自由を胸に
When Freedom Calls


  • NAME: Lon
  • SEX: Female
  • SPECIAL: 6/3/2/4/4/7/2
  • LEVEL: 1
  • PERK: -
  • ITEM: 10mm Pistol, Police Baton



『ヘイ、そのちっちゃな指で悪戯はよしてくれよ。ほら、可愛い天使ちゃん』
 陽気な声がPip-Boyの録音機能によって再生される。汚れたVault 111 Jumpsuitからスラックスとブラウスに着替えたLonは、200年前のままの位置にある薄汚れたベビーベッドを見下ろしながら、その声を聞いた。


 再生していたのはCodsworthから受け取ったホロテープだ。テープで貼られたタイトルには『Hi Honey!』とあり、彼曰く、おそらくはLonの家族――すなわち夫のNateが個人的なメッセージとして録音していたものであるらしい。

ADDED: Hi Honey!

『おっと、録音してたのを忘れてた。はっはっは、すまんね、ぼくのスウィートハニー。やぁ、この録音は、きみに言葉を送りたいと思って作ったんだ。
 いや、今さらね、きみがどれくらい偉大な母親かなんていうことは、語る必要はないと思うんだ。きみは優しくて、愛おしくて、それでいて――』
 Shaunの笑い声が聞こえた。
『そうだ、Shaun。きみのお母さんが一緒にいると、とても楽しい。
 きみは……、誰よりも我慢強い人だ。きみのお母さんも、そう言っていたね。とても我慢強いって。それで、いつも抱え込んでしまうって。
 でも、ほら、今はぼくもいるし、Shaunもいる。だから――だから、これからはどんなに辛いことがあっても、きっと上手くやっていける。ぼくらは家族なんだ』

 LonはShaunの部屋を離れて風通しの良すぎる居間に向かい、カウンターの椅子のところに力なく腰を下ろした。
『あー……、なんだ、ちょっと恥ずかしくなってきたな。とにかく、そういうことだ。それじゃあ、バイバイ、ハニー。愛しているよ』


「馬鹿みたい………」



 Codsworthの提案を受けて、周囲に人間がいないかどうか探してみたが、いたのは奇妙な蠅の化け物――Bloatflyだけだった。
 まったく、200年前と様変わりしてしまったのは風景だけではなく、動物もらしい。たぶん、人間もだろう。Lonは銃を使って対処しなくてはならなかった。


 Red Rocket stationを経由し、Concordへ。それが次のCodsworthの提案だった。彼によれば、Concordには人の気配がするらしい。

『奥さま、必ずや――、必ずや、Concordには奥さまの助けになってくれる人がいるはずです。ですから、諦めないでください』
 まったくもって人間臭いことを言うロボットだ。Lonは笑顔を作って頷いた。


 Lonは準備を整えた。
 といっても、周囲の家々を回って使えそうなものを雑嚢に詰め込んだくらいだ。悪いこととは知りつつも、金庫も開けさせてもらった。もう取り出す者はいないのだから、犯罪だのと言う必要はない。

 南へ。
 歩きながら、LonはまたNateの遺したホロテープを再生した。終わったら、もう一度。もう一度。

『それじゃあ、バイバイ、ハニー。愛しているよ』
「馬鹿みたい………」
 歩いていると、雨が降ってきて、水滴がLonの目元に付着した。
 水は流れて涙になった。






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