『霜夜ゆく』1周年
『霜夜ゆく / Cold Bed on Route』、2021年10月4日(くらい)にiOS版が発売されたので、本日2022年10月4日で1周年と相成りました。めでたいっ。
10月2日は初代南極観測船「宗谷」退役、10月31日は同船起工ということで同じ「そうや」としてなんとかこじつけられないかな、ということでマリンルックで今回も冬村さんにお願いしました。
そういえば猫の誕生日が不明(野良→保健所出身のため)なのだが、だいたい9-10月くらいが推定誕生月なので、今日を誕生日としておきます。おめでとう。
『霜夜』ですが、初めての作品ということで、1周年を期に今回はいろいろと販売データを載せておきます。『霜夜』は全体的に実験的な作品ということで公開しますが、現在開発中の『山が笑えば / with Mountain Smiling』も含めて次以降の作品についてはたぶん売上良くても悪くても公開しないと思う。
■販売数
まず全体の販売本数は以下の通り。データは9月25日時点。
iOS版 4,008本
Android版 1,226本
合計 5,234本
当初の目標が10本(→『霜夜ゆく』反省会)だったのに対し52340%達成です。バカの単位か。
いままで同人活動やったことがないうえに、基本的に他所様と繋がりがない非結合男子なので多いのか少ないのかよくわかっていませんが、おそらく初作品としては悪くない数値のはず……。
売り上げとしてはver1(swiftで作ったiOS専用版)から売っているiOSが75%以上を占めており、ver2だけで比較しても倍近く売れていました。
■時系列変化
1年間の時系列での販売数は以下の通り。
青がiOS、橙がAndroid。横軸の単位は日。
まず発売直後に最も大きな立ち上がり。発売初動の動きの重要性がわかります。初期の売上については→以前の記事でも取り上げましたが、最初の大きな売り上げが発生するに先んじて先に他所からのリンクによる売上発生があるので、「とりあえず初動で売れれば(少なくともiOSの場合は)ストア側が勝手に取り上げる(ランキングから見るのか、リコメンドされるのかは不明ですが)のでそこから付随して売れる」と考えてもいいでしょう。
この時期は一時期(iPadだけかもしれんが)2位にもなったりして、『Minecraft』さえなければ1位も狙えたのですが、永遠のライバルMinecraftに今回は勝ちを譲りました。まぁおまえも頑張ったからな。へへっ(絆創膏をつけた鼻の下を人差し指の背で擦る)。
記念して当時の長野ではこのスクリーンショットの幟が長野大通りを長野駅から城山公園前まで並んでいました。
ここからしばらくは徐々に売上を下げながら落ちていきますが、ところどころにスパイクが生じています。特に大きいのが12月半ばあたり。
特にこの時期に何かやったという記憶がないので、おそらくはシンプルにSNSとかで積極的に面白いと言ってくれた人の評判を見て買った人がいた結果かなぁと推測。
このスパイク以外にも時々上がるときがあり、こういうときにクチコミで広まっているのだろうなぁ、と思うとありがたいものよ。
その後、3月後半にiOS+Android両対応のUnity版(v2.0)発売……なのだけれどなぜかiOSとAndroidが同程度このタイミングで売れる。こういうこともあるのですね。
ちょっと気になるのは販売本数の変化がiOSは最初に上がってそこから徐々に落ちていくけど、Androidは初動はそこまででもないけど半月ほど勢いが衰えずに売れる。これはユーザーの違いなのか、ストアのレコメンドなどが違うのか。
実はv2.0ではぶっちゃけたところAndroidでv1.0(iOS版)の初動と同じくらい売れるかなぁ、と思っていたのですが、実際は1/5程度とあまり動きは強くなく。うーむ。iOS版が特別タイミングが良かったのかなぁ。
ここまで特にTwitter上の宣伝とプレスリリース送る以外は何もしてこなかったのですが、5月後半に初めてのイベント、INDIE LIVE EXPO。こういうブツを投げるだけのイベントは気軽に出展できて良いですね。
ここ、ちょっと動きが面白いのですが、Indie Live Expoの場合、エキスポ開催直後よりもその後のほうが明らかにユーザーが伸びているのですよね。具体的には紹介日が5月21日だったのに対し、売り上げが大きく伸びたのは6月1日からなので10日ほど遅れている。
なので番組を見て直接購入するというより、エキスポで見て購入した方が配信なりSNSなりで二次的に波及した結果が強いのかもしれません。
それと、Indie Live Expoのタイミングでは明らかにiOSユーザーのほうが強いので、客層がエキスポと合っているのか、それとも本作がそもそもiOSユーザー向けなのか。
7月にはファミ通の「とっておきインディー」コーナーで紹介され、8月にはそのウェブ版も公開されました。
