あ かいつぶりだ
と思ったら
わたしの彼が水をはねる
櫂の音だった
(愛の歌  『おれは歌だ おれはここを歩く』金関寿夫訳/福音館書店 より)


  • Rita
    • Lv. 14
    • S/P/E/C/I/A/L=5/9/4/6/4/10/3
    • Tag: Lockpick, Repair, S.Guns
    • Skill:
      • [S] M.Weapon=14
      • [P] E.Weapon=29, Explosives=30, Lockpick=100
      • [E] B.Guns=46,Unarmed=14
      • [C] Barter=30, Speech=45
      • [I] Medicine=40, Repair=60, Science=14
      • [A] S.Guns=90, Sneak=60
    • Perk:
      • [P] Infiltrator, Sniper, Light Step
      • [C] Child at Heart
      • [I] Ammunition Engineer, Daddy's Girl
      • [A] Thief, Gun Nut, Silent Running
      • [Others] Black Widow, Gunslinger, Intense Training (STR), Fineness
    • Equipment: -



 突如として現れた紅白のバイクに、Ritaは何の疑いも持たずに跨った。
 なぜなら、Lynnが言っていたから。BOSが彼用に新たに作ったバイクがある、と。遠隔操作で呼び出せる、と。急に現れても驚くな、と。


 そしてRitaは現実の世界へと戻ってきた。
 目の前にはまたしても、Point Lookoutの世界で見たバイクがあった。夢の世界で見たものと同じものだ。Ritaは苦労して、バイクに跨った。
 この身体ではアクセルを捻ることさえも苦労しそうだ、と思ったが、その心配は杞憂だった。Ritaが乗ると、バイクは自動的に走り出した。だからRitaがするべきことは、バイクから放り出されないように必死でしがみ付くことだけだった。


 Enclaveの要塞の中は、酷い混乱に見舞われていた。
 どうやらこの自走するバイクが、Ritaのところまで辿りつくまでの間、いろいろと掻き乱したらしい。通路には轢き殺したらしい、Power Armorの着た死体さえ転がっている。
 Ritaに銃を向けてくるEnclaveもいたが、バイクは狭い通路の中、紙一重でレーザーを躱し、逆に前輪で殴り殺した。
 遠隔操作でここまでできるとは思えないので、このバイクは一種の意志があるのだろう。さすがに喋りはしないだろうが。


 逃走はこのままバイクに任せても良さそうだ。
 というより、いまのRitaでは戦うどころか、逃げることすら不可能なのだ。任せるほかない。
 バイクの進路が気になったが、おそらく向かっているのはLynnがいるところだ。
(あいつは、「近くに呼び出せる」って言ってた……)
 ならば、LynnもこのEnclaveの要塞の中にいるはずだ。そして何より安全なのは、Lynnの近くなのだ。

 だがRitaは、バイクの行動に少々不安を感じないでもなかった。というのも、螺旋階段を登りはじめたからである。
(無茶苦茶するなぁ………)
 どこどこと揺れる座席の上、必死でハンドルにしがみつき、振り落とされないようにする。階段の上でも殆ど速度が落ちないのだから、つらい。
「なんだ、こりゃ………」
 そんな中でも、Ritaは疑問の声をあげてしまった。というのも、螺旋階段を基礎として、縦横にケーブルが走っていたからだ。まるでこの螺旋階段の中に巨大なコンピュータが入っているかのようだ。こんなに大きなコンピュータ、いったい何に使うのだろう。


 螺旋階段が終わり、平たい通路が伸びるようになって、Ritaはほっと安堵の息を吐いた。途中に見た地図が正しければ、もうすぐ出口のはずだ。Lynnはこの外にいるのだろうか。
 そう思ったのも束の間、急にバイクが減速した。
 何があったのか。近くにあるのは巨大なモニタと備えられているような花があるばかりで、特段不思議なものもない。なのに、なぜ。
『そんなもので脱出しようとしていたとは、実に面白い』
 背後のモニタに光が点る。スピーカーから声が発せられる。男の声が。
『わたしはEden大統領。顔を合わせるのは初めてだな、アメリカの原住民の子孫、Ritaよ』

(Eden大統領………!)
 聞き覚えがある名だ。Autmun大佐の拷問の際に、いろいろと口を出してきた人物である。その肩書き通り、Enclaveの長ともいってよい立場の人物のようだ。
「何が、顔を合わせる、だ。こんな、モニタ越しで……」
『勘違いしているのだろうが、わたしはきみの前に居る』
「なに?」
『きみの驚きももっともだ。この部屋に入る許可を与えているのは、ほかにはAutmun大佐しかいない。Enclaveの兵士たちでさえ、この事実を知れば驚くに違いない』


 しばらくの間、Ritaが血の巡っていない頭で考えたところでは、Eden大統領とはコンピュータ上で構築されたAIなのだという結論に至った。
(まさか………)
 馬鹿馬鹿しい話だ。あれだけ巨大なEnclaveという組織の長が、人工知能だなんて。

 Ritaは深く考えかけて、首を振った。Enclaveの長が人工知能だろうが人間だろうが、なんだって構わない。兎に角、脱出しなくては。
『わたしはきみに提案を持ちかけようと思うのだ。この国は、きみのような人間を欲している』
「国だ? どこに国がある。あるのは馬鹿げた軍隊だけだろう」
 Ritaは無視しきれずに、Eden大統領に反論した。
『確かにアメリカ合衆国という国は、少しだけ傷ついてしまった。それは認めよう。だが、傷はいつか癒えるものだ。そしてその傷を癒すのが、きみだ。インディアンの末裔、Ritaよ

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