『山が笑えば』制作録ルート編


 今月も進んだような進まなかったような、な『山が笑えば』開発録です。


 まず(Twitterでも出してるけど)新情報として、メカデザイン&イラストを新たに仲洲衛さん(→Twitter)に依頼しました。ルート上でのメイン操作画面に登場する機械系統のイラストをお願いしています。

 今作登場するメカの中で最も大きく目立つのが、この《蜘蛛》。



 先に余談ですが、実はメカは最初は自分で作ろうかなーと思っていたのですが、途中であっ無理だひゃーいとなって依頼しました。上がってくるもの見るとやっぱり依頼したほうが断然良いのだよな。何を悩んでいたのだおれのバカ! ゴミムシ! ナンキンムシ!

 というわけで「虫(蜘蛛)ベースだけど地球の機械じゃないので蜘蛛じゃない蜘蛛っぽい機械だけど生物っぽい何か」という面倒臭いデザインです。


 蜘蛛は『霜夜ゆく』(以下、『霜夜』)でも出てきました(あれは降下した惑星が地球ではないのでクモッポイケドチガウクモモドキですが)が、今回も(もどきだけど)登場。次々作の仮題GATEでも(概念が)登場予定なので当分皆勤賞だと思う。

 べつに蜘蛛本体が好きというわけではないけど、

  • 基本的に益虫だけど不快害虫
  • 昆虫じゃない
  • 糸出して幾何学的な巣を作る特殊ギミック

と、身近な生き物としてはめちゃくちゃ面白いとは思う。虫は嫌いだけど小さいのはキモカワ系だし。

 たまにハエトリグモっぽい小さいのを見かけるので手を合わせてから逃してます。家だと猫に食われているかもしれないと思う一方、たまに小さい虫にも負けているのでちゃんと逃げられているのかもしれない。


 さて、《蜘蛛》に話を戻すと、もともと『戦車』とたまに呼称していた方なのですが、設定としては、100年前の宇宙戦争時に最初に地上に降り注いだ探査機と思しき宇宙人の無人機です。目立った武装こそありませんが、雪上車よりでかいので殴られただけで一撃必殺。雪上車も大ダメージを受けます。

 こんなのただの雪上車に乗っているのに勝てるのかよ(『霜夜ゆく』の《少女》だったら一本背負いで勝てると思いますが)という体格差ですが、左前脚などの欠損を見ての通り、経年劣化と極寒のためにズタボロです。うまいこと攻撃を避けてちょっとぶん殴ってやればなんとかなります。きっと。


 問題は《蜘蛛》がこれ一体ではなく、大陸上には複数おり、しかも中にはまともな手足を備えていたり、さらには強化された装備を持っている個体もいるということです。

 必要になるのは障害を避けるための努力です。

 南極大陸上には地形と蜘蛛の2種類の脅威が存在します。どちらも→前回ちょっと出てきた観測で発見することはできますし、そうでなくても一度その場所に踏み込めばその場所の状況は明らかになります。一度踏み込んで失敗してしまったあとはどうにもなりませんが、このゲームは試行回数に一年という時間的縛りがあるとはいえローグライト、次回踏み込まないようにすれば良いのです。


 というわけで最近作っていたルートの設定が重要になります。



 ルート画面は以前に一度、最初のお試し時期の画面を記事で出したことがあるような気がしますが、その発展版です。まぁ見た目はほとんど変わってねぇんだがよ!

 マップは基本的に126x126個の六角形ヘックスで構成され、ひとつのヘックスはおおよそ8kmの大きさを持ちます。つまりだいたい1000km四方の広さをカバーできるわけです。

 マップ上ではルート旗を掴んでドロップするだけで簡単にルート設定が可能。x1、x3、x9倍でズームもできるようになっているのでおそらく手軽に旅ができるはず……。ちなみに初期案だとマップの回転とかもできたのですが、よく考えるとべつにできてもメリットないなと気づいたので回転機能はオミットしました。


 ルートは一度設定したあとは何度も見返すのが面倒なので、ルートの概況や現在状態などは画面上のHUDに簡易的に表示されます。

 上のルートでは直線化したルート上でのチェックポイントの位置(旗)や地形・天候状態(色)が表示され下の操作盤には車速・燃費・車体状態といった車両状態から食料・ごみ容量、燃料といった橇の状態まで(慣れれば)一目で確認することができます。



メインの旅行画面。細かい値が重要だったり、あんまり考えなくても良かったり。


 こんな具合に基本的な変数、構造、画面が完成できた現状、来月からはチュートリアルをガシガシ作っていく予定なのですが、怖いのはアニメーション。

 冒頭で紹介した《蜘蛛》もしかりでイラストを描いてくれた仲洲衛さんにはレイヤー分けや種類分けを気軽に頼んでしまったのですが、実際にアニメーション動かすのはわたくしなのですよね。まさか。ちくそう。

『霜夜』のときもけっこう辛かったのだけれど、あっちは単純にイラストそのものを動かしているアニメーションなので切り分けや構成を考えるのが面倒な一方、動きとしては他のプログラムでも使っているような動作を組み合わせているだけなのでそこまで複雑ではなかった。

 今回はSpriteを動かすという、まだやったことがないタイプのアニメーションをやらなければいけないので怖い。怖いが一回やってしまえばまぁなんとかなるはず。稼働部が限定されていて鈍重なメカを先にやっておけば、SDキャラ動かすときは楽になるはずだし。頑張れおれ、頑張れ地球。

 とりあえず蜘蛛の足の動かし方を参考にしつつ、重心移動はちょっと重めの物体を参考にするかんじで進めたい所存。



メガナイーネコ。


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