• 目次
      • 《諸葛亮》
      • 《小野小町》
      • 《オーディン》
      • 《パンドラ》
      • 《レオナルド・ダ・ヴィンチ》
      • 《インドラ》
      • 《ウケモチ》
      • 《ヘラ》




11-006S《諸葛亮》
中国史(181-234)/小説(三国志演義)

 中国後漢時代末期、龐統とともに臥龍・鳳雛と並び称された才人であり、のちに蜀漢の軍師。
 毛宗崗による小説の三国志演義では、奸絶の《曹操》、義絶の《関羽》とともに智絶として三奇(三人の抜きんでた存在)として数えられる。陳寿の「三国志」では8尺(この時代では1尺23.75cmなので190cm)と高身長であったとされている。
 彼の妻は才媛ながら醜女であったため、彼の郷里では「孔明の真似はするな」という言われていたという。

 徐州琅邪にて育つ。「諸葛」という二字姓は中国では珍しいが、先祖はもともと「葛」という姓だったといわれている。12歳で父親が死亡したあとは、叔父の諸葛玄と義母・きょうだいとともに育つ。曹操の大虐殺を恐れた袁術の指示を受けた叔父とともに餘昌へ向かうが、袁術があてにできなくなったとは劉表のいる襄陽へ向かう。襄陽にて叔父が死亡したのち、半農半読書の生活で十年暮らす。この際に徐庶や石韜、孟建といった人物らと交わりを持つ。

 その後、三顧の礼を通して当時劉表の客将として籍を置いていた劉備と出会い、天下三分の計とともに劉備陣営に迎え入れられる。当時、将軍ではなく社会分析や行動方針を助言する策士の必要性を感じていた劉備にとって、彼以上の適任はいなかった。

 当時《諸葛亮》27歳、劉備47歳と歳が離れてはいたが、「水魚の交わり」として知られるほどに意気投合したと伝えられる。

このユニットが戦場に配置されたとき、あなたのデッキの下のカードを1枚ゲームから除外する。そのカードがユニットカードならば、そのユニットカードを戦場に配置する。
(1)(白)(白)、このカードを手札から公開する:このカードを戦場に配置する。このアビリティは対戦相手の戦場に攻撃ユニットがいる場合かつこのカードが手札にある場合にのみ使用できる。
 現在では軍師というと合戦で采配を振るう存在として描かれることが多いが、合戦ではこれといった戦功は挙げていない。彼はむしろ政治家であり、行政家であった。
 にも関わらず、晩年まで《諸葛亮》は戦場に立った。最後は過労がたたり、魏国の司馬懿との戦闘中に死亡。234年8月、五丈原にて没。享年54歳。

 だがこのとき、《諸葛亮》はただでは終わらなかった。蜀漢は退却の際、あらかじめ《諸葛亮》に似せて作っておいた木像に攻撃の構えを示し、司馬懿を威嚇した。死んだと思われた《諸葛亮》が生きていたことに脅威を感じ、司馬懿はついぞ追撃の手を打てなかった。

 本来相手の手の内というのは見えぬものである。見えぬものであるがゆえ、警戒する。ありもしないものを恐れる。曰く、死せる孔明、生ける仲達を走らす。

 諸葛亮伝によれば《諸葛亮》が死亡した際、赤く尖った星が諸葛亮の陣営に三度落ちたという。





11-033R《小野小町》
日本史(?~?)

 生不明。没不明。小野氏出身の女房(女官)であるという説もあるが経歴・生い立ちともに不明。不明だらけの経歴ながら、その歌と名と美貌は現在まで伝えられている。平安前期の『古今和歌集』で紀貫之が挙げた六歌仙のひとりであり、9世紀半ばの平安時代初期に活躍。

 和歌は五七五五七音の定型の短詩であり、それまでは長歌などさまざまな形態があったが、平安時代からは和歌が主流となった。ここでいう「和」とはもちろん日本(やまと)のことであるが、漢詩ではないという意味合いである。

 百人一首は百人の歌人の歌をひとつずつ選び出して編纂したものであり、その元祖が藤原定家によって平安末期から鎌倉初期にかけての歌が纏められた小倉百人一首である。

 小倉百人一首での歌番号は9。 

花の色は うつりにけりな いたづらに(桜の色はすっかりあせてしまったなぁ)
    わが身世にふる ながめせし間に(わたしの美貌も、春の長雨を眺めている間に)


