『山が笑えば』制作録 乗り越えるべき障害とバフ要素編
『山が笑えば』、はぁはぁはぁやっとはぁはぁはぁうっふ、やーっとシステム周りがほぼ終わり、難易度に関わる部分ができ始めた昨今です。
ここから、
- 難易度が存在しないだだっぴろい平原状態でのクリアまでの動作確認←イマココ
- ベースの土地・天候がある状態でのランダム性を入れたクリアまでの動作確認
- ストーリーなどのバフ要素と、複雑地形のデバフ要素が全部入った状態でのクリアまでの動作確認
でやっと完成になります。並行してストーリーやアニメーションの補完もせねばならん。
改めて振り返ると、本作は126x126グリッドで構成された東南極氷床上において、宇宙戦争を経たことによって位置がわからなくなったドームふじ基地を捜索することが目的となっています(このへんの目的意識が薄いとプレイ感が薄くなるので、最初のイベントで会話少なめに主張したい)。
ゲーム的な要素として、まずは越えるべき障害があります。
障害にはおおむね分けると3種類あり、
- 地形
- 天候
- リソース
です。
1の地形は各グリッドにそれぞれ振られた要素です。0-100%の範囲があり、小さくなるほど3のリソースが削られやすくなるとともに、大きくなると車速も落ちます。
地形は位置で決められたベースの地形要素+ゲーム開始時にランダムに決定される小規模地形から成っています。簡単に言うと「奥に進むほどキツくなり、さらにところどころ地形の良いところと悪いところがある」みたいな。
もともとの設計だとベースの地形要素は複雑な形状をしていたのですが、今回かなり単純化し、緯度から決定された高度に依存する設計にしました。上に行くほどキツくなります(ただし最上部のドーム地形だけは簡易)。
地形がキツくなるほどリソースが削られるため、地形が良いところを通過すれば良い……んだけど、それがプレイヤーに伝わるかどうかが問題。いちおう地形の見た目は変わるとはいえほとんど差はないし、数値で表してもわかりにくい。影響も緩やかだし。
なので今回、閾値が変わる50%と25%の地形を境に画面の四隅に赤い表示(FPSでダメージを負ったときに出てくるようなやつ)が表示されるように変更しました。
天候と違って地形の変化は視覚的にわかりにくい(いちおう地形の見た目は変わっているけど)ので閾値2段階くらい作ってそれ以下だと赤くなるようにした(走行音も機械音が混ざる)。
— ブリキの (@buri_kino) September 21, 2023
ついでに(これだと音声入ってないけど)車の走行音も異音が混ざるようになっています。
これで「なんか良くないな?」と思うようになっていただければいいな。
2の天候はランダムに変わる影響要素で、こちらも0-100%の範囲で小さくなるほど3のリソースに影響します。
こちらはもともとは1つの時間ステップ(朝、昼、夕方など)で刻々と変わるようなものを作っていたのですが、「あんまり頻繁に変わりすぎると対応する気にならないな」ということで、まず日付変更時しか変わらないように設定。かつ、天候の持続時間を設定し、似たような天候がある程度連続するように変更しました。
天候の変化によって地吹雪の度合いが変わるのだが、速度に影響する50%を境にして地吹雪が雪上車より手前に来るように変更した(こういう細かいことやってないでメインのことやりましょう。大幹細枝)。
— ブリキの (@buri_kino) September 18, 2023
ついでにきつい天候のときは雲の表示が前面に出てくるので、影響がそれとわかるように。天候は地形よりも早く車速に関わってくるので「あれ、なんかうまく進まないな」と思って画面見るとめちゃくちゃ雲が前面に出ているぞ、みたいな感があるとよろしゅうございます。
3のリソースは雪上車や運転手のパラメータなのですが、もともとは以下がありました。
- 運転手
- 体力:旅行中は毎日いろいろな行動で減っていく。休むと増える。0になると旅行終了。
- 精神:旅行中は減り、基地で増える。減ると体力の変化に影響する。
- 慣れ:旅行中は増え、基地で減る。減ると体力・精神の変化に影響する。
- 雪上車
- 状態:旅行中は毎日いろいろな行動で減っていく。増えない。0になると旅行終了。
- 牽引重量:ソリの合計重量。状態の変化に影響する。
- 燃料(+ソリ燃料):毎日使う。なくなると旅行終了。
- ソリ食糧:毎日使う。なくなると体力の減少が著しくなる。
- ソリゴミ:毎日(スペースを)使う。なくなると体力の減少が著しくなる。
運転手について、体力はわかりやすくHPで良いのだが、精神・慣れのリソースが体力に二次的に影響してくるのがめちゃくちゃわかりにくい。なので、
