『霜夜ゆく』アプデ録と『雲歩き』制作録

 

 7月後半〜8月前半の進捗です。




 今回の画像はイラストではなく、ようやくまともに手をつけ始めた『雲歩き』の考え中のステージUIです。

 まだだいぶショボいぜ感漂う状態ですが、ようやく方向性がはっきりして作りやすくなってきた……といったところですがそのあたりは後半にまとめることにして、先に霜夜関連。



🟦霜夜ゆく、ほぼほぼひと段落

 霜夜ゆく、7月末にアップデートしたv3.17で発売時点で予定していた →システムまわりのアップデートを終了 させました。一ヶ月以上かかってしまった。

 実はまだバグが残っていることに気づいてv3.19に上げる予定です。これはシステム的には直せてはいるのだけれど、後述のスマホ対応で再確認しなければならなくなったので両日中くらいには終わらせたい。


 で問題となったのがスマホ版。

 本作、ご存知の通りもともとスマホ版販売していたものです。正確に言うと、

①SwiftUIで制作したiOS版

②Unityに移植したiOS/Android版

③UnityでPC対応となったSteam版

④UnityでPC対応版をiOS/Android用に作り直した今回のスマホ版

という流れがあり、基本的に②〜④は全部Unityで同一プロジェクトなのですが、PCとスマホだと(スマホは縦持ちでプレイしたい! という無駄なこだわりのせいで)画面比や処理の点でいろいろと対応せねばならない点が多々ありました。


 で、それら処理部分は実をいえばなんとかなって、じゃあ何が問題かというとゲームエンジン部分。

 →前回 もちょっと話をしましたが、『真ッ赤の太陽』Google Play版のほうで(というかすべてのアプリで)8月末までにAPIレベルを上げろとかなんとか通知が来ており、なんかよくわかってないけどなんか……こう、なんかこう、設定すれば良くって、で、なんかこう……へやっ! ってやっています。まぁ実はまだやってないんだけどよ!


 で、iOSのほうでも似たようなものがありまして、SDKというのをアプデの際には一定にしておく必要があります。SDKが何なのかは知りませんが、たぶんDKの部分はデカいだと思う。

 ここまでの説明でわかったかもしれませんが、基本的にこういうゲームエンジン的な部分はぜんぜんわかってないまま言われた通りに作業しています。


 最近(というか年始くらいだけど)、『ロボット少女は夢を見る』をプレイして面白かったので作者のcienとか見るとちゃんと →最適化の話 とかがあり、ちゃんとしている人はちゃんとしていますね。

 自分はそれを読んで「メモリリークってこういうことかぁ〜」となるレベルなのでわからないこといっぱいだぜランララン。助かる。


 世界観(というかシナリオ)10、ほか……0! というカスの櫛灘美雲みたいな人間なので、とにかくそんな状況で基本流しています。イラストは外注だし、最適化はよくわからないまま言われた通りのことをやってるぜ!


 で今回iOS版をアップデートしようと思ったら、SDKがアップデートできるレベルにないと言われました。

 SDKはXcodeというMacのアプリ制作アプリに紐づいており、SDKを上げるためにはXcodeのバージョンを上げなければいけない

 しかしXcodeのバージョンを上げるためにはOSのアップデートをしなければならない

 仕方がないのでMacのアップデートをするとUnityでビルドしたアプリが正しく実行できない


 このへんでギギィー! となり最終的にはUnityを2023.1から6へアップデートしました。

 すりゃ良いじゃんと思われるかもしれないけど、しないで済むならしたくないのでギリギリまで耐えているんだぜ毎回。


 兎にも角にも、これでなんとかビルドも通り、アプリもレビューへ投げられました。

 ひと安心……と言いたいけど実は先にレビュー通ったGoogle Play版で重大なバグがあったことがユーザーの報告であったのでさらにバージョン上げました。本当に重めのバグだったので報告いただいて助かった! とりあえずあとはiOS版のレビュー通ればスマホ版はOK。


