《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》
「さぁ、行こう、リハルト。大陸を赤く染め上げようじゃないか」

 《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》は野心を抱くエスファイアの第15代皇帝です。
 10年前、第三次大陸間戦争の最中に戦地で死亡したトルステン一世に代わり、若くして即位しました。
 
 当初、同い年の《エルビン・フォン・ベルグマン/Erwin von Bergmann》の存在により、貴族の間で王権に関する対立が起こりました。
 しかし大将軍《リハルト・フォン・シュバルト/Richard von Schubart》の手助けを受け、彼は己が敵を排除するとともに強大な帝国の全権限を掌握することに成功しました。

 現在の彼はさらなる領土の拡大と名声の獲得が必要であると考えており、計画を練っています。
 シェイクの宣戦布告を耳にした彼は、大将軍リハルト・フォン・シュバルトに軍の全指揮権を与えました。



《リハルト・フォン・シュバルト/Richard von Schubart》
常勝将軍。その称号は敵国から注がれた血によって購われている。

 《リハルト・フォン・シュバルト/Richard von Schubart》は偉大なるトルステン一世の時代からエスファイアを支える大将軍です。
 幾度の勝利を重ねており、「常勝将軍」と謡われるとともに兵たちの尊敬の念を集めています。

 しかし彼は第三次大陸間戦争の際に前皇帝であるトルステン一世を護ることができなかったため、罪悪感を感じています。
 彼は罪の意識から逃れるために、《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》を擁立することに決め、彼の敵を排除するために重要な役割をこなしています。

 彼は第三次大陸間戦争のことを身を以て知っているため、今回の戦争がエスファイアの領土拡大の機会であるということを理解しているが、同時にシェイクが戦争を仕掛けた動機が明らかになるまでは静観すべきとも考えています。
 しかし貴族たちの決定により、彼はシェイクへ攻撃を行うために軍を率いて出陣しました。



《エルビン・フォン・ベルグマン/Erwin von Bergmann》
「大丈夫だよ、ベッカー。リハルトは時期が来たらすぐに解放する。きみはそのまま騎士団の動きを監視してくれればいい」
「……彼を恨んではいないのか?」
「ニコラス、ぼくは決めたよ。兄から、彼が奪ったものをすべて取り返さなければならない」

 はじめ、《エルビン・フォン・ベルグマン/Erwin von Bergmann》と彼の兄は良好な関係にありました。
しかし父の死後に兄が《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》として即位すると、その関係は大きく変化し始めました。

 トルステン二世が前皇帝トルステン一世を殺害したと主張する反トルステン派はエルビンを新皇帝として担ぎ上げようとしました。
 権力が分散することを危惧したトルステン二世はエルビンと彼の支持者の抹消に合意したのでした。

 エルビンははじめ兄が父を殺したはずがないと信じていましたが、家族が殺され、彼自身も難民の立場に落とされたことで、兄こそが父を殺害したに違いないという確信を深めていきました。
 彼の周囲には反乱軍の支持者がおり、彼らはエスファイアの各地で密かにネットワークを構築し、決起のときを待ち望んでいます。

 天使《ラジア・ベル/Lagia Belle》が彼の前に現れたとき、反乱軍はより大きな力を得たと確信しました。
 ラジアが持っていた《皇帝の剣プラウテ/Praute, Sword of Emperor》は、前皇帝トルステン一世がエルビンを後継者として指定する証拠となりました。
 ラジアの口を通して語られたトルステン一世の言葉は、《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》が確かに彼を殺したというものでした。



《ラジア・ベル/Lagia Belle》
「死ぬ前に、一目でいいから姉さまの顔を見たかった。でもイエバはそれさえも許してくれないのね……」

 シェイクで最も勇敢な羽のひとりであると数えられていた、この《アイリン・ベル/Irene Belle》の妹は、トルステン一世の今際の際の呪いに縛られ、《エルビン・フォン・ベルグマン/Erwin von Bergmann》を助けることを強制されています。
 イエバの意志に反し、灰色翼になって。

 トルステン一世が戦場で負傷した第三次大陸間戦争の最中、彼女は《皇帝の剣プラウテ/Praute, Sword of Emperor》を手にし、魔王《ベリアル/Belial》に傷をつけることに成功しました。
 このときに全ての力を使い果たした彼女は、そのまま死すべき運命にありました。

 しかし死の間際にあったトルステン一世が《皇帝の剣 プラウテ》を通して最後の力を彼女に注ぎ込み、彼女を縛る呪いを宣言しました。
 この結果として、彼女は幼い《エルビン・フォン・ベルグマン/Erwin von Bergmann》を助けなくてはならなくなりました。

 彼女はトルステン一世の力によって灰色翼(堕天使)にされ、自身の意志で行動することができなっています。
 彼女が再び自身の道を歩むことができるようになるためには、エルビンを玉座に着ける以外にありません。
 それまでプラウテは呪いの印となり彼女の手を離れることないでしょう。

