来てください/01/01/01
第1層
翠緑ノ大地
地下1階
希望に満ちた冒険者が踏み固めた大地
1
Party Phase
前衛
- キャプテン
- Level:01
- Class:パラディン
- HP:27/27 TP:13/13
- Skill:盾マスタリー(1), フロントガード(1), バックガード(1)
- Equipment:ナイフ/ツイード/タージェ
後衛
- 生物学者
- Level:01
- Class:ダークハンター
- HP:23/23 TP:11/11
- Skill:ATCブースト(1),鞭マスタリー(1), アナコンダ(1)
- Equipment:ライトウィップ/ツイード
- 技師
- Level:01
- Class:レンジャー
- HP:24/24 TP:10/10
- Skill:弓マスタリー(3)
- Equipment:ウッドボウ/ツイード
- サイバネティシスト
- Level:01
- Class:バード
- HP:21/21 TP:13/13
- Skill:歌マスタリー(1), 猛き戦いの舞曲(1), 聖なる守護の舞曲(1)
- Equipment:ウッドボウ/ツイード
- ドクター
- Level:01
- Class:メディック
- HP:20/20 TP:16/16
- Skill:回復マスタリー(1), キュア(2)
- Equipment:スタッフ/ツイード
Mission Phase
Order:新米冒険者の心得
Object:地下1階地図の作成
世界樹の迷宮と呼ばれる場所に入るための入口は、エトリアの町のすぐ傍にあった。遠目から見ると少しだけ隆起した大地の上に緑色のパウダーがかかっているように見える。接近するとそれらが巨大な木の枝や根で構成された建築物のようになっており、緑色のものは苔であることがわかる。さらに近付くと、世界樹の迷宮への入口が如何なるものなのかわかった。
「これは………」ドクターが呟く声が聞こえた。
世界樹の迷宮の入口を構成する木々(これが世界樹なのだろうか?)の間に見える白い扉のようなもの。それはキャプテンらが近付くと自動的に開いた。
扉の中はメートル単位で2*2*3ほどの直方体。内装はなく、真っ白な壁がむき出しである。執政院で話には聞いていたが、これが入口らしい。
「エレベータ」
ぽつりと言ったのは技師だった。
彼女の言うとおり、この四角い箱が入口だというのであれば、エレベータとしての機能を有していると考えるのが一番自然だろう。執政院や酒場の人々も、エレベータというものは知らないものの、なぜか移動ができる魔法の箱なのだ、と入り口がエレベータであることを示唆するようなことを言っていた
。
「乗ってみましょうか」
誰も行動をしなかったので、キャプテンは言い、自ら先んじてエレベータの中に入る。
外側から見えなかった箱の内側、天井や入口に通じた側の壁面ものっぺりとした壁があるだけだった。しかし一つだけクリーム色で塗られたボタンが見える。下降のためのスイッチだろうか。
キャプテンが考え込んでいるうちに他の4人も乗ってくる。広さはそこそこあったものの、5人が入るとエレベータ内部は狭かった。ギルドの人数が5人がちょうど良いというのも、案外こういうことなのかもしれない。
「これかな?」生物学者がスイッチに人差し指を乗せる。「押して……、良いのかな? これ以外にないよね?」
キャプテンは他の3人の顔を見渡し、それから生物学者に頷いてみせる。
「じゃ、押すよー」生物学者はそう言ってからボタンを押した。
ドアが一定の速度で閉まる。外から採光ができなくなってもエレベータの中は暗くなりはしなかった。外が明るかったので気付かなかったが、天井に照明があるらしい。暖色光だ。
しかしエレベータは動いたように感じられない。少なくとも一定方向の加速度をキャプテンは感じることができなかった。
「あれ? 今押しました?」とサイバネティシスト。
「押したけど……、違ったのかな」生物学者は首を捻る。
しかしドアが開き、そして眼前に開けた風景はエレベータの中に乗る前に見ていたものとまったく異なっていた。深い木々。葉の隙間から差し込む陽光。直走る動物や虫の音。湿った空気。
キャプテンらはぞろぞろとエレベータを出る。全員がきょろきょろと辺りを見回している。特に生物学者は目を輝かせて近くの植物を観察し、記録していた。エレベータのドアは開いたままだった。おそらくもう一度中に入ってボタンを押すまでは動かないのだろう。
「あれ、なんで戻っていかないんだろう」
そんなエレベータを見てドクターが呟いたので、キャプテンは反応してみる。
「中に入ってもう一度操作しないといけないんじゃないんですか?」
「いや、そんなはずがないよ。そんな説明はされなかったじゃないか」
「確かに、変ですね」頷いたのはサイバネティシストだった。「このままだと外から新たに人が入ってくることができません。そんなふうには言われていなかったはずですけど………」
言われてみればその通りだ。エレベータを戻さなくては新たな冒険者は迷宮内に入ることはできないだろう。エレベータの外側にはボタンもついていなかったので、外部操作によってエレベータを呼び出すことも不可能なはずである。
「時間が経てば戻っていくのかな……? でもそうするとぼくらが戻る際に困る」とドクターがぶつぶつと言う。
「他に入口があるんですかね」とサイバネティシスト。
「ワープ?」
一言言ったのは技師だった。
キャプテンはすぐには彼女の言葉が理解できず、続く言葉を待つ。
「なるほど、エレベータじゃなくてワープ装置か」しかし頷き、言葉を発したのはドクターだった。「それなら納得できるかもしれない。加速度もなかったことだし」
「でもワープって……、そんな」キャプテンは彼らの話題の行き先についていけない。
「まぁ、良いじゃないか。とりあえず説明もなかったことだし、このままで良いんだろう。もしエレベータというか、あの入れ物を戻す必要があるのならば、執政院からそう言われるはずだ。何もしなくても良いんだろうさ」ドクターが勝手に纏めだす。「さっさと前に進もうじゃないか。リーダーはきみだ。指示をしてくれないと困る。特にエレナくんとか」
ドクターの言うとおり、生物学者は植物の観察に夢中だ。周囲に危険は感じられないが、しかしキャプテンは特に動物的な勘に優れているというわけではないし、歴戦の戦士というわけでもない。迷宮内に獰猛な生物が巣食っていると聞いた。用心するに越したことはない。
「では、行きましょう」
キャプテンは腰のホルスターに収めた拳銃、M36レディ・スミスに触れる。それは冷たい。
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