第二行
Thinned Blood
消えない絆

Name: Azalea
Clan: Toremere
Sex: Femele
Disciplines: Auspex (1), Dominate (1). Thaumaturgy (2)
Feats:
-Combat: Unarmed (1), Melee (1), Ranged (2), Defense (1)
-Covert: Lockpicking (2), Sneaking (3), Hacking (1), Inspection (3), Research (3)
-Mental: Haggle (2), Intimidate (2), Persuasion (2), Seduction (4)
-Soak: Bashing (1), Lethal (0), Aggravated (0)
Equipment: Tire Iron, Light clothing
Humanity: 9
Masquerade: 5

 Azaleaは浜辺に戻ってきた。
 その理由のひとつは、Mercurioから聞いた話で火照った頭を冷やしたかったからだ。


 Astrollite取り戻してきたAzaleaは、Mericurioにその報告を行い、彼の財布を返してやった。

Lost: $250

「それで、このAstroliteというのはなんなの?」
TNTの2倍の爆発力があるっていう液体火薬だ」と切れた唇を痛みに顰めながら、Mercurioは答える。「あんたにはちょっとぶっ壊してもらいたいところがあってな……。Sabbatのねぐらなんだが、幾ら吸血鬼でも建物ひとつぶっ飛ばすことはできないからな……」
「待って」
「なんだ」
わたしに何をしろって? それに、Sabbatって………」
「Sabbatを知らんのか? 糞っ垂れどもだよ。簡単にいえば、あれだ、B級映画に出てくる化けもんどもだと思えばいい」

Tutorial: CamarillaとSabbat
 CamarillaとSabbatは吸血鬼が属する二大派閥である。
 CamarillaはPrince率いる派閥であり、Masqueradeの法を敷き、脅威である人間社会から吸血鬼を隠そうとしている。
 一方Sabbatは人間を血液を供給するだけの家畜としてしか捉えておらず、Camarillaとは敵対している。

「それをどうしろって?」
「だから、どうにかするんだ」
「頼む相手が間違ってる」
「間違っちゃいねぇ。あんたは本物の吸血鬼だろう。Princeが見込んだんだ。間違いはねぇ。Astroliteも取り返してくれただろう? それに、あんたはPrinceと契約したんだ。本当なら、あんたは死んでいてもおかしくなかったんだ」
 それは、その通りだ。Azaleaを吸血鬼の身に貶めた男は殺された。AzaleaはPrinceによって生かされた。その理由が、単なる慈悲によるものなのか、それとも何か意図があるのかは判らないが、逆らうことはできない。

「話に戻るが……、あんたにはSabbatのねぐらをAstroliteで破壊してもらいたい。そのSabbatの住処を知っているのは、Tungって男だけだ。Bertram Tungだ。おれは会ったことはないが……、あんたと同じ吸血鬼だ。本物の、な」とMercurioはちらりとAzaleaに視線を送る。
「あなたは? あなたは本当の吸血鬼じゃないわけ?」
「おれはひと月に一度、血を貰っているだけのGhoulだ。怪我の治りは早くなったし、歳も取らない。あんたには信じられないだろうが、おれは60歳近い。だが、まぁそれだけだ」

 Azaleaは驚いた。それだけだ、とは言うが、Mercurioは明らかに二十代か、いいとこ三十代で、60歳近いだなんて信じられない。
「おれのことはいい。それで、Tungのことだ。Tungはいま、姿を隠してるTherese Voemanって女がいるんだが……、この女といざこざがあるらしい。細かい理由は知らないがな」
「つまり、Tungの居場所を知るために、そのThereseって人に話を訊けってこと?」
「知ってたら、ThereseはTungを殺してるだろうがな。まぁ、手掛かりくらいは聞けるかもしれない。Thereseと妹のJeanetteAsylumっていうバーを運営している。そこに行けば、ThereseかJeanetteのどっちかとは会えるだろう。あとは頼んだ」

 そう言って、Mercurioは目を閉じた。鎮痛剤が効いて、眠ってしまったらしい。
 その後、Azaleaは溜め息を吐いて、浜辺にやって来たのだ。Mercurioから依頼は受けたものの、今日明日というほどに急ぎの用事ではないようだし、もう少し細かい話を聞いておきたかった。だからその前に、自分の用事を果たしたかったのだ。

「Azalea。もうあんたのほうの用事はいいのか?」
 と声をかけてきた男がある。筋骨隆々たる肉体を惜しげもなく曝しているこの男の名は、E.という。
「うん。それで、Lilyのこと、もう少し詳しく聞かせてくれる?」
「ああ……、ありがとう。あんたの手が借りられて、助かる」


 E.はAzaleaがAstroliteを取り戻そうとしていたときに、Mercurioを襲った男たちの居場所を教えてくれたのだ。彼はAzaleaが吸血鬼であることを一瞬で見抜いていた。
「ここにいる連中は、みんな病気持ちみたいなもんだからな。Thin Bloodさ。成り損ないさ」
 とE.はそんなふうに言っていた。Thin Bloodとは、ようはGhoulのようなものだろう。いや、MercurioのようなGhoulとは違って、ほんの少し血力を感じるのだから、血を摂取しただけのGhoulよりは、もう少し吸血鬼よりなのかもしれない。

 彼は、Lilyという女性を探していると言い、Azaleaの手助けをする代わりに、自分を手伝って欲しいと言ってきた。
 人の問題までかまけている暇はない。そう言って断ろうとしたAzaleaだったが、彼がLilyという女性を探す理由を知って、心を変えた。
「おれは6ヶ月前にダイナーでLilyに会ってから、Thin Bloodになったんだ」

 Lilyという女性によって、E.はThin Bloodになった。人間とは異なるものに。
 ならばLilyに抱く感情は憎悪か。
 いや、Lilyのことを話すときのE.に、憎しみの色はない。
「ただ、会いたい」
 その想いが、Azaleaには理解できた。だから手伝いたくなった。
 これが浜辺に戻って来た、もうひとつの理由だ。

「おれがLilyに会ったのは、さっきも言ったように、半年前だよ。おれはオーストラリアからサーフボードの大会のために来たんだけど……、大会の練習中にSurfsideダイナーで会った」
 とE.はLilyについて説明を始めた。


「友だちになって……、そのあとこの浜辺でデートしているときに彼女は色々なことを語ってくれた。当時のおれには理解できなかったけど……。理解できたのは、おれがこうなってからだ」
 実際にE.がThin Bloodになった直接の原因について、彼は語らなかったが、Azaleaが吸血鬼になったときの状況を思い出せば、だいたい想像がつく。Azaleaの場合は無理矢理に、であったが、E.とLilyの場合は違うのだろう。もっとも、E.はその結果については理解していなかったようだが。

「そのあとは会えなくなった。どこへ行ったかはわからない」
「手掛かりはそれだけってこと? 写真とか、ないの?」
「ない。でも、明るい色の髪の美人だから、見ればすぐに判ると思う」
「わたしより?」
「は?」
 E.は、何を言っているか解らない、とでも言いたげに首を傾げた。だいたいLilyがどういう人間なのか解ったAzaleaだった。

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