 このため、現在、皇帝の証であるはずのプラウテは《トルステン・フォン・ベルクマン2世/Torsten von Bergmann Ⅱ》の手には無く、ラジア・ベルの手にしっかりと握られています。
 革命が終結し、エルビンが皇帝の玉座に座るまで、トルステン二世は己が皇帝であることを正当に主張するためのプラウテを狙い続けるでしょう。



《レア・シュミット/Leah Schmidt》
10年前はリハルトから離れたくなくて泣いていた小さな少女が、いまや本物の騎士になり、誇りを抱いて彼の傍に立っていた。
「エルビン、あなたが本当に巨人を煽動したの?
 あなたはがあの虐殺を引き起こしたの? ねぇ、答えて!」

 レアは政治的に非常に重要な立場にあったソフィア・シュミットの娘です。
 ソフィアは兄である《リハルト・フォン・シュバルト/Richard von Schubart》が大将軍になるまで彼を支え、リハルトは姪であるレアの信頼できる厳格な教師として接しました。

 幼い頃から、レアにとって伯父であるリハルトはほかの誰よりも偉大な人物であり、尊敬の念を抱いていました。
 戦場にリハルトと並び、敵と戦うことを夢として語る少女は、16歳になったときに騎士勲章を受け、18歳で第四次大陸間戦争で軍の総指揮権を持つリハルトを補佐する騎士長となりました。
 経験豊かな老将軍と有能な新米騎士が並び立つ姿は、大きく人々の注目を集めました。

 ついに伯父であるリハルトとともに戦うという夢を実現することができたレアでしたが、彼女の心の中には燻るものがありました。
 レアは幼い頃から王子トルステンとエルビンの親友だったため、エルビンの離反は多大なる衝撃でした。
 彼女ははじめ、前皇帝トルステン一世の殺害に関する騒動に関しては特定の考え方を持っていませんでしたが、エルビンが逃亡し革命軍を擁したことで、エルビンは国家の裏切り者であると処断しなければなりませんでした。

 エルビンと革命軍に対して、彼女は僅かに信じる心を持っているため、首都コロッセを出発した足取りは重いものとなっていました。



《赤鉄のカロイ/Karoi of Crimson Iron》
「時代遅れの身体の痛みは拷問のようだ。すべてを焼き潰してしまいたい。神がそれを許すのならば……」
「レア、巨人たちと革命軍たちの関係はどうなった? トルステンの唯一の関係者だ。われわれは、それに注意を払わなければならない」

 神々が世界をまだ支配していた頃、巨人は人と神の間の神聖なる連絡役として用いられていました。
しかし神々が消失した現在は、巨人たちは大陸の端の地域に住んでおり、彼らは自身の身体を維持することすらできなくなっています。

 巨人の中には高い知性を持つ者もおり、《赤鉄のカロイ/Karoi of Crimson Iron》はそのうちのひとりです。
 彼には何千年もの昔、信仰する神ハケンと人間たちとの間にあった関係の記憶があるため、帝国エスファイアとの良好な関係を維持しようとしています。
 ハケンの意志を受け継いでいる彼は、ハケンの聖職者の贈り物を受け取り、人間たちのために助言を与えます。

 彼は鍛冶に長けており、エスファイアでは貴重な赤鉄の鋳造を助けていました。
 彼の手助けに感謝するために、エスファイアは赤鉄の鋳造所である《アイアンゲート/Iron Gate》を作り、カロイはそこを住処としています。
 《アイアンゲート/Iron Gate》が作られて以来、この場所はカロイの知識を学ぶために各地の鍛冶屋が訪れるようになりました。
 巨人のための住居は鍛冶を行うための神聖な施設となり、カロイは鍛冶屋とともに生活を行うことを非常に喜びました。

 しかし数百年も経過すると、カロイは身体が維持できなくなり、朽ちていきました。
 これを維持するために、巨人の身体には多数の赤鉄が縫い込まれました。
 この容赦ない手術による痛みはカロイのような屈強な巨人にとっても堪え難いものでした。
 第四次大陸間戦争が始まった頃には既に彼の終わりは見え始めています。
 現在、彼は気が狂う寸前で、ただひたすらに自らの死を求めて敵と戦っています。
 鍛造の巨人は、自分自身で制御できなくなった場合に備え、最終的に暴れ出すであろう己を拘束するための拘束具を作り出しています。
 しかし身体は拘束することはできても、精神的な拷問はより酷くなるでしょう。

 カロイ自身は己がもはや長く生きる意味は無いと悟っています。
 神々の時代に受けた名誉を抱えて生を終えたがっていますが、彼は本能で未来を予測しているため、容易に死ぬことはできません。彼は自分自身が大陸にとって必ずや必要とされるであろうことを知っているのです。
 彼が平穏を手にできるのは、彼だけにできるその大任を果たしたあとになるでしょう。


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