ワイプ:あなたのSSを1個選ぶ。それを回復する。
 四句「わが身世にふる」と終句「眺めせし間に」はそれぞれ掛詞である。
 掛詞とは同音異義語を利用して一種類の音でふたつ以上の意味を持たせる手法で、簡単にいえば駄洒落である。ここでは「ふる」が「(世に)経る」と「(長雨が)降る」で掛け、「ながめ」は「眺め」と「長雨」を掛けることで、五七五七七という限られた音を最大限に利用している。


(1)(橙)、ワイプ:ユニットを1体選ぶ。ターンの終わりまでそれを+500/+1する。
CB:このユニットカードを戦場に配置する。
 《小野小町》は歌人であるというだけではなく、絶世の美女でもあった。
 日本神話に登場する美女、衣通姫に例えられるほどの絶世の美女であり、現在でも「小町」という言葉は美人の代名詞として使われている。そして美女というものはそこに存在しているだけで賑わい、力を振るわせるものである。





11-063S《オーディン》
北欧神話

 ロキは叫びました。「たくさんだ。オーディン! おまえは一度も公平であったことはないんだ。おまえはよく弱い男のほうに、戦いの勝利を与えたっけな」
 オーディンは答えました。「わしは弱い男のほうに勝利を与えたかもしれんが、おまえは地下で丸八年間、乳しぼり女の姿をして住んでいたな。そう、そして赤ん坊を産んで、その赤ん坊に乳をしぼられたのだったな――どこからどこまでも女だった」
 ロキは答えました。「かつてサームス島で、おまえは魔女のようにまじないと呪文をかけたと、みながうわさしてるぞ。おまえが人々の間を魔女の姿で歩きまわったとな――どこからどこまでも女だった」
キーヴィン クロスリイ・ホランド (著)『北欧神話物語』青土社, 1983.「三十 ロキの口論」, p254より

 〈万物の神〉、〈恐るべき者〉、〈独眼〉、〈戦いの父〉などさまざまな異名を持つアースガルドに住むアース神(戦いの神)の第一神。
 天地創造の頃、原初の氷と炎から生み出された霜の巨人ユミルの孫のひとりであり、きょうだいのヴィリやヴェーとともに祖父殺しを達成し、その死体から九世界を作り上げた創造神でもある。

このユニットカードを戦場に配置する。ターンの終了時に、このユニットをCAヤードに置く。
《オーディン》は詩と死を司る神であると同時に、知恵の神でもある。
 彼はかつて知恵の源であるミーミルの泉の水を飲むため、片目を捧げて九夜の間、泉に根を張る世界樹ユグドラシルの枝にぶら下がり、死者の知恵を学ぶために己の脇腹を槍で貫くなど、知恵を手に入れるためならば手段を問わない。

 フギン(「思想」を意味する)とムニン(「記憶」)という二羽の大鴉を肩に留まらせていて、その報告を聞くとともに、己の館にある椅子フリスキャルヴに座ることで、九つの世界で起きるあらゆる出来事を知ることができるのである。

 そうしてひとたび戦いがあるのを知れば、彼はそこへ槍を手に、騎馬を足にし戦いに身を投じるのだ。


このユニットが戦場に配置されたとき、対戦相手のユニットを1体選ぶ。それに2500ダメージを与える。
《オーディン》を象徴する恰好や道具はいくつかある。まず彼は異名通りに隻眼であり、それを隠すために鍔の広い帽子を被っている。常に青い外套を身に纏っている。だが最も特徴的なのは、彼の持つ魔槍グングニルである。

 グングニルは黒妖精の国スヴァルトアールヴヘイムの小人の作品であり、《ミョルニル》と同時期に作られた品である。ただし《ミョルニル》がブロックとエイトリという小人たちの作品である一方、グングニルはイーヴァルディの息子たちと呼ばれる小人たちの作品である。