ここも気になる部分があって、雑誌とWEB版のタイミングでiOSユーザーとAndroidユーザーの購入数が逆転しており、雑誌版でユーザーが増えたのはiOSで、WEB版で増えたのはAndroid、とけっこう違って見える。一データだけなので有意かどうかは何も言えませんけど、けっこうiOSとAndroidの市場は違うのかもしれない。
■まとめ
わりと毎秒エゴサしているのですが、イラストとか記事みたいな「これはほかの人にも見てもらったほうが良いやつだな」系統のもの以外はRTとかふぁぼっていません(バグ系は例外。生放送とか動画系統は、わたしがそもそもそういうものを鳥山とりをと浅井真紀が自社製品紹介している放送くらいしか見ないためあんまりチェックしていない)。
なんで反応しないかというと、たとえばわたくし最近スティーヴン・キングの『ダーク・タワー』読んで感想書いているのですが、これに急にキングが反応してきて「やぁブリ、感想ありがとう。そこのセックスバトルのところだがね〜」とかリプライつけてきたら怖いし自由に感想書けなくなるよねっていう。
それはともかく、エゴサして見つけた褒めるツイートはおおよそ共通していて「《少女》が可愛い」という点に尽きています。
いぇー。ファミ通のときに描いてもらったやつ。この指入れたくなる口が好き。
現代は、
- 大多数が高性能のゲーム機(スマホ)持っている
- ゲームエンジンが無料で使えて高いスペックを要求されない
- 作れば簡単に市場に流せる
- イラストや音楽を簡単に発注できるし、無料素材もある
という時代なので個人製作者にとってすごく良い時代なのですが、特に4番目は大きくて、自分みたいにシナリオとシステムに振っている人間にとってはかなり動きやすい。
おそらく一昔前、たとえばツクール2000くらいのフリゲ全盛期みたいな頃だと自分で描くかデフォ絵でどうにかしなければいけなかったのだけれど、そうじゃなくてすごく簡単に「イラストレーターに依頼する」という選択肢が出てくるからありがたいものです。今後も良い絵を笠に着て頑張っていきたい。
■今後の予定
・『霜夜ゆく / Cold Bed on Route』AppStoreのTier改訂に応じたAndroid版の値上げ対応
2022年10月5日から日本円でのiOS版のTier表が変更されたため、これに追従させるためにAndroid版の値上げを行う予定です。
という言い方だと製作側以外は意味がわからないので説明すると、iOSでのアプリストアであるAppStoreのアプリおよびその中での課金の値段は自由に決められているのではなく、
- Tier0 - 0円
- Tier1 - 120円
- Tier2 - 250円
- Tier3 - 370円
- ...
- Tier19 - 2320円
- ...
- Tier25 - 3060円
- ...
みたいに定められた飛び飛びの値(Tier)から選ぶ形式になっています。
10月5日からのTier改訂はこれが、
- Tier0 - 0円
- Tier1 - 120円 -> 160円
- Tier2 - 250円 -> 320円
- Tier3 - 370円 -> 480円
- ...
- Tier19 - 2320円 -> 3000円
- ...
- Tier25 - 3060円 -> 4000円
- ...
というように変更されます。ただ、あくまでそのTierの値が変わるだけの変更なので、ソシャゲの課金などは(親切な運営であれば)、たとえば旧Tier25(3060円)なら新Tier19(3000円)に変更し、端数分は課金通貨(いわゆる『石』)の数を調整することで対応しているので値上げにはなっていない、というようなところが多いと思います。
とはいえ『霜夜ゆく / Cold Bed on Route』はもともとTier1で下げようもないので、そのままTier1据え置きで値上げとなります。
一方でAndroidのストアであるPlayStoreは値段の縛りは特にないのですが、多くのコンテンツではiOSと揃えるのが一般的です。まぁ別に合わせんでもいいのですが、せっかくなので便乗値上げして上げておきます。
・『山が笑えば / with Mountain Smiling』開発
遅々として進んでいない——ように見えるけどちゃんと進んでいるはずの『山が』をまずは開発せねばと進行中。
どうしてもバグ取りながらやれること増やしている段階なので、見た目の変化が薄いのですよね。最終的なビジュアルは最後に整えて、とりあえずすべての機能を実装するのが楽だし。
・『山が』INDIE Live Expo用ムービー作成
10月3週目くらいには出さなければいけないのですが、まったく作っていないINDIE Live Expo用の15秒ムービー。
できれば《蜘蛛》のアニメーションくらいは組み込みたいけど、あんまりギリギリでやると死ぬので無理しない程度のほうがいいかもしれない。
・『霜夜』バグ修正とプログラム修正
前々から進行不能になるバグがあり、発生頻度が高くないのも相まっていまだ原因特定に至っていない状態なので、これをどうにかしたい。