- 精神:旅行中は毎日2ずつ減る。0になると旅行終了。
- 慣れ:旅行を行うごとに5ずつ増える。増えると良いことがある。
ということで、精神は実質的な時間制限(100から2ずつ減るので50日が最大)、慣れはレベルみたいなものに変更。
雪上車のほうは基本的に変わらず。ただ、もともと状態・燃料・食糧などのリソースをすべて管理する方向で進めていたのですが、燃料はデポなどで、食料は基地で回収できるため、メインのリソースは状態ということにし、これが(基本的に)増えないので頑張ってこれを保つ方向に変更しました。
こんな具合に123の障害を乗り越えて進む必要があるのですが、これをサポートするのがバフ要素であるストーリー(いわゆるPerk)です。
今作ではストーリーといういわゆるパークとかスキルみたいな永続バフ要素があって、これがけっこう強くかかる予定なので(キャッチコピーのひとつである「たくさん負けて強くなれ」も、その旅行に失敗して戻るとストーリーを得てバフが生じるので)。
前にも書いたような気がしますが、ストーリーは効果の目安としてアーキタイプがあって、
使いやすい
↑
|マラソン(リソースが高い状態での行動が得意。たとえば体力が高いと車両が消耗しにくい)
|競歩(リソースを下げないのが得意。たとえば車両の調子が最高だと燃費が上がる)
|トレイル(悪い状況に陥らないのが得意。たとえば観測範囲が増加)
|
|短距離(高速移動が得意。たとえば地形が良いなら車速が0.5km/hr上がる)
|槍投げ(戦闘が得意。たとえばパリィしたときに蜘蛛の足を切断できる)
|
|障害走(悪い状況が得意。たとえば地形状態が50%以下なら車両の調子が通常より消耗しにくくなる)
↓
使いにくい
となっているのですが、これをもうちょっとわかりやすい使い方ができるようにしたい。
たとえばマラソンの「リソースが高い状態での行動が得意」を取ったけど、障害走の「悪い状態が得意」といまいちマッチングしにくい。もちろんシナジー考えてストーリーを取得するのがベストではあるのですが、本作はすべてのストーリーにイベントがあるため、シナジー最優先だとイベント優先で取得しにくくなってしまう。
なので、「主力の効果」のほかに「とりあえず取っておけば役立つ」くらいの効果があっても良いのでは、と思ったのでした。
都合の良いことに各ストーリーにはレベルの概念を設定しておいたので、取得したストーリーの合計レベルを使って、
- マラソン Lv1ごとに計算上の天候+1%
- 競歩 Lv1ごとに体力の低下量-1%
- トレイル Lv1ごとに車体状態の低下量-1%
- 短距離 Lv1ごとに時速の基礎値+0.05km
- 槍投げ Lv1ごとに戦闘のコスト-2%、ダメージ-1%。
- 障害走 Lv1ごとに計算上の地形+1%
という最低保証をつけてみる。こうすると「とりあえずレベルの高いストーリーを取れば良いかんじに効果が出る」し、「シナジーがあればもっと良い」くらいの好影響があるはず。
さらにリソースの項で書いた「慣れ」が確実に有利にするように影響させるため、各レベルは慣れの倍率だけ係数がかかるようにもしてみました(旅行20回で最大値の100%でLvが2倍)。
こんなかんじで、序盤は立ちはだかる障害に苦労しつつも、旅行を重ねるごとに慣れとストーリーによってより広い範囲の旅行ができるようになる、というサイクルで最終的な目的地へと到達させることができれば良いなぁ。
難易度は今作は『霜夜』よりも簡単になる予定なのですが、おそらく、
「完全にマップを知っていてシステムまわりを全部理解している作者なら、ストーリーとか慣れの補正がなくても初回の旅行でギリギリクリアできる」
「ストーリー・慣れのバフがあると余裕」
がベストな難易度だと思う。今作はマルチエンドではなく段階的なエンディングなうえに、『霜夜』ほど短くないので、何も知らないプレイヤーでも一回でギリギリクリアできるようにしたいものです。
というわけでかなり完成に近づきはしましたが、果たして今年中に出せるのかどうか。
今年中に出したい理由のひとつは、ちょうど観測隊が昭和基地に訪れる日に近い(作中でもスタートが12月21日)ので年跨ぐ前に出したいということ。
もうひとつは単に経費の問題で、今年はほかに出してないので経費が勿体無いのだよな。世知辛い。青色とかなら跨げんのかな。来年は青色にしたい。猫。
病院連れて行ってワクチン打つのに成功しました。これでしばらくは落ち着けるぜ。
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