《ロキ》は彼らを競い合わせ、少ない対価でより良い作品を得ようとした。ブロックとエイトリが作り出した最高傑作が、どんなに遠くまで投げても手元まで戻ってきて、サイズが可変であり、何にも壊されることがない槌、《ミョルニル》であり、イリーヴァルディの息子たちによる作品のひとつがけして標的を外さない投げ槍、グングニルであった。《ミョルニル》は雷神《トール》のものとなり、グングニルは死の神《オーディン》のものとなった。《オーディン》がグングニルを掲げるとき、その恐ろしさに誰もその隻眼を見ることはできなかったという。


『 速攻 』
 また、彼を象徴する乗り物にスレイプニルがある。
 これは灰色毛の八本脚の馬であり、巨人族の連れていた雄馬スヴァディルファリと雌馬に変身した《ロキ》との間で生まれるという変わった出自である。

《ロキ》はこの馬に関して、あらゆる世界の馬より速く、海を渡り、虚空でも駆け抜けていけると述べている。最強の巨人族フルングニルの自称「最も速い馬」である〈金の鬣〉と競争させた際、実際に《オーディン》を乗せたスレイプニルは巨人族に追い付かれることはなかった。 





11-098R《パンドラ》
ギリシャ神話

 土塊の人形。
 神々の陰謀により、へパイトスによって形作られ、ゼウスによって生命が吹き込まれ、《アテナ》によって知恵と糸紡ぎの技術を、《アプロディテ》から美貌を、《アポロン》から歌声と癒しの力を、デメテルから情熱を、《アルテミス》から月の秘密を、ポセイドンから変身の力を与えられた。すべての神々から贈り物を貰ったこの土塊は、「すべてを与えられた」という意味の名、《パンドラ》と名付けられる。

 ヘルメスは彼女に金属の箱を与え、箱の中にはけっして見てはならない不思議なものが入っているから開けてはならないと告げ、そののちに彼女に好奇心を与えた。これらの出来事はすべてはゼウスの計略であった。

対戦相手のメインフェイズ1の開始時に、対戦相手の手札が2枚以下ならば、対戦相手に2ダメージを与える。
《パンドラ》が作り出される以前のこと、天空神ゼウスは憤っていた。愚かで矮小な生命であった人間に対し、巨神プロメテウスが慈悲の心から勝手に火とその扱いを教えてしまったからである。結果として人間は文明と鉄と力を得た。

 ゼウスはプロメテウスを磔刑にするだけでは飽き足らず、《パンドラ》を作り出してプロメテウスの弟である巨神エピメテウスと結婚させた。当初、その結婚生活は幸せなものであったが、《パンドラ》は与えられた好奇心ゆえ、開けてはならぬといわれた箱のことで頭がいっぱいになってしまう。

 ついに誘惑に負けて開けた箱の中から飛び出してきたのは、まずは毛むくじゃらの牙のある生き者の群れであった。次に病が。その次に貧困が。犯罪が。ありとあらゆる災いが箱の中からは飛び出してきた。こうして人々はあらゆる害悪に苦しむことになった。

 《パンドラ》は慌てて蓋を閉じて、最後のひとつだけを閉じ込めることに成功した。

 あなたのメインフェイズ1の開始時に、対戦相手の手札が0枚ならば、このユニットを犠牲にする。そうしたならば、対戦相手に5ダメージを与える。
 寓話では、このとき《パンドラ》が閉じ込めることに成功したのは「希望」であったと語られることがある。すべての害悪が飛び出していったが、最後には希望は残っていたのだ、と。

 だがこれを「前兆」とする説もある。
 もし《パンドラ》が箱を閉じることができず、「前兆」が世界に飛び出していたら、あらゆる人間は己の生涯でどんな不幸が起こるかをあらかじめ予知することができるようになり、希望を抱くことが不可能になっていた

 誰しも希望がなければ生きてはいけない。起きることを全て知ることができる予兆は、いわば『ヤドクガエル』の毒だ。たしかフキ矢に使われ、ひとかすりしただけで致命傷になるその猛毒は皮膚のすぐ下にある……。 体内に入ったら……、何秒もかからず、心臓や呼吸器系の神経組織を破壊し 停止させる……。それが今……、体液とともに飛び散っている。誰も彼も、これから起きるすべての物事を知りながら生きる覚悟など持てはしないのだ。