 最初に述べましたがPC版もバグ修正をしたいのであと一回アップデートし、その後は保守かなという状態になりそうです。



🟪雲歩きの画面作り

 新作の話題です。


 次回作『雲歩き』はキャロムなんとかなんとかアクションだかパズルだかテーブルゲームだかなんかそんなかんじのジャンルを予定しています。キャロムというのはポケット(穴)のないビリヤードのことで、本作のルールの基本的な土台となっています。


 →一度ビリヤード作ったりしていましたが、あのままだと発展性がないので真面目にUI作り始めました。それが今回のトップの画像。

 具体的にどういう方向性のUIなのか……を示す前に、インディーゲームなんたら論的な話。


 Twitterでよく流れてくるインディーゲームなんたら論みたいなの、かーっ、PEッ! って言いながら後ろ足で砂かけるタイプの人間(唾もかける)なのですが、珍しくその手のことを言うと、グラフィック系でないインディーゲームが完成するかどうかは減算して画面作りができるかどうかにかかっていると思う。


 グラフィック系というのはざっくり適当に分類したときにグラフィックにちゃんと拘っている系の作風で、べつに「絵が良い・絵作りが良い」というわけではないです。また、グラ重視だから面白い・面白くない系統の話でもないです。べつにグラ重視だろうがそうでなかろうが、面白いものは面白いしつまらんもんはつまらんので。

 グラフィック系ならグラフィックが系統はちゃんとしているので、何か必要な絵があったときにそれを作り出せる。たとえば背景、小物、UI、等々。


 しかしわれわれのようなグラフィックはお任せ系だとそうもいかない。美術を仕上げる能力がない。イラストとかも丸投げだし、できるだけ画像を使わないで済ませようとする傾向がある。

 上で書いたカスの櫛灘美雲の話が効いてくるのですが、じゃあそんな中でどうするか、というと、うまい具合に「画面」を作り上げるかにかかってくるわけです。


 いちおう先に書いておくと、「こうすれば良い画面ができる」とかそういう類の話ではない「良い画面ができた」という報告でもなくて、「グラフィック系ではないわれわれはいい具合に一定の描画を排した画面作りが必要であるため、今回はこういう画面を考えました」という話です。

 わかりやすい例が霜夜で、背景はなんか謎の六角形、キャラは少数、エフェクトはタップエフェクトくらい、といろいろ減らしているのだけれど、いちばん大きいのは「背景を入れない」ということ。背景導入のコストを削減している。これは惑星上でも同じで、書割で表現することでコストを減らしつつ一貫性を出している。


 突き詰めれば、簡略化しながらも貧乏くさくならない

『戦闘妖精・雪風』などで知られる神林長平のエッセイにあった言葉で「貧乏なのは仕方がないが、貧乏くさいのはいやだ」というのがあって、まさしくこれである。

 山がも太陽も、基本的にこういう方針で作っている。


 で今回の結果が本記事の最初の図なのですが、偉そうなこと言っておいて、現段階ではまだまだショボいんだけどよ!

 とりあえず概念的には作れているので説明をしてしまうと、方向性としては一言で言うと「四方舞台」です。



 傾けて見るとこんなかんじ。


 上でも書きましたが『雲歩き』はおおむねキャロムビリヤードをベースにしたゲームです。

 中央に大黒柱があり、四方向に舞台が突き出ている。この舞台がビリヤード台。

 四舞台間は正方形の小舞台で接続されており、これは台を延長したいときの補助スペースにもなります。


 特徴的なのはステージ遷移時で、キャラではなく舞台(というか中央の大黒柱)がぐるっと回転して次のステージへと移動する点。これは手前に観客席があり、客は移動せずに場面転換するようなイメージで作っています。


 でこの舞台をイメージした画面作り、何が良いかというと、そもそも大前提として舞台という構造が前後移動ではなく左右移動がメインなので、2D的な画面構成に近いというのも良いのだが、何より素晴らしいのは「地面と背景の描写を単純化できる」ということ。



