かくもあらねば/32/05
X-8: High School Horror!
Cecilia
Lv. 5
S/P/E/C/I/A/L=4/10/4/5/8/6/3
Trait: Logan's Loophole, Wild Wasteland
Tag: E. Weapons, Science, Survival
Skill:
[S] M.Weapon=16
[P] E.Weapon=50, Explosives=24, Lockpick=30
[E] Survival=30, Unarmed=12
[C] Barter=14, Speech=14
[I] Medicine=30, Repair=20, Science=57
[A] Guns=16, Sneak=16
Perk:
[I] Comprehension, Swift Learner
[Other] Brainless, Heartless, Spineless
Equipment: Sonic Emitter, X-2 Antenna, Patient Gown
次の目的地は、Big MT東部にあるX-8という場所である。そこでSonic Emitterをアップグレードする必要があるのだ。
しかしその前に、傷が癒えたCeciliaは、南東部にあるY-17 Medical Facilityに向かうことにした。医療の研究を行っていたらしい場所で、SinkのCentral Interigence Unitによれば、ここにAuto-Docの人格バックアップ用ホロテープがあるということだった。
(Auto-Docが動けば便利だもんね)
とそんな思惑からである。Central Interigence Unitに備蓄されていたDoctor's Bagはもう在庫がなく、次からは頼れない。Auto-Docの復旧が急務である。
そう思って道なりに南東方向に進んでいくと、Roboscorpionの小規模な群れと遭遇してしまった。
『ああ、そうだ、忘れていたが、Roboscorpionは危険なので見付からないようにしたまえ』
タイムリーに放送が入る。いまさら遅い、と愚痴を零す暇も無く、CeciliaはSonic Emitterを撃ちながら逃げようとした。あまりに急いで逃げたため、足元が不注意になり、岩肌から落ちてしまった。
「痛ったぁ………」
痛い、程度で済んだのは下が柔らかい湿地だったためだ。服は汚れてしまったものの、問題ない。Ceciliaは慌てて起き上がり、周囲を見回す。Roboscorpionの姿はない。向こうもCeciliaの姿を見失ったのかもしれない。
代わりに見つけたものがあった。
Discovered: Ulysses' Point
人が簡単に入れるほどの大きさのある洞窟である。
このまま出て行っても、またRoboscorpionに見付かってしまう可能性もある。一先ずやり過ごそうと中に入ってみる。中には薄ぼんやりと明るい、ひとつの部屋ほどの空間があった。
「茸かな………?」
どうやら光っているのは、洞窟内に生息する発光性の茸らしい。自生しているのではなく、プランターらしきものから生えているのだから、どうやらこの場所を利用して、灯り代わりに使っていた人間がいるらしい。息を殺して、誰かいないかと気配を伺うが、どうやら誰もいないらしい。
ベッドロールといい、焚き火の跡といい、いやに生活臭がある場所である。といっても、堆積している埃の量を考えれば、少なくとも数ヶ月は人が出入りしていないだろう。中を探索し、Ceciliaは銃弾や食料を見つけた。
(わたしのほかにも、理性のあるRobotomiteの人がいたのかな………?)
さらにCeciliaは、ホロテープも見つけることができた。Think Tankの科学者から渡されたPip-Boyで再生してみる。中に記録されていたのは、男女のやり取りだった。
『あんたと哲学の問答をしている暇はないんだ。技術が悪人の手に渡ることほど危険なことはない。Mojaveがその証左だろう。このクレーターを目の前にすれば、誰もそのことは否定できない』
『Elijahは……、やつは狂っている』
「あれ………?」
Ceciliaはふたりのうちの女性の声に、聞き覚えがあることに気付いた。
(でも、誰だっけ………?)
うんうんと唸ってみるが、思いつかない。
このまま唸っていても何も解決しそうになかったので、Ceciliaは装備を整えてから洞窟を出た。Roboscorpionの気配はない。また進み始める。
しばらくしてから、巨大な倉庫のような直方体の建物に遭遇した。ここがY-17かと思ったが、掲げられていた看板には『Higgs Village』とあった。
Discovered: Higgs Village
「わぁ………」
中に入ってみたCeciliaは、思わず感嘆の声をあげてしまった。そこは緑に包まれた穏やかな空間だった。
(こんなに綺麗なところを見るの、久し振り)
些か人工的な冷たさがあるのは隠せないが、それでも緑の芝や花壇の花、整った家屋は、いまの世界ではなかなか見られないものだ。
どうやらここは、Big MTの科学者たちの家らしい。家は6つあるので、Think Tankの5人の科学者と、それにDr. Mobiusの家だろう。
何か役立つものがあるかもしれないと思い、家々を回ってみると、複数のAudio SampleやRecipiが手に入った。何に使うのかはよく判らないが、取っておくが吉というものだろう。SinkのJukeboxの人格モジュールも見つかった。
Added: Sink Project: JukeBox
「ここは、あのDalaっていう人の家かな……?」
ある家の中で、クローゼットに女物の服があるのを見て、Ceciliaは検討をつける。5人の科学者のうち、Dr. 8は言葉らしい言葉を発さないので検討がつかないが、いちおう女性であろうことが声から判明しているのは、Dr. Dalaだけだ。
部屋を出たCeciliaは息が止まりそうになった。
通路の左右には割れた鏡が並んでおり、その前には大量のTeddy Bearが鎮座していた。
動悸を整えながら、Ceciliaは己に言い聞かせる。
「ベッドに縫いぐるみを入れるようなものだよね」
見た目は可愛らしいTeddy Bearだ。家の中が暗いから不気味に見えるが、錯覚だ。
ほかの家へ行ってみる。鍵を鳥かごの中で見つける。どうやらこの家は、生物学を研究しているDr. Borousのものであると気付く。
鍵で地下への扉を開いてみると、そこは檻や手術台のある、血みどろのの場所だった。
(ここの人たち、やっぱりおかしいよ………)
Ceciliaは気持ちを落ち着けるため、家の外に出た。噴水の傍のベンチに座り、呼吸を整える。
確かにThink Tankの科学者たちは異常かもしれない。ややもすると、狂っているといわれたDr. Mobiusよりも。だがいまのところ、彼ら以外にCeciliaが縋る相手がいないのだ。RobotomiteやRoboscorpionの群れの中に放り出されたくは無い。
「あ………」
Ceciliaは家々の間に犬小屋があることに気付いた。だいぶん気持ちが落ち着いてきたこともあり、近づいてみる。
「え?」
Ceciliaは目の前の情景に目が釘付けになった。ありえない光景である。
犬小屋から現れたのは、小さなDeathcrowだった。
おかしい。異常だ。こんなに小さいDeathcrowがいるはずがない。このサイズの人間がいないように。
Perk: Wild Wasteland
遠くから小さく見えるのか。否、近づいてもなお、そのDeathcrowはCeciliaの膝元までしかないほどの小さな身体だった。振るってきたその腕は、やはり小さく、しかし鋭い爪が生えていた。
Ceciliaは間一髪で、その爪を避けた。幻覚ではない。足に血が一筋流れる。危険だ。
Sonic Emitterで撃っても、Deathcrowはけろりとしている。当たり前だ。小さくてもDeathcrowはDeathcrowだ。ふつうの武器では殺せない。
Ceciliaは逃げた。やはりこの場所は、異常だ。おかしいのだ。
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