11-129S《レオナルド・ダ・ヴィンチ》
西洋史/芸術史/科学史(1452~1519)

 画家。彫刻家。建築家。発明家。技術者。『岩窟の聖母』や『モナ・リザ』、『最後の晩餐』などで知られる芸術家であるが、飛行機械や人体解剖図などさまざまなものに手を出した万能の天才。

 気まぐれ、落ち着きがない。音楽を好むが算術が嫌い。文学的な素養が欠如している、と自称していた。幼い頃から左手で物を書く習慣があり、鏡に映ったような鏡面文字を右から左へ当たり前のように書くことができたことも知られている。
 
 1452年4月15日土曜午前3時、イタリア中部のヴィンチ村という小さな田舎村で父、セル・ピエーロと母、カテリーナの息子として産まれる。しかし母カテリーナはセル・ピエーロと結婚することなく家を出て行く。《レオナルド・ダ・ヴィンチ》は私生児であった。古文書中で《レオナルド・ダ・ヴィンチ》のフルネームは「レオナルド・ディ・セル・ピエーロ・ダ・ヴィンチ(セル・ピエーロの息子のレオナルド)」としている。村名でもあるヴィンチという語はvinchi (イグサ)に由来し、そのためのちのレオナルドの紋様として採用され、『モナ・リザ』などの作品に描かれている。

このユニットが戦場に配置されたとき、ユニットを1体選ぶ。それを手札に戻してもよい。
 1469年、17歳の《レオナルド・ダ・ヴィンチ》は父セル・ピエーロの友人である芸術家、アンドレーア・デル・ヴェロッキオにデッサンを見せ、弟子入りする。
 ヴェロッキオは芸術家であるが建築家・工房の親方でもあり、しばしば弟子たちに受注品の製作を任せていた。

『受胎告知』はそんな受注された工房作品のひとつであり、《レオナルド・ダ・ヴィンチ》は天使と聖母マリアを担当したが、師であるヴェロッキオはその天使が自分のものより明らかに優れていたため、二度と絵筆を取らなかったという伝承が残されている。

 1476年、17歳の少年と男色行為に耽った容疑で告発されるが、罰せられることなく放免。実際に彼が男色家であったかどうかは不明だが、創作活動に生涯を捧げた
 1478年、フィレンツェ政庁から初の個人注文を受け、これをきっかけに独立して様々な作品を手がけることとなる。

あなたのすべてのユニットを+0/+1すると共に、それらは『 オーラ 』を持つ。
 1482年、ヴェネツィアと戦争中のミラノ公国に対し、《レオナルド・ダ・ヴィンチ》はひとつの手紙を書く。「無数の端の建築法や敵の要塞を破壊する方法、堅牢で破壊不可能な有蓋戦車、臼砲、投石機」の作成ができるとして、ミラノ公国の支配者ルドヴィーコ・イル・モーロに自信を芸術家のみならず発明家として売り込んだのだ。実際、彼は自然物理学とそれを利用した機械に強い興味を持ち、それは彼の芸術活動にも影響を与えていた。

 《レオナルド・ダ・ヴィンチ》は特に飛行機械に興味を持っており、1487年から1490年にかけて鳥の飛翔を模倣した飛行機のデッサンを描いている。ほかに、パラシュートやヘリコプター(大きな竹トンボに近い形状のもの)のデッサンを描いている。また他に装甲車、潜水艦、自動車、エレベーター、自転車、自動回転串焼き機などの発明のデッサンやクロッキーが残るが、ほとんどの作品は未完成であるか構想段階のままである。

 果たして時代が十分に経過していたらその作品は実際に飛行していただろうか?
 代表的な飛行機械である羽ばたき飛行機(オルニトッテーロ)は重量と着陸装置の観点から空中に舞い上がることは不可能であると結論付けられているが、グライダーに関しては後世の再現で、幾つかの点を改良することで飛行に成功している。

 1519年5月2日、穏やかに息を引き取る。享年、67歳。





PR-089《インドラ》
インド神話

〈神々の王〉と呼ばれるインド神話の神。紀元前1200年頃に成立したとされる天啓聖典『リグ・ヴェーダ』によると、《インドラ》は最初期の聖典『リグ・ヴェーダ』最大の神であり、全賛歌の1/4が《インドラ》に関するものである。仏教では東方を守護する帝釈天。