確実な発生原因がわからないのですが、おそらくバックアップセーブの記録周りである可能性が非常に高くて、とりあえずそれを当たりたいところ。
あとはアニメーションの一部が組み込む過程であまりよろしくない動きをしている気がするので、現在『山が』で使っているDOTweenなどを使って簡易化したい。
といっても現在は『山が』を開発中なので、すくなくとも『山が』側でテストできるレベルくらいまでには進まないとこっちには手をつけられない。
どうにかひと段落したらバグ修正をしたv2.1.0へのアップデートに進みたいところ。
・『霜夜』アップデート(南門テスト)
『霜夜』ですが、バグ修正ができたら追加コンテンツのアップデートを予定しています。後日談シナリオ、というほど真面目な内容ではなく、単純に次回作以降のシステムのテストです。
霜夜』は実験的な作品の意味合いがあり、(作者の)サンドボックス的な使い方も想定しています。
『山が』に関しては基本的なシステムが『霜夜』に近く、なによりシステムの一部を切り取っても面白くならないタイプの作品なのでテストには使いませんでしたが、その次に予定している作品『南門』(仮)はアクションベースで操作がちゃんと受け入れられるか怪しい部分もあり、一回テストしたいと思っています。
少女とガナカさんのちょっとした冒険シナリオになる予定です。とりあえず先行でいまのうちにガナカさんだけ描いてもらいました。
ガナカさん。ちょろちょろする猫を追うために靴はしっかりしたものを履いている。
少女も追加装備ちょっと欲しいな。雪山救助犬みたいにブランデー樽とか。でも子どもに酒持たすのはアウトなのだろうか。
・『霜夜』&『山が』PC移植・翻訳向上
追加コンテンツ作りつつ、Steam版も作りたい。
→前にも書きましたが、『霜夜』は英語対応しているのですが、海外ではほとんど売れていないのです。そもそも翻訳がうまくないという可能性もあるにはあるのだけれど、「数本売れてその後続かない」というより、本当に根本的に売れていないので、まず露出がない。
なので、とりあえず手近なところはプラットフォームを増やす、すなわちPCに進出することだろう、ということでSteam版を検討しています。
Unityで作っているので基本的にはそのままPCでも動かせるはず……ではあるのだけれど、さすがに画面そのままだとなんだかなぁな部分があるのでレイアウトは三面鏡みたいにしたほうがいいかもなぁ、などと考えています。あとマウス形式だと「カーソルを置く」というスマホではできない動作があるので、そこをちゃんと動作させるようにしないといけない。
一方でシステム的な部分以外にも修正する必要があって、翻訳をまともにしたい。
基本的に機械翻訳にざっくり翻訳してからわたくしが自力で逐次修正しているのですが、正直口語体というか、物語的な文章はぜんぜんわからねぇのだよな。ただでさえ英語苦手なのに。
なので専門的なところに依頼したい。
問題は価格で、英文校閲(英→英)で1単語あたり5円で見ると、『霜夜』だと仮に1イベントで平均100単語として、イベントの数が200とすると200 * 100 * 5 = 10万円。ふぅむ。まぁ完全に売れなくてもまぁいいか、で済ませられる金額ではあるが、せっかくなら助成が欲しいので助成金チャレンジしようかなぁ。
というわけで今後の予定としてはだいたいこんなかんじ。最近軽いぎっくり腰のようなものになったので気をつけて生きたい所存。とりあえず今後は週に一度は休館日にしたい。
何が良いのかまったくわからん。 pic.twitter.com/xGaSQtSLMB
— ブリキの (@buri_kino) October 2, 2022
そういうわけで4歳になりました。
2 件のコメント:
霜夜のグッズが欲しいです
以前ネタ?であげてた着せ替え少女ちゃんもとても欲しかったです
紙媒体でもプラスチックでもシールでもその他でも、
なんでも良いので欲しいです...それくらいお気に入りのゲームです
コメントありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです。
>霜夜のグッズが欲しいです
Pixiv Factoryを使えば受注生産なので無駄なコストかけずにグッズは作ってそのままBoothで売れるようなのですが、あまり無作為に作ってもそれほど数が売れるものではないだろうし、もともと本作のイラストはゲーム(と資料集)用に使用する前提でお願いしているものなので、グッズ等で流用できるかどうかはイラストそのものの権利者であるイラストレーターさんと交渉しないといけません。
そのためにもある程度「こういうものを作ろう」という指針があると企画書を作るのにわかりやすいので、もしpixiv Factoryで作れるもので「こういうのが欲しい」という意見いただければありがたいです。
あくまで企画書が作れるというだけで、作るのを保証できるわけではありませんが。
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