵が所蔵されている月の梯子さえ登ろうとするでしょう。
現在、カロラはトゥルースシーカーの中心人物として成長しています。
そして彼女の眼はアルケンの最高権力者である《ピエトロ・フリゴ/Pietro Frigo》に向けられています。
彼女はピエトロがトゥルースシーカーを使って密かに何か行いたいことがあることを知り、さらにそのことに関連してトゥルースシーカーマスターとの間に諍いが生じていることを知りました。
彼女はトゥルースシーカーの中で最も優秀な人物であるという触れ込みで、己をピエトロに売り込もうとしていますが、心の内では、逆に彼を利用しようと企んでいます。
しかし彼女がピエトロについて知っているのは、彼のほんの表面だけのことです。
ピエトロを利用できるか、あるいは逆にカロラが利用されるだけかは時間が経ってみないとわからないでしょう。
《キメラ16号/Chimera No.16》 |
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「おい、カロラが作ったっていうあのキメラを見たか? 人の顔のようなものが見えるじゃないか。あれはまるで前トゥルースシーカーの……」 |
「カロラは何度も何度もキメラを産み出しては殺しています。あそこまでいくと、わたしでさえ一種の同情の念が涌き上がりますね」 |
今回の第四次大陸戦争によって、秘密裏に行われていたトゥルースシーカーたちの研究成果のひとつが初めて明らかになりました。
このクリーチャーに関して一般に知られていることは、この《キメラ16号/Chimera No.16》が新しい《トゥルースシーカーマスター/Master of Truthseeker》である《カロラ・ロッシ/Carla Rossi》によって創造されたということだけです。
驚嘆すべき錬金術によって形作られているため、キメラ16号は魔術師や研究者たちの注目を浴びました。
しかしこの関心は長くは続きませんでした。
彼女の実験に関する噂が流れ始めたからです。それは、キメラ16号の素材には前トゥルースシーカーマスターが用いられているというものでした。
熱狂はすぐさま収まりました。
アルケンでは復讐という概念は珍しくない行為です。
正義を用いた刃は正当なものとして使われますし、またアルケンの最高権力者である議会の《ピエトロ・フリゴ/Pietro Frigo》によってカロラは庇護されることになったため、彼女の禁じられた実験に関する噂は付いて回りましたが、真実が明らかにされることはありませんでした。
戦争のために作られたキメラたちは、比類無く危険な存在です。
そのため、戦場へ輸送されるまでの間、慎重に扱わなければなりません。
しかしキメラ16号には両腕が存在し、魔法を使用することができます。
かつての噂となったキメラは、己の魔導の矛先を周囲の兵士や魔術師たちに向けるやもしれません。
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