 インド神話において、もともと山は翼を持ち自由に飛び回っていたが、《インドラ》によって翼を切られたことで大地は安定し、翼は雲と化して空を漂うようになったと伝えられている。それゆえ山の周囲には雲が多い。

 時に千眼として描かれる。これは美女ティロッタマーから可能な限り目を離さないようにした結果である。ちなみに同席していた破壊神シヴァは同様の理由で四面となっている。


『 速攻 』
《インドラ》は雷霆神である。暴風神マルトを従え、アーリヤ人の敵を征服する典型的アーリヤ戦士であると言われている。

 ヴァシュラ(金剛杵)を携えており、これを投擲して敵を打ち滅ぼす。
 ヴァシュラは梵天ブラフマーに紹介された聖仙ダティーチャが自死して差し出した骨から工巧神トゥヴァシュトリが作り上げたものである。

 水を堰き止める悪竜ヴリトラを殺す武勲が繰り返し語られる。このため、ヴリトラハン(「ヴリトラを殺すもの」)とも呼ばれる。
 ヴリトラ退治は一度だけ起きたできごとではなく、周期的に繰り返されることである。インド神話では周期的に天地創造神話が繰り返されており、悪竜ヴリトラは形なきカオスの象徴である。《インドラ》はこの悪竜を殺すことで、混沌とした宇宙から天地開闢を行っている。

[T]このユニット以外のEPICかLEGACYの、ユニットかヒストリーが戦場に配置されたとき、以下の2つから1つを指定する。
・ターンの終わりまでこのユニットのパワーとATKをそれぞれ+1000、+1する。
・このユニットを手札に戻す。
《インドラ》は〈神々の王〉と称される強靭な戦士であるが、常に勝利し続けているわけではなく、時に敗北を喫する。

 工巧神トゥヴァシュトリが息子ヴィシュヴァルーパを作ったとき、脅威になると考えた彼を《インドラ》は殺害した。怒れる工巧神トゥヴァシュトリは悪竜ヴリトラを作り出し、《インドラ》の殺害を命じる。
 この悪竜ヴリトラに《インドラ》は太刀打ちできず、一度は食べられてしまう。彼はあくびをさせて開いた口からなんとか脱出、逃亡した。このため、インド神話ではあくびは《インドラ》によるものであるとされる。

 勝ち目がなくなった《インドラ》は「乾いたものでも湿ったものでも岩や木によっても兵器によってもヴァジュラによっても昼も夜も、インドラと神々はヴリトラを殺さない」という誓いを立てて悪竜ヴリトラと和平を結ぶ。しかし「昼でも夜でもない薄明時」に最高神ヴィシュヌの「乾いても湿ってもいない泡」によって悪竜ヴリトラ殺すことに成功する。

 時には逃れ、しかし新たな力を得て敵を打ち倒す《インドラ》であったが、卑劣な策を用いたことを恥じ、世界の果てまで行って意識を失い、水中に隠れてしまったという。

 インド神話ではデーヴァ(神々)とアスラ(悪魔)は対立しているが、もともとアスラはデーヴァと異なる性質を持つ特殊な神々であった。
 イランではゾロアスター教による宗教改革の結果として、アフラ(アスラに対応)が最高神アフラ・マズダーとなり、ダエーウァ(デーヴァに対応)が悪魔となる。そして代表的なデーヴァである《インドラ》は悪魔として名を連ねている。





PR-093《ウケモチ》
日本神話

 《ウケモチ》(保食神)は葦原中国に住む神である。

あなたの戦場に勢力白か勢力青の、【神話】のユニットがいるならば、このユニットを戦場に配置するコストの支払いは[3]減る。
《天照大神》の使いとして《ツクヨミ》が葦原に下りたときのことである。《ウケモチ》は《ツクヨミ》をもてなすためにご馳走を用意しようとした。

 だが彼女は国に向かって口から米を、海に向かって大小の魚を、山に向かって様々な動物を吐いた。その贖罪を用いて料理を作ろうとしたところ、汚らわしいと激怒した《ツクヨミ》によって切り伏せられてしまったという。


