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小説ラスクロ『柿の種』/時代4/Turn11《因果断ちの一閃》

3-114U《因果断ちの一閃》 「あらゆるものとの関わり、縁が断ち切られた場所……そこは、ある意味でひとつの聖地でありましょう。」 ~飾太刀の武者巫女~  武器は見たところ、腰に佩いた太刀だろうか。刀身はやや短いが、白鞘が曲がっていないので、...

小説ラスクロ『柿の種』/時代4/Turn10《皇護の刃 イズルハ》

1-138S《皇護の刃 イズルハ》 「彼女はいつも居住まいを正して、そこに座っていたものです。その凛とした姿の美しさといったら、清流に咲く白百合のようで……。 静寂の中、風鈴が小さく鳴るまで、わたくしにはまるで、時が止まっていたかのように感じられましたわ。」...

小説ラスクロ『柿の種』/時代3/Turn9《青武皇の威風》

15-013U《青武皇の威風》 イズルハ、ミスルギの双剣が、ともにイースラに在ったあの頃……往年の青武皇は、その時代の思い出をたびたび振り返っては、ナナツキ、テイハらとともに懐かしんだという。  夕暮れ刻、街道を行く、髪が濡れ、ふらふらと幽鬼に似...

小説ラスクロ『柿の種』/時代3/Turn8《大雪嵐》

3-115R《大雪嵐》 海魔の獣が現れた冬、魂さえも凍てつく寒さがイースラを襲った。 「ミスルギさん、おつかれさまです」 《覇仙術の抜け穴》を通ってやってきたイズルハは、災害獣の身体を両断した直後に落下する勢いそのままもう一度《覇仙術の抜け穴...

小説ラスクロ『柿の種』/時代3/Turn7《覇仙術の抜け穴》

5-108R《覇仙術の抜け穴》 「なるほど、これが天狗どもの神出鬼没の種明かしか。  この秘術の巻物、皇宮に持ち帰って調べてみるとしよう。」 ~「イズルハの天狗退治の逸話」より~  雨が降っていた。  濡れた呪符は指の間に挟むこ...

小説ラスクロ『柿の種』/時代2/Turn6《追憶の歌い手》

5-103C《追憶の歌い手》 「マジュラの沖で感傷に浸れば、ときに魂が眠りこむ。お前も剣士ならば、よくよく気をつけることだな。」 ~早舟の護衛隊長~ 「恋はしておくべきですよ。恋は盲目といいますからね、馬鹿のうちにしかできません」  など...

小説ラスクロ『柿の種』/時代2/Turn5《トポカの眠り猫》

15-092U《トポカの眠り猫》 神秘的な瞳を持つその猫が居眠りしながら見る夢は、イースラの神主や巫女たちが言うには、別世界の現実につながっているのだという。  蝉の音がそこらじゅうから響いているのはミスルギにとっては日常的なことではある。であれ...

小説ラスクロ『柿の種』/時代2/Turn4《創生水の儀式》

11-131C《創生水の儀式》 青き魔術に応え、水鏡が未来を映すとき……それは、新たな可能性を連れてくる。  畳の上に寝っ転がるのが好きなのは、畳の匂いが好きだからではない。うつ伏せにして全身を畳の目に擦り付けると、ただ平たい床とは違って感触があ...

小説ラスクロ『柿の種』/時代1/Turn3《覇力の戦巫女》

2-108U《覇力の戦巫女》 戦いの神を祭るのは、ガイラントの巫女だけではありません。島には島の、海には海の武神がおわしますわ。 「頑張れ、ちびっこ!」  間違いなく対面の男のほうが背が高いので、つまり外野席から投げかけられた「ちびっこ」と...

小説ラスクロ『柿の種』/時代1/Turn2《創造的破壊》

1-153C《創造的破壊》 歴史も物も、一度壊してから作り直すほうが早いことがある。 「道に迷っているのではありませんか?」  静かな歩調でまっすぐにミスルギに歩み寄って来たので、どうやら聞き違いではなく、この女はミスルギに話しかけてきている...

小説ラスクロ『柿の種』/時代1/Turn1《クロノグリフ~蒼智片~》

15-105U《クロノグリフ~蒼智片~》 「深き青こそは、静かなる英知をたたえし神秘の色。未来を読み解き、世界に新たな波を連れてくる、清冽なる意志と知恵の力を示す色でもあるのです」 ~神詩人の言葉~  人生60年生きるなら、2万2千日しか時...

小説ラスクロ『アニーよ、銃を取れ』/時代4/Turn12《投げ斧の達人》

13-033C《投げ斧の達人》 「最後まで勝負を捨てるな! 投げていいのは、お前の手にあるそいつだけだ!」 ~投げ斧部隊の戦士長~ 「あれは間違いなく決闘だったね」  とのちにバウシー・マウンテン(32歳)は述懐する。 「ひとりは若い...

小説ラスクロ『アニーよ、銃を取れ』/時代3/Turn11《赤髪の海魔獣》

13-110R《赤髪の海魔獣》 呪われし美女の上半身は犠牲者の悲劇的な未来を見つめ、力強き触手は揺るぎなき絶望を手繰り寄せる。  アニーからは射撃術だけではなく馬術も教わっていて、だから波のような敵兵の手にもかかることなく、アンは砦下町を抜けた...

小説ラスクロ『アニーよ、銃を取れ』/時代3/Turn10《ホーリーバレッター》

13-017C《ホーリーバレッター》 「聖弾の軌道のように、まっすぐ在れ!」 ~シャダスの聖射手たちの合言葉~  掴んでいるのは細い手だった。指はディアーネよりも細いかもしれない。白くて、骨ばっていて、それでいて大きくて、緊張で震えていて…...

小説ラスクロ『アニーよ、銃を取れ』/時代3/Turn9《黒王龍 モズドゥーン》

13-068U《黒王龍 モズドゥーン》 その邪悪なる黒龍の王は、不吉なる予兆の赤き月の夜には、人の姿を取ることがあるという。  女の細腕でよくもここまで、と 《赤魔将 豪砕のダズール》 は驚嘆を覚えずにはいられなかった。 《地宝剣の大闘神官 レ...

小説ラスクロ『アニーよ、銃を取れ』/時代3/Turn8《魔弾の雨降らし》

12-071C《魔弾の雨降らし》 「賭けたっていい! オークが群がった防衛塔の下を通るくらいなら、地獄蜂の巣の下を通ったほうがよっぽどマシだぜ!」 ~熟練の攻城兵~ 「 《大牙噛み》 っ!」   《目覚めし黄金覇者 アルマイル》 の怒声とと...
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