 まず床が木目で良いとうのはデカい。必要に応じて多少描写を加えても良い(たとえば砂浜なら砂っぽくするとか)けど、基本はこの形式で良い。

 背景は図のようなパターン的なのが使えるうえに、普通に背景を持ってきても良い。普通の背景なら不整合になるが、舞台であれば「そういう背景」で押せる。


 あとは書割が使えるのも良い。

 霜夜の惑星モードから使っていてご存じかもしれませんが、書割の表現は好きなんですよね。起き上がったり倒れたりするのとかも、仕掛け絵本みたいで楽しい。


 ギミックが作りやすいのも良い。

 たとえば坂を作りたければその場でウィーン(オランダ(オーストリアです))と床が傾く、なんていう動きができるし、奈落が開いてパッと落ちたり、逆に下から競り上がったりということができる。ゴンドラとかも作れる

 そういったアクションは別に舞台でなくてもできるけれど、一連の流れとして綺麗にできるというのが良い。


 こんなかんじで背景の処理や小物、床画像などなどを上手い具合に引いて形にできるのではないかなと思っています。しばらくはこれをこねくり回したい。

 上手い具合にフォグ炊ければドライアイスみたいなかんじで良いかもなと思ったりもしています。


 そもそも舞台って(合唱コンクールとか研究集会みたいな用途ではなく、ちゃんと劇をするものとして)見たことがないので一回くらいどういうかんじなのかは確認したいなぁとも思ったりする所存。



⬛️カービィボウルをプレイしました

 なんや急にと思われるかもしれませんが、おそらく現行の比較的大型のゲームで『雲歩き』のジャンルとして近いのはこれだと思うので。


実は子どもの頃やったことがある。内容はほとんど覚えてなかったけど。



 感じたのは、

  • ステージごとの差を感じるのはフィールドの形状や敵配置である
  • ショットを打つことの基本的な楽しさ
  • 最大パワーで打つのが難しく、軌道自体は比較的読みやすい
  • シビアで補助はないに等しい(ただしSwitchだと巻き戻しできる)

あたり。


・ステージごとの差を感じるのはフィールドの形状や敵配置である

 これはおそらくかなり『雲歩き』と違いが大きくなりそうな点。

 カービィボウルはマップが広く、敵の配置や傾斜、オブジェクトや壁といった要素で64マップのバリエーションをつけている。これはカービィボウルの基本がゴルフだからなのだと思う。ゴルフはコースが広いし、変化が大きい。


 一方で『雲歩き』はビリヤードというかキャロムなので台は固定。

 88ステージくらい作りたいのですが、基本的に固定台の中でどうやって変化性を出していくか、は大きな課題になる。


・ショットを打つことの基本的な楽しさ

 これはちゃんと真似なければいけない部分で、とにかく打つことそのものが楽しい。

 これはおそらくフライの楽しさでもあると思う。ゴロよりフライのほうが圧倒的に楽しい。なんでか知らんけど。


 この部分もやっぱりゴルフとビリヤードの違いになるだろう。

『雲歩き』では現段階では基本床に張り付いてのゲーム性を考えているので、ジャンプショットをどう扱うか、ジャンプなしでも楽しく打てるかはちゃんと考えておかねばなるまい。


・最大パワーで打つのが難しく、軌道自体は比較的読みやすい

 カービィボウルは射出のガイドが出てくるが、規定のパワーで発射できるかどうかはプレイヤーの目押し力にかかっている。

 目標である敵に当たっても跳ね返ったりしないので、ちゃんと目押しできれば予定通りのコースは辿りやすい。


 一方で『雲歩き』はというと、現時点では最大パワーで打つのは簡単なように作ろうと考えている。しかし敵に当たると跳ね返りが予想できず、しかも敵に当ててもそれ自体ではポイントにならないルールなので、パワー調整ではなく軌道予測がメインになる。これもゴルフとビリヤードの違い略。


・シビアで補助はないに等しい

 これも違いになると思う。

 Switchだと巻き戻しができるが、カービィボウルは普通に難しい。


『雲歩き』ではここは優位性を取ろうと思っているポイントで、「ヘタでもテンポは悪いものの進める」というようなシステムにしたいと考えています。これはゴルフとビリヤードの違いではないな。いやでもゴルフってヘタだとめちゃくちゃ難しそうなイメージある。





 そんなこんなで、とにもかくにも、やっとこ新作にちゃんと手をつけられ始めたような気がします。

『雲歩き』は2026年にSteam向けに発売を目標として製作中です。


珍しくキリっとしている。顔は。


0 件のコメント:

Powered by Blogger.