[T]このユニットが戦場から捨て札置き場に置かれたとき、カードを1枚引く。
 その後、《天照大神》が天熊人を地上に派遣してみると、《ウケモチ》の死体の頭からは牛と馬が、額の上には粟が、眉には蚕が、目には稗が、腹の中には稲が、陰部には麦と大豆と小豆が生まれていた。

 天熊人はこれらを持ち帰り、《天照大神》に献上した。《天照大神》はこれら五穀が地上の民が食べるのに良い食物になると考え、地上に種を撒いた。こうして地上で農業がおこなわれるようになったという。
 また《天照大神》はさらに蚕の繭を口に含んで糸を紡いだ。これが養蚕の始まりである。





PR-094《ヘラ》
ギリシャ神話

 時空神クロノスとレアの娘。ゼウスの姉であり妻であり、女神の最高神。

[A][0]:あなたのデッキの上からカードを1枚見る。
《ヘラ》は非常に嫉妬深いことで知られる。
 彼の夫であるゼウスが好色であり、彼女は常に夫の動向を監視しており、特に夫が孕ませた女のことは見逃したりはしない。

 ゼウスとその愛人の動きを監視することに比べれば、デッキの上を見ることくらい《ヘラ》には容易いことなのだ。


[T]このユニットが戦場に配置されたとき、以下の2つから1つを指定する。
・あなたの手札から勢力白か勢力青の、【神話】のユニットカードを1枚戦場に配置してもよい。
・あなたのCAヤードにある勢力白か勢力青の、【神話】のユニットカードを1枚選ぶ。それを戦場に配置する。
《ヘラ》の嫉妬のエピソードとして最も名立たるものは、アルクメネに関するものであろう。
 人間の中で最も美しいとされる絶世の美女、アルクメネがゼウスによって孕まされたことを知ったとき、《ヘラ》はすぐさまその嫉妬心を刃とした。アルクメネの出産を遅らせたばかりか、生まれたばかりの子に毒蛇を送り込んだのである。その赤子はあまりにも強靭であったため、毒蛇を簡単に絞殺したのだが。

《ヘラ》は追撃の手を休めなかった。彼女の憎しみはいつしかアルクメネではなく、その子へと向かっていた。悪王エウリュステウスに根回しをしてその男の子を奴隷にし、十二の試練に挑ませた。
 しかし彼はあらゆる試練を乗り越え、《ヘラ》の意図とは逆にその名声を世に響かせることになった。

《ヘラクレス》。その名は「ヘラの栄光」を意味する。彼女の嫉妬心が、新たな神話を紡ぎ出したのだ。

ちなみに《ヘラ》は確かに嫉妬深く、ゼウスの行いによって生じた傷口をさらに残酷に広げることも多いが、最終的にはゼウスを受け入れるだけの度量を持ち合わせている。そんな女神である。




■参考文献
あんの 秀子 (著)『百人一首の100人がわかる本』芸文社, 2009.
大西 雅子 (著)『日本神話の神々』東京図書出版会, 2007.
上村 勝彦 (著)『インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)』筑摩書房, 2003.
アレッサンドロ ヴェッツォシ  (著), 高階 秀爾 (監修, 監修), 後藤 淳一 (翻訳)『レオナルド・ダ・ヴィンチ―真理の扉を開く (「知の再発見」双書―絵で読む世界文化史)』創元社, 1998.
バーナード エヴスリン  (著)『ギリシア神話物語事典』原書房, 2005.
加来 耕三 (著)『諸葛孔明は二人いた 隠されていた三国志の真実 (講談社+α新書) 』講談社, 2009.
菅野 正則 (著)『三国志の虚実』, 新日本出版社, 2010.
坂口 和澄 (著)『三国志人物外伝 亡国は男の意地の見せ所 (平凡社新書)』平凡社, 2006.
新人物往来社 (編集)『日本のまつろわぬ神々』新人物往来社,  2010.
戸部 民夫 (著)『八百万の神々―日本の神霊たちのプロフィール (Truth In Fantasy)』新紀元社, 1997.
キーヴィン クロスリイ・ホランド (著)『北欧神話物語』青土社